木表・木裏はどっちが上?木材の見分け方や使い分けのポイント、反りの理由を解説

丸太を製材した木材には、木表(きおもて)と木裏(きうら)があります。
それぞれ同じ丸太から切り出しても性質や反り方が異なるため、材料選定の際には注意が必要です。
そこで今回は、「木表と木裏」の見分け方やメリット・デメリット、反り方の違い、それぞれの適した用途について、“1947年創業の恩加島木材”が解説します。
反りにくいおすすめの木質内装建材も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
●木材の反りを最小限に抑える方法はあるものの、完全に防ぐことはできないため、材料選定の際には注意が必要です。
●恩加島木材は、高品質で品質や寸法・形状の安定性が高くレパートリー豊富な「突板化粧板」を製造販売しております。
Contents
木表・木裏はどっちが上?見分け方

木材には表と裏があり、丸太の状態で樹皮に近い側を木表(きおもて)、中心に近い側を裏面を(きうら)と呼びます。

製材後の木材で木表と木裏を見分ける場合は、木口※の木目を確認しましょう。
※木口(こぐち):木材の切断面
年輪が山型のカーブになっている上が木表、下が木裏です。

年輪のカーブの山側になっているほうが木表、谷側にあるのが木裏です。
ちなみに、木材に木表・木裏ができるのは、丸太の木目と並行してカットする「板目」の場合のみで、丸太の木目に直行するようにカットする「柾目」の場合では一般的に、木表と木裏を区別しません。

※板目・柾目の違いは木目の違いでイメージが大きく変わる。板目・柾目・杢目の違いや突板の貼り方まで徹底解説をご覧ください。
木表・木裏のメリットとデメリット|反り方の違い

木表と木裏は単に表裏を区別するための言葉ではありません。
それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。
木表側
【反り方】 | ・木表側から見てU字に反る=凹む(含水率の高い針葉樹は顕著) |
【メリット・デメリット】 | ・採取部位によって異なるが、比較的明るい色の樹種が多い ・木目の幅は広めでダイナミック ・木裏側より質感が滑らか ・硬く強度が高い ・木裏と比べると約2倍収縮し、変形しやすい |

木裏側
【反り方】 | ・木裏側から見て山型に反る=盛り上がる(含水率の高い針葉樹は顕著) |
【メリット・デメリット】 | ・採取部位によって異なるが、比較的暗い色の樹種が多い ・木目が細かく繊細 ・木表側より質感が粗めでささくれ立ちやすい ・柔らかく強度が低い |
▶︎おすすめコラム:木材の欠点“反り”が起こる原因|防止できる?直せる?おすすめ内装建材についても
木表・木裏の使い分け|適した用途

木表側・木裏側のどちらを表面にするかは、施工部位によって異なるので注意しましょう。
種類 | 適した施工部位・用途 |
---|---|
木表 | 内装仕上げ材、フローリング、家具の表面材など ・質感が滑らかなので、人の手に直接触れる部分に適している |
木裏 | 構造体、ウッドデッキ材、フェンス材など ・表面の質感が粗く木目の境目が割れやすいので、人の手に触れない部分に採用する ・山型に反るので、屋外でも表面に雨が溜まりにくい |
ただし、規模の大きい建築物などでは、1カ所ごとに木表・木裏を確認しながら施工することが困難なケースは珍しくありません。
▶︎おすすめコラム:【テーブル天板に使う木材の選び方】種類や手入れ方法、塗装について解説
木材の反りを抑える方法

木材は、木表側を上にすると、凹むように反り、木裏側を上にすると盛り上がるように反ります。
どちらにしてもデザイン性や機能性が損なわれるリスクがあるため、できるだけ反りは抑えたいですよね。
木材の反りを防止する方法は以下の通りです。
- 速やかに加工・施工する(時間が経つと木材含水率が変化して反りにつながる)
- 表面に塗装を施して湿気や乾燥の影響を最小限に抑える
- 板材の裏を補強(固定)する
- 木材の上に重しを置いておく
ただし、これらの方法を実践しても木材の反りを完全に防ぐことはできません。
また、建物の規模が大きくなると、たくさんの木材に反り防止の処置を施す作業は工期の遅延や工事費の増加をもたらします。
突板化粧板は工場で製造される工業製品なので、木表・木裏のような品質のムラがなく、無垢材・集成材よりも反りにくい性質を持つ点が特徴です。
反りにくく品質安定性が高い「恩加島木材の突板化粧板」

突板化粧板とは、突板と呼ばれる天然木を0.2〜0.3mmの薄いシート状にスライスした素材を表面材とし、それを基材(きざい)である合板などに接着した仕上げ用パネル材です。

