機能性×意匠性=恩加島木材の有孔パネル。
その性能や種類を徹底解説

有孔パネルは、別名・有孔ボードやペグボード、パンチングボードとも呼ばれ、様々な施設において天井材や壁材として用いられています。昔はサイズの種類も少なく、アイボリーや一部の木目のみのデザインがほとんどで、選択肢はあまりありませんでした。しかし、近年では有孔パネルとしての性能を保ちつつも、様々なサイズと木目・カラーバリエーションが展開されています。

今回は、そんな有孔パネルについてその性能や選び方のポイントについて解説します。ぜひ、デザインや設計の際には用途に応じて適切な有孔パネルを選びましょう。

このコラムのポイント
・有孔パネルは防音・吸音効果があり、そのまま仕上げ材としても使える建材。
・有孔パネルを選ぶ際には、孔径やピッチ、表面材の違いについて検討する。
・恩加島木材の有孔パネルは、高い意匠性を求める現場におすすめ。

 

有孔パネルとは?その性能・用途は?

有孔パネルは、小さな孔が等間隔に開けられた表面材と基材を貼り合わせた建材で、壁材に使用する事で一定の防音・吸音効果を得られます。その性能は代表的な吸音材であるグラスウールと比較すると劣りますが、そのまま仕上げ材としても使えるというメリットがあります。

(有孔パネルは表内「E」参照)
引用:国立研究開発法人 科学技術振興機構|J stage|音響材質の性質と使い方


表でも分かる通り、有孔パネルは500Hz付近(男性の話し声程度の波長)の音を最も吸音します。そのため、音楽室や音楽ホール、視聴覚室、体育館、会議室、レコーディングスタジオなどの防音・吸音対策として効果的です。その他にも、パネルの孔を利用して棚やフックを取り付けられるため、防音を必要としない場所においても内壁仕上げ材や、パーテーション、ディスプレイパネル等にも用いられます。



有孔パネルの種類や選び方のポイントは?

では、有孔パネルをデザインや設計に取り入れる際には、どのようなポイントに着目して材料を選べば良いのでしょうか?ここでは有孔パネルを選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。

ポイント① 基材の違い

有孔パネルの基材にはいくつか種類があります。主なものは以下の3種類です。

  • 合板
  • MDF(中質繊維板)
  • 不燃基材


合板は木材を薄く剥いだ単板を木目の方向が交互になるように重ね合わせ材料です。そのため、高い強度があり一般的な木材と比べても伸縮による歪みや反りが少ないという特徴があります。

一方、MDFは合板などと比べると表面が硬いという特性を持ちます。また、木材や合板として使えない端材を細かくしたチップが原材料であるため、天然木材と比べても安価な点もメリットです。ただし、湿気にはあまり強くなく、結露が発生するような場所では劣化しやすいので注意してください。

不燃材も基材として使われる事がありますが、国土交通省の認定を受けている材料を基材にしたとしても、有孔処理してしまうと認定外となってしまいます。内装制限のある施設に有孔パネルを使う場合には、仕様などを十分確認しましょう。


ポイント② パネルの規格サイズ・厚さ

有孔パネルには基材によって様々なサイズバリエーションがあります。また、厚さも複数あるため、納まりに応じて使い分けましょう。私たち恩加島木材で取り扱っている有孔パネルの主な厚さ・サイズは以下の通りです。

厚さ・サイズ / 基材 合板 MDF 不燃基材
厚さ
(単位:mm)
2.5,4.5,5,9,12,15 2.5,4.5,5,7,9,12,15 6,9,12,15
サイズ
(単位:尺)
3*6,3*8,4*8 3*6,3*8,4*8 3*6,3*8,4*8
※上記以外の厚さ・サイズにつきましては、都度ご相談ください。


上記以外にも厚さ・サイズ共にオーダー製作にも対応しており、さらには美しく効率的なパネル割りについてもご提案させていただきます。他社製品では対応しきれない現場の場合でも、ぜひお気軽にお問い合わせください。


