2021年ウッドショックがもたらした影響は?いつまで続く? 解決策や補助金について徹底解説

皆さんは「ウッドショック」という言葉を聞いたことはありますか?新型コロナの世界的流行に伴って、建材が慢性的な品不足になっている現象のことを指します。2021年から深刻化し、日本の建築業界へ大きな影響を及ぼしました。今回は、そんなウッドショックについて、原因から解決策について詳しく解説します。国が設けた補助金についても紹介しますので、ぜひ皆さん参考にしてください。

 

このコラムのポイント
・ウッドショックは、新型コロナ感染拡大に伴い木