メラミン化粧板のデメリットとは|設計者が押さえるべき材料選定のコツとおすすめ内装材

メラミン化粧板のデメリットとは|設計者が押さえるべき材料選定のコツとおすすめ内装材

耐久性やコスト面の観点から、内装仕上げ材にメラミン化粧板を選ぶケースは少なくありません。

しかし、建物が完成してから「イメージと違う」などのクレームに発展することもあります。

このようなトラブルを避けるためには、事前にメラミン化粧板のデメリットや採用における注意点を把握しておくことが重要です。

そこで今回は、メラミン化粧板の特徴やメリット、主な施工部位、選定の際に注意すべきデメリット、木目の内装デザインを実現したい場合のおすすめ建材について、“木材のプロ”が詳しく解説します。

設計デザインの実務における失敗例や、不燃性能(不燃材料)など、多くの方からいただくご質問も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

このコラムのポイント
●メラミン化粧板は、高い耐久性・耐火性・耐水性・耐汚性がメリットで、幅広い場所に採用される内装仕上げ材です。

●メラミン化粧板には、デザイン性や納まり、加工性におけるデメリットがあり、それが思わぬクレームにつながる可能性があるため、適材適所の材料選定が求められます。

●恩加島木材は、高品質かつバリエーションが豊富で、さらに環境にも配慮した「突板化粧板」を製造販売しており、内装制限に対応できる不燃タイプ・難燃タイプをお選びいただけます。


メラミン化粧板とは|特徴・施工部位・メリット

メラミン化粧板とは|特徴・施工部位
高圧メラミン化粧板メラミン樹脂含浸紙とフェノール樹脂含浸紙を積層し、熱圧成形し、さらに基材(MDFや石膏ボードなど)と貼り合わせて圧締したもの

▶︎耐久性が高いが、パネルが厚く、高価
低圧メラミン化粧板メラミン樹脂含浸紙を積層し、熱圧成形したもの

▶︎耐久性は高圧メラミン化粧板に劣るが、パネルが薄く、安価

メラミン化粧板の主なメリットは以下の点です。

  • 表面の耐水性・耐火性・耐熱性・耐汚性・耐キズ性が高い
  • 不燃材料※として認定を受けている製品が多い
  • 仕上げ用パネル材の中では比較的安価(価格の幅が広く、安価なものから高価なものまで多様)
  • 現場でのカット加工などが容易
  • プリントにより、様々な色柄を表現できる(石目・木目や幾何学模様など、デザインのバリエーションが豊富)
  • 無垢材などの天然素材と比べて、大判の材料が豊富(4×8[1,220mm×2,440mm]までは標準サイズ)
  • 工業製品なので、品質ムラがほぼない
  • 経年変化(劣化)が少ない

※不燃材料:建築基準法で定める不燃性能(燃焼しない・防火上有害な変形、溶融、亀裂、その他の損傷を生じない・避難上有害な煙やガスを発生しない)を20分以上維持できると性能評価で証明され、国土交通大臣の認定を受けている防火材料

これらのメリットによって、内装仕上げ材の中でも多様な場所に施工でき、以下のような部位に採用されています。

高圧メラミン化粧板・キッチンや給湯室など、火気使用室の壁仕上げ材
・トイレや洗面室など、水回りの壁仕上げ材
・トイレブースなどのパーテーション仕上げ材
・テーブルの天板やカウンター材
低圧メラミン化粧板・家具や什器の仕上げ材
・棚板などの部材
ポイント
メラミン化粧板は、その汎用性から住宅だけではなく、商業施設や医療施設、教育施設、福祉施設など、多様な非住宅分野の建築に採用されています。