ポイント③ 穴の径やピッチ

有孔パネルの孔径やピッチにはいくつかのパターンがあります。ここでキーワードとなるのが「開口率」です。

開口率(%)=(孔の総面積/ボードの面積)×100


防ぎたい音の周波数によって適切な開口率や壁下地との空気層厚が異なります。つまり、施設によってより防音・吸音に対して効果的なパネルを選ぶと良いでしょう。

引用:国立研究開発法人 科学技術振興機構|J stage|音響材質の性質と使い方


当社の有孔パネルでは、下記の孔サイズ・ピッチバリエーションをご用意しています。パネルサイズ・厚さ・孔サイズ・孔ピッチの組み合わせにつきましては、当社までお問い合わせください。

孔サイズ 孔ピッチ
φ5mm
φ6mm
φ8mm
φ9mm
長孔
P=25mm
P=30mm
※それぞれの組み合わせつきましては、都度ご相談ください。

 

ポイント④ 寒冷紗貼りの有無

高い吸音性能を求める場合には、寒冷紗貼り仕様がおすすめです。有孔ボード裏面に貼られた寒冷紗によって、パネル後ろに薄い空気層が形成され、音が分散されて吸音効果が高まります。音響スタジオや音楽室など、周囲への音漏れを特に気にしなくてはいけない場合には、内壁や天井の仕上げ材として寒冷紗貼りを選びましょう。

ポイント⑤ 表面材の素材やカラー・柄

有孔パネルは、その性能に着目されがちですが、内装仕上材としての役割もあるためカラーなどのデザインも重要な選択ポイントとなります。単色カラーや木目プリントなど様々な商品がありますが、恩加島木材の有孔パネルには天然木をスライスした突板が貼られています。そのため、天然木本来の温もりある質感や高級感のある自然な木目が活かせます。他社製品にはない豊富な樹種やカラーの組み合わせによって、イメージに合う有孔パネルが見つかるはずです。

〈関連ページ〉
下記ページでは当社で取り扱っている樹種が画像付きでご覧いただけます。
恩加島木材工業株式会社|取扱樹種一覧

〈関連コラム〉
下記コラムでは、当社の突板について詳しく解説しています。メリットや無垢板との違いについても紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
恩加島木材工業株式会社|コラム|突板でデザインの幅が広がる。「突板」のメリットから無垢材などとの違いまで解説

 

防音・吸音性能とデザイン性を兼ね備えた恩加島木材の有孔パネル

先ほども紹介しました通り、恩加島木材の有孔パネルは種類豊富な突板と熟練した職人技によって、美しい仕上げが実現できます。多種多様な樹種とカラーをご用意しており、小ロットのオーダー製作も可能です。また、突板の製作から有孔加工までを全て自社で行なっており、その他にも正寸カットや木口貼り加工、うづくり加工、本実加工など、多岐にわたる加工に対応できる設備を備えています。「デザインや納まりにとことんこだわりたい」「少量だが高品質の材料が必要」「工期に合わせて短期間で材料を調達したい」そのようにお考えの方は、ぜひお気軽に当社までご相談ください。

〈関連ページ〉
当社製品の特徴や強みにつきましては、下記ページをご覧ください。
恩加島木材工業株式会社|恩加島木材もこだわり



まとめ|デザインにこだわるなら表面の突板にも着目

今回は、防音・吸音性能を持つ有孔パネルについて詳しくお話ししました。基材や孔径・孔ピッチ、寒冷紗の有無など、有孔パネルと言ってもその種類は様々です。また、表面材の違いで内装デザインの美しさに大きく影響を与えます。ですから、デザインや設計をする際は適材適所の有孔パネルを選びましょう。高いデザイン性を求める現場には、無垢板のような風合いを持つ突板貼りの有孔ボードがおすすめです。当社製品では、有孔パネルに限らずフローリング材やルーバー、化粧板などとのトータルコーディネートも可能です。統一性のある洗練されたデザインをご希望の際には、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。

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当社の納入実績は下記ページをご覧ください。
恩加島木材工業株式会社|納入実績



恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問や要望にお応えします。随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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