天然木にこだわるなら突板練付化粧板。
メラミン化粧板・オレフィン化粧板・プリント化粧板との違いは?

化粧板はその施工性の高さや寸法安定性、コスト面から家具やカウンターなど様々なシーンで用いられています。しかし、化粧板と言ってもその素材によって特性は異なります。それぞれを理解して適切なものを選ばなければ、メンテナンスし難くく長持ちしません。そこで、今回は化粧板について素材の違いによる特徴の差について紹介します。公共施設などには欠かせない不燃認定についても触れていますので、住宅や施設のデザインをする際にはぜひ参考にしてください。

このコラムのポイント
・それぞれの化粧板について特徴を理解して使い分ける必要がある。
・お手入れ方法は化粧板の種類によって異なる。
・天然木のような触り心地や風合い、意匠にこだわるなら突板練付化粧板がおすすめ。

 

化粧板と言っても種類は様々。それぞれの特徴は?

突板練付化粧板|チーク

一般的に家具やカウンター・壁パネル・パーテーションなど、建築現場で使われる化粧板にはいくつかの種類があります。主な化粧板は以下の5種類です。

  • メラミン化粧板
  • オレフィン化粧板
  • ポリエステル化粧板
  • プリント化粧板
  • 突板練付化粧板


違いは主に表面材の差ですが、それぞれの特徴は異なるため、適材適所で化粧板を使い分けることが必要です。ここでは、主な5種類の化粧板について特徴を紹介します。

メラミン化粧板

メラミン化粧板には高圧メラミン化粧板と低圧メラミン化粧板があります。どちらもカラーバリエーションが豊富で、木目以外にも石目など様々な柄が選べます。ただし、あくまで印刷された色柄なので人工的で冷たい印象は否めません。主原料はどちらも同様ですが、製作工程や材料の違いから強度などに差が出るので、材料を選択する際には注意しましょう。

高圧メラミン化粧板

高圧メラミン化粧板はメラミン樹脂やフェノール樹脂を紙に含浸させて何枚も重ね、高温高圧でプレスして作ります。そのため、表面は固く、耐汚染性・耐候性・耐水性に優れており、主に公共施設のパーテーションや住宅のキッチンパネル、水廻りのカウンターなどとして使われます。

低圧メラミン化粧板

低圧メラミンは表面にのみ樹脂を染み込ませた紙を使い、基材にはパーティクルボードや合板を用います。そのため、強度などは高圧メラミン化粧板よりも劣ります。ただし、低コストで色柄のバリエーションが豊富な点がメリットです。

オレフィン化粧板

オレフィン化粧板とは、ポリプロピレンやポリエチレンなどからできたオレフィンシートを表面材として用います。基材はパーティクルボードや合板が一般的で、メラミン化粧板と同様に耐汚染性・耐候性・耐水性に優れており、色柄のバリエーションも豊富です。メラミン化粧板との大きな違いは、塩化ビニル(PVC)を含んでいないため、環境に優しいという点です。

ポリエステル化粧板プリント化粧板

ポリエステル化粧板は、様々な色柄をプリントした化粧紙をパーティクルボード・合板に貼り付け、表面にポリエステル樹脂を塗布し、さらにフィルムを貼って固めたものです。一方、プリント化粧板はウレタンコート紙などに色柄などを印刷したものを、パーティクルボード・合板を貼り合わせたものを指します。どちらも表面のシート材にはほとんど強度がなく耐久性も低いため、鋭利なものがぶつかれば簡単に傷付き、場合によっては大きく破損してしまいます。ただし、軽量で低コストなので市販の家具などに多く使われています。

突板練付化粧板

化粧板の中でも、突板練付化粧板は天然木を仕上げに使った唯一のものです。その他の化粧板は色柄をプリントするため、どうしても本物の質感は表現できません。しかし、突板練付化粧板は、天然木を薄くスライスした突板を合板等に接着したものなので、表面は天然木そのもの。さらに、表面に保護塗装を施すことで、無垢材よりも耐久性・耐水性が高くなります。無垢材のような風合いを保ちつつも、軽量で伸縮・反りを抑えられるという特徴からも、本物志向の方にはおすすめの化粧板です。

〈関連コラム〉
下記コラムでは、当社の突板についてその特徴や魅力について紹介しています。是非合わせてご覧ください。
恩加島木材工業株式会社|コラム|突板でデザインの幅が広がる。「突板」のメリットから無垢材などとの違いまで解説



それぞれの化粧板は不燃認定されている?