また、耐久性が高くリーズナブルな価格帯のものが多いことから、「コストパフォーマンスに優れた」建材です。

メラミン化粧板の設計における失敗例・デメリット・具体的な問題点

メラミン化粧板のデメリットと設計における具体的な問題点

性能面やコスト面、デザイン性など多様な観点においてメリットの多いメラミン化粧板ですが、内装仕上げ材に採用して失敗・後悔したという事例もあります。

よくある失敗例は、以下のとおりです。

「パースではいいデザインだったのに、完成すると違和感がある」

「端部のディテールがどうしても気になる」

「表面がキズついたが、部分補修できず全面張り替えになってしまった」

「サンプルやカタログの写真では、木目がリアルに見えたが、実物ではかなり差がある」

設計者にとって、これら完成してからのクレームは致命的なトラブルになりかねません。

トラブルのリスクを未然に防ぐためには、メラミン化粧板のデメリットや問題点を理解しておく必要があります。

メラミン化粧板を採用する前に押さえておくべきポイントは、以下のとおりです。

色柄・パターンは印刷で本物とは異なる

メラミン化粧板は、基材(コア層)の上に色柄を印刷した化粧紙を重ね、その上からコーティングする構造であるためです。

ハイグレードなメラミン化粧板には、エンボス加工※が施されており、木目のラインが浮き出て見えるものもありますが、触り心地は硬く冷たい点には注意が必要です。

※エンボス加工:表面に押し型で凹凸をつけ、色柄が浮き立つように見せる加工

CGパースなどでは質感や色柄のリアリティが判断しづらいため、材料選定の際にはカットサンプルなど実物を必ず確認しましょう。

デザイン性を重視する現場で木目のメラミン化粧板を選ぶ際には、「なぜ本物の木を使わないか」の根拠となる説得材料を用意し、お客様に事前説明することも重要です。

経年変化を楽しめない

高級な住宅やホテルなどでは、内装に経年変化がないとチープな印象になる可能性があるため、慎重に材料を選定しましょう。

ただし、経年変化がほぼない点はメリットでもあるため、お客様への説明方法にご注意ください。

細かい加工が難しい

※基材と接着されているものは3〜6mm厚が一般的

特に、細かい加工や複雑な納まりには対応しにくく、仕上がりの精度が施工技術による影響を受ける点には注意が必要です。

補修が難しい

メラミン化粧板は、強度を維持するためのコア層と化粧紙、透明の保護層、さらにエンボス層など多層で構成されているため、キズがつくと補修は困難です。

パテを用いてキズの部分をほぼ分からなくするリペア専門職もありますが、広範囲に及ぶときれいに仕上がらない場合があります。

そのため、施工中はもちろん、完成後にキズがつくと、そのパネルを全面交換するのが基本です。

メラミン化粧板は通常使用ではキズや汚れがつきにくいですが、物がぶつかると擦り傷や削り跡、摩擦による光沢の劣化などがつく可能性があり、それを補修するには費用がかかる点を、事前にお客様に説明しましょう。

また、部分張り替えをする場合、同じ品番(色柄)の材料を使用しても、生産ロットの違いによって微妙に色合いに差が出るリスクにも注意が必要です。

端部の処理が必要(見切り材・目地が必要)

メラミン化粧板は端部からの衝撃に弱く、断面は表面と色合いが異なるため、原則として施工には見切り材や目地、木口テープなどの付属部材が必要です。

メラミン化粧板の施工で用いられる見切り材や目地材、木口テープは、パネルと色味を合わせた純正品を使用しますが、素材は化粧板表面と異なり、見た目の違和感を感じる方は少なくありません。

そのため、メラミン化粧板を壁面など広範囲に施工する場合は、家具などディテールの納まりにこだわる場合は、事前の仕上がりについて細部まで検討する必要があります。

特注条件が限られる

そのため、特にデザイン性を重視する場合は、パネル割りや柄の向きなどを入念にシミュレーションし、お客様に確認しましょう。

パネル割によって材料コストが変わったり、施工費が変動したりする点にもご注意ください。

環境配慮性は高くない

近年、大規模プロジェクトを中心に環境配慮性がコンセプトになるケースが増えていますが、主原料であるメラミン樹脂や石油由来の材料であるため、環境負荷が少ないとは言えません。

公共的な建物では、環境への影響について説明責任が生じる可能性があるため、材料選定の際には、ライフサイクル終了後の廃棄や再利用・再資源化について、メーカーに確認してみましょう。

一部のメーカーでは植物由来のフェノール樹脂を使用したメラミン化粧板やリサイクル技術の研究開発が進められていますが、実用化・量産化するまでにはまだ期間がかかる見込みです。

ポイント
メラミン化粧板は、多様なメリットがある反面、設計の際に注意すべき欠点もあります。

そのため、建物の用途や施工部位に応じて、適材適所に他の化粧板と使い分けることが重要です。

▶︎おすすめコラム:化粧合板とは?種類別メリット・デメリットと家具の材料や天井・壁材を選ぶポイント

木目の内装デザインには「突板化粧板」もおすすめ|メラミン化粧板との比較

木目の内装デザインには「突板化粧板」もおすすめ|メラミン化粧板との比較
施工事例:ザ・ファインタワー大手前

近年、非住宅分野の建物においても「内装木質化」がトレンドです。

※内装木質化について詳しく知りたい方は「オフィスの「内装木質化」がデザイントレンド|メリット・デメリットと設計ポイント、補助金を解説」を併せてご覧ください。

その理由は、環境負荷の少ない木材利用を促進できる点や、天然木のストレス軽減効果などが挙げられ、SDGsやウェルビーイング※、ESG※の観点からも採用事例は増えています。