無垢材よりも天然木の部分が少ないため、反りなどの変形リスクを大幅に抑えられます。
また、材料を薄くできる点や基材の種類によって防火材料として認定を受けられる点も内装材として大きなメリットです。
※防火材料:建築基準法において加熱されても一定時間「燃焼しない・避難上有害な煙やガスを発生しない」ことが認定された建築材料を指し、防火性能によって不燃・準不燃・難燃材料に分けられる
▶︎おすすめコラム:突板・挽板・無垢材それぞれの違いとは?どれがおすすめ?特性から選び方まで徹底解説
▶︎おすすめコラム:突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介
無垢材と同様のナチュラルな質感と見た目
突板は天然木をスライスした素材であるため、見た目や質感は無垢材とほぼ変わりません。
そのため、印刷では表現できないナチュラルな仕上がりになります。
無垢材よりも低価格
突板化粧板は無垢材よりも天然木の割合が少ないため、材料の価格を抑えられます。
希少価値があり高価な樹種を採用したい場合は、ぜひ突板化粧板をご採用ください。
樹種(木目・カラー)のレパートリーが豊富
突板化粧板は無垢材よりも樹種のレパートリーが多く、国産・輸入材問わず多数の中から選択できます。
また、突板化粧板でしたら、重い樹種や変形しやすい樹種、高価な樹種など、無垢材では扱いにくい種類を選定できる点もポイントです。
無垢材より変形しにくい
無垢材は、季節ごとに生じる温度や湿度の変化によって、変形したり割れたりする可能性があります。
しかし、突板化粧板は無垢材部分が薄いため、反りにくく伸縮しにくい点が強みです。
無垢材より品質ムラが少ない
無垢材は天然素材なので、同じ産地・樹種でも木1本ごとに乾燥ムラによる品質の差が出る可能性があります。
対して、突板化粧板は工業製品なので、品質が安定している点が特徴です。
同じ突板で非不燃・不燃と仕様を選べる
恩加島木材の突板化粧板は基材に不燃パネルを用いることで、防火材料としての認定を受けています。
表面の突板は非不燃・不燃で同じものを使うため、内装制限など防火規定にかかわる範囲とそれ以外の範囲をトータルデザインすることが可能です。
※詳しくは「突板不燃化粧板|特徴やメラミン化粧板・化粧ケイカル板との違いを解説」をご覧ください。
通常の突板化粧板に加えて、不燃認定取得済みの「天然木練付不燃化粧板」・「天然木練付不燃複合板」や、ホールや体育館の壁・天井材としておすすめの「天然木練付有孔化粧板」などのラインナップを揃えたPANESSE(パネッセ)をぜひご採用ください。
特殊塗装も可能
突板化粧板は工場塗装するのが原則です。
そのため、大掛かりな機材や扱いにくい塗料を用いた以下のような特殊塗装も可能になります。
- 表面の耐摩耗性を高めるUV塗装
- 木材の日焼け防止塗装
- 抗菌・抗ウイルス塗装
※突板化粧板の塗装については「ウレタン塗装・UV塗装・ラッカー塗装・オイル塗装… 各種木材塗装の違いは?抗ウイルス塗装についても解説」をご覧ください。
恩加島木材では、突板化粧板の製造から特殊塗装まで、全て自社工場にて行なっているため、お客様のご要望に細かく対応できます。
テクスチャー付きの材料も
恩加島木材は、突板化粧板の表面に様々なテクスチャーをプラスした「天然木練付テクスチャーボード」も製造しています。
「内装に高級感やオリジナリティをプラスしたい」という方は、ぜひご採用ください。



● 重い・割れやすい・高コスト・ビスが効かないなどの懸念点を解消した「不燃突板複合板」
● 国内初・組み立てた状態で準不燃認定を取得した「リブパネル」
● 国内初・孔を開けた状態で不燃認定を取得した「有孔ボード」
● 0.5mm厚突板による立体感と特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した日本初上陸のプロダクト「突板化粧合板・KDパネル」
まとめ
木表と木裏は木材の表裏を意味するだけではなく、表面の質感や反り方に違いがあります。
設計デザインに無垢材を用いる場合は、施工部位・用途に応じて、適した面を表にしましょう。
ただし、木材の反りを最小限に抑える方法はあるものの、完全に防ぐことはできません。
恩加島木材は、無垢材よりも反りなどの変形を抑えたレパートリー豊富な「突板化粧板」を製造販売しております。
「思い通りのデザインを実現したい」「環境に配慮した建物にしたい」という方は、高品質でレパートリー豊富な恩加島木材の突板製品をご採用ください。