突板練付化粧板|コクタン柾

公共施設をデザイン・設計する際に重要なポイントとなるのが「不燃認定されているかどうか」です。先ほど紹介した5種類の化粧板においては、全て不燃認定を受けているものがあります。ただし、全商品が認定を受けているわけではないため、都度メーカーに確認しなければなりません。

当社の突板練付化粧板においても、天然木本来の風合いを残しつつ不燃・難燃認定を受けているものが多数あります。豊富な樹種とカラーに対応可能なので、高級感を求めるホテルなどの施設にも多数納入実績があります。ぜひ、公共施設のデザインや設計をする際は、当社の突板練付化粧板をご検討ください。

〈関連コラム〉
下記コラムでは、不燃認定について詳しく解説しています。当社の認定取得済み製品についても紹介しておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。
恩加島木材工業株式会社|コラム|公共施設・商業施設に欠かせない不燃材料。防火性能や突板練付不燃板について解説

〈関連ページ〉
下記ページでは国土交通大臣認定の不燃材料を検索できます。ご検討中の材料が認定済みかどうか確認したい方は、ぜひご利用ください。
建築性能基準推進協会|認定情報



それぞれのお手入れ方法に違いはある?補修はできる?

突板練付化粧板|ニレ柾

化粧板を選ぶ際にその性能を理解しておくことはもちろんですが、施工した後のお手入れやメンテナンスについても理解を深めることは大切です。各化粧板のお手入れ方法について、共通している点は以下の3つです。

  • 酸性や塩素系洗剤は使えない
  • たわしなど鋭利な道具や、研磨剤入り洗剤は使えない
  • 初めてお手入れする際は必ず目立たないところで試してみる


まず、酸性・塩素系洗剤や研磨剤入り洗剤は、プリントシートや突板が変色し表面コーティングを溶かしてしまいます。それにより、光沢が失われて表面に細かいヘアライン状の傷がついてしまいます。化粧板の説明書には必ずメンテナンス時の禁止事項が書かれていますが、それらを確認して、まずは目立たない場所でお手入れ方法を試してみてください。

これら共通の注意事項の他にも、化粧板によってさらに気をつけなくてはいけないポイントがあります。詳しく紹介していきましょう。

メラミン化粧板・オレフィン化粧板

メラミン化粧板やオレフィン化粧板は、比較的表面の強度が高いため、お手入れの際にはあまり神経質になる必要はありません。しかし、あまり強い力でこすり続けると段々と光沢は落ちてきます。どちらも防汚性が高いためしつこい汚れは付きにくいですが、万が一付いてしまった場合には、アルコール除菌剤や中性洗剤を付けた柔らかい布やメラミンスポンジで表面を軽く拭き取る程度に留めましょう。

ポリエステル化粧板プリント化粧板

基本的には乾拭きでお手入れすることをおすすめします。何故なら、他の化粧板と比べても耐水性があまり高くないためです。ただし、どうしてもひどい汚れがついてしまった場合には、中性洗剤を使って硬く絞った柔らかい布で拭き取りましょう。拭き跡が残りやすいため、必ず最後に乾いた布で仕上げ拭きしてください。プリント化粧板は特に水に弱く、水分が表面に付くと、化粧紙が波打ったりカビが発生しやすくなるため、注意が必要です。ちなみに、どちらもメラミンスポンジは光沢やプリントが落ちるので、使用できません。


突板練付化粧板

突板練付化粧板の表面層には天然木が使われているため、メンテナンスが難しいと思われがちです。しかし、表面にコーティングを施しているので他の化粧板と同様にお手入れできます。無垢材の場合は一度ついた汚れやシミを落とすことは困難ですが、その点においても突板練付化粧板なら安心です。基本的には柔らかい布で乾拭きしましょう。どうしてもひどい汚れを落としたい場合には中性洗剤を使ってください。