※ウェルビーイング(Well-being):WHOが1946年に定義した言葉で、身体的・精神的・社会的に満たされた良好な状態を意味する包括的な標語
※ESG:Environment(環境)・Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字を取った標語で、企業の持続可能性を判断する指標として、財務情報に加えて環境問題や社会多様性への対応などを重視する投資判断基準として世界で浸透している

突板化粧板とは、突板と呼ばれる天然木を0.2〜0.3mmの薄いシート状にスライスした素材を合板などに接着したパネル材で、内装仕上げや家具・建具の材料として使用されています。

表面材と基材

メラミン化粧板にも木目がプリントされたものが多数ありますが、突板化粧板とは性質面やデザイン面において明確な違いがあります。

化粧板の種類比較項目
メラミン化粧板【木目】プリント化粧紙

【経年劣化】通常使用下では、ほぼなし

【耐用年数】30年以上

【性能】耐水性・耐火性・耐キズ性・耐汚性が高い

【質感】冷たく固い

【不燃性能】大臣認定製品あり(内装制限の対象部位にも採用可能)

【環境配慮性】製造時のCO2排出量やエネルギー消費量などの懸念点あり(メーカーによる改善段階)

【おすすめの施工部位】デザイン性よりも耐久性やメンテナンスフリーを重視する部位
突板化粧板【木目】天然木の木目(高級感をプラスできる)

【経年劣化】紫外線による変色や表面の乾燥※に注意は必要だが、樹種によっては味わいや艶感などの経年美をプラスできる

【耐用年数】:15〜20年(表面塗装によって異なる)

【性能】耐水性・耐火性・耐キズ性はあまり高くない(耐汚性は塗装によってカバー可能)

【質感】本物の木に近い(ただし、無垢材より冷たく固い)

【不燃性能】大臣認定製品あり(内装制限の対象部位にも採用可能)

【環境配慮性】製造過程におけるCO2排出量※が少なく、再利用や再資源化しやすい

【おすすめの施工部位】:本物に近い木目や質感を重視する部位

※突板化粧板の表面乾燥は、塗装によって防止できます
※木材や木質建材は製造過程におけるCO2排出量が鋼材の3/1000程度(参考:林野庁|(2)環境への配慮|地球温暖化防止への貢献

このように、メラミン化粧板と突板化粧板には、それぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、適材適所での使い分けをご検討ください。

例えば、こまめな拭き掃除が必要な医療施設や福祉施設には、耐水性に優れたメラミン化粧板が適しており、木目の風合いや質感を重視する高級住宅やマンション・ホテルなどのエントランスホールなど共用部、商業施設などには、突板化粧板がおすすめです。

▶︎おすすめコラム:エコマテリアルとは|建築に必要な理由、種類・特徴を解説

▶︎おすすめコラム:突板化粧板のデメリットや注意点は?メーカーだから分かる解決方法を紹介

▶︎おすすめコラム:突板不燃化粧板|特徴やメラミン化粧板・化粧ケイカル板との違いを解説

ポイント
恩加島木材工業株式会社は1947年創業以来培った知識・技術・ネットワークを生かし、国内外から良質な突板を仕入れて高品質で意匠性の高い「不燃突板化粧板」「難燃突板化粧板」「突板不燃複合板」を製造しております。

突板は常時40種以上を取り扱っておりますので、内装制限の対象範囲に美しい木目を取り入れたい方は、ぜひ弊社までご相談ください。



FAQ|メラミン化粧板・突板化粧板に関する「よくある質問」

FAQ|メラミン化粧板・突板化粧板に関する「よくある質問」

ここでは、メラミン化粧板と突板化粧板について、多くの方からいただくご質問を紹介します。

Q.メラミンは不燃材料?内装制限に使える?

不燃材料には、告示で定める「告示仕様」と、国土交通大臣により製品ごとの性能試験を受ける「大臣認定仕様」があり、多くのメラミン化粧板は後者に該当します。

(参考:国土交通省|建設省告示第1400号「不燃材料を定める件」国土交通省|建築基準法に基づく構造方法等の認定・特殊構造方法等の認定

ちなみに、木質建材である突板化粧板も、基材に不燃パネルを用いることで、不燃材料の大臣認定を受けているものもあります。

※不燃認定の詳細は「建材の不燃認定とは|基礎知識と実務で失敗しない材料選定、内装木質化のポイント」を併せてご覧ください。

Q.メラミンと突板はどちらの価格が高い?

A.メラミン化粧板と突板化粧板は、それぞれ製品のグレードによって価格に幅があり、一概にどちらが高い(安い)とは言えません。

それぞれ一般的なタイプの価格帯は以下の通りです。

化粧板の種類価格帯(3×6サイズの場合)
メラミン化粧板5,000〜20,000円/㎡
突板化粧板7,500~15,000円/㎡
(上記価格は目安です。詳細は、メーカーや販売店にご確認ください。)

メラミン化粧板は「表面コーティングの種類」、突板化粧板は「表面材(突板)の樹種や産地」によって価格が変動します。

Q.突板化粧板の表面耐久性を高める方法はある?

A.メラミン化粧板と比べて突板化粧板は表面の耐久性は低いですが、塗装加工によって耐汚性・耐摩耗性は高められます。

不燃性能が必要ない部分には、分厚い塗膜を形成できるUV塗装※、不燃性能が必要な部分には不燃ウレタン塗装を施した突板化粧板がおすすめです。

※UV塗装:紫外線を照射すると短時間で固まる特殊塗料を用いた加工で、表面カバー力は高いが、塗料に有機物(プラスチック系樹脂)が含まれ、燃焼時に煙やガスを発生させるため、不燃認定の基準を満たさない

ただし、UV塗装には大掛かりな設備が必要で、不燃ウレタン塗装は管理された環境下で作業したものしか認定を受けられないため、どちらも工場塗装が原則で、取り扱うメーカーは限定されます。

恩加島木材では、UV塗装や不燃ウレタン塗装を含める特殊塗装も全て自社工場で対応しており、特注色のオーダーも承っておりますので、お気軽にご相談ください。


高品質でバリエーション豊富な恩加島木材の「突板化粧板シリーズ」

高品質でバリエーション豊富な恩加島木材の「突板化粧板シリーズ」

恩加島木材は、国内外から多種多様な突板を仕入れ、天然木の風合いを残した高品質な「突板化粧板」を製造している建材メーカーです。

恩加島木材が自信を持って提供する「突板化粧板の強み」は以下の点です。

  • 無垢材と同様の「ナチュラルな見た目と質感に仕上がる」
  • 工業製品なので、無垢材よりも「品質と寸法の安定性が高い」
  • 無垢材よりも軽量化が可能で、「施工効率性アップにつながる」
  • 無垢材よりも温度や湿度の環境変化による「変形リスクが少ない」
  • 希少性があり高価な樹種でも、「無垢材より安価で安定して材料を入手しやすい」
  • 原木1本から取れる突板面積は無垢板材よりも広いため、「同じ風合いを大量入手しやすい」
  • UV塗装などの特殊塗装により「表面の耐摩耗性・耐汚性が高い」
  • 通常の化粧板と同じ突板を用いた「不燃・難燃材料認定取得済み化粧板」もあり、内装制限など防火規定の対象部分と非対象部分の仕上げを揃えられる

▶︎おすすめコラム:突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介

さらに弊社では、国産材や地域材、間伐材、成長の早い小径材を積極的に活用し、「人工突板」の開発・製造にも努めるなど、森林活性やカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを行っています。

恩加島木材工業の突板化粧板シリーズ
● 0.5mm厚突板による立体感と特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した日本初上陸のプロダクト「KDパネル:突板化粧合板

● 豊富な樹種・木目とUV塗装も選べる「PANESSE(パネッセ):非不燃・不燃天然木練付突板化粧板

● 重い・割れやすい・高コスト・ビスが効かないなどの懸念点を解消した「不燃突板複合板

● 国内初・組み立てた状態で準不燃認定を取得した「リブパネル

● 国内初・孔を開けた状態で不燃認定を取得した「有孔ボード



まとめ

メラミン化粧板は、高い耐久性・耐火性・耐水性・耐汚性がメリットで、幅広い場所に採用される内装仕上げ材です。

しかし、デザイン性や納まり、加工性におけるデメリットがあり、それが思わぬクレームをもたらす可能性があるため、適材適所の材料選定が求められます。

木目の化粧板をお探しの方は、天然木の風合いを活かせる「突板化粧板」の採用もご検討ください。

恩加島木材は、高品質&バリエーション豊富で、環境に配慮した「突板化粧板」を製造販売しており、国産材・地産材もご指定いただけます。

「思い通りのデザインを実現したい」「地域に根付く建物にしたい」という方は、恩加島木材の突板製品をご採用ください。