ただし、製品によっては無垢材と同様に定期的なオイル塗装だ必要なものもあります。浸透型塗料で仕上げられている製品は、塗料の使用要領を確認してから適切なお手入れをしましょう。突板練付化粧板は他の化粧板とは異なり、軽微な傷であれば補修が可能なので、長く美しい状態を保ちたい場合におすすめです。



特徴一覧

  耐久性 耐水性 意匠性 コスト 不燃認定 部分補修可否 代表的なサイズ
単位:尺
特注加工対応
メラミン化粧板 不可 3*6,4*8 不可
オレフィン化粧板 不可 3*6,4*8 不可
ポリエステル化粧板 不可 3*6,4*8 不可
プリント化粧板 × × 不可 3*6,4*8 不可
突板練付化粧板 3*6,4*8,3*10,4*10
(本実加工、Vカット加工、浮造り加工、オビノコ加工、型押し加工等)

ここまで各化粧板についてその特徴やお手入れ方法を解説してきましたが、要約すると以下のような内容になります。

【メラミン化粧板・オレフィン化粧板】

  • 色柄のバリエーションは豊富だが、どこか人工的で冷たい印象
  • 肌触りが硬い
  • 耐水性が高いため、キッチンなどの水廻りに適している
  • 細かい加工はしにくい


【ポリエステル化粧板・プリント化粧板】

  • 安価で色柄のバリエーションは豊富だが、平面的で高級感はない
  • 耐久性は低いため、公共施設にはあまり使われず、量産家具等に多く使われる
  • 耐水性が低いため、お手入れがしにくい
  • 細かい加工はしにくい


【突板練付化粧板】

  • サイズ展開が他より豊富
  • 天然木本来の趣ある風合いが表現でき、無垢材のような高級感がある
  • 樹種やカラーが豊富なので、本物志向のデザインに適している
  • 納まり上、無垢材は使えない場所にも利用でき、希少な木目もふんだんに使える
  • 様々な加工が可能なので、多種多様な場所に使える


これらそれぞれの特性を理解して、ぜひその場所に合った化粧板を選んでください。当社では、突板練付化粧板について熟練した知識や経験を持ったスタッフが、各現場ごとの納まりや素材についてアドバイスさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。



化粧板を選ぶ際にはF☆☆☆☆製品を

F☆☆☆☆(エフ・フォースター)の “F” とは、建材においてシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドの発散濃度を示した基準値の事です。ホルムアルデヒドは、建築材料を製造する際の接着剤や、仕上げ塗材に含まれる事が多いため、化粧板においてもその発散量には十分留意しなくてはいけません。

建築基準法ではF☆☆からF☆☆☆☆と3段階に区分されており、F☆☆☆☆は最も発散濃度が低い事を示します。そのため、F☆☆☆☆の認定を受けている建材は、建築基準法によってその使用は規制されません。化粧板を選ぶ際には、F等級(☆☆〜☆☆☆☆)のどれに該当しているかを確認し、できるだけ人に影響を与えないF☆☆☆☆の製品を選びましょう。私たち恩加島木材の製品は全てF☆☆☆☆認定を取得しているため、公共施設から住宅まで、建物を使う人にとって安心安全を確保できます。

〈関連ページ〉
下記ページではシックハウス対策に係る法令等が一覧になって紹介されています。詳しく知りたい方はご覧ください。
国土交通省|建築基準法に基づくシックハウス対策について



まとめ|天然木の質感を表現できるのは突板練付化粧板だけ

今回は、建材として欠かせない化粧板について詳しくお話ししました。その素材によって様々な特徴があり、お手入れの仕方や適した使い方が異なります。ですから、デザインや設計をする際は適材適所の化粧板を選びましょう。耐久性やコストなど選定ポイントはいくつかありますが、天然木が持つ高い意匠性や高級感を重視する場合には、突板練付化粧板がおすすめです。無垢材を彷彿させる温もりある触り心地と、自然が生み出す美しい木目が魅力で、多くの公共施設等に採用いただいております。当社製品では、化粧板に限らずフローリング材やルーバー、有孔ボードなどとのトータルコーディネートも可能です。統一性のある洗練されたデザインをご希望の際には、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。

〈関連ページ〉
当社の納入実績は下記ページをご覧ください。
恩加島木材工業株式会社|納入実績

恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問や要望にお応えします。随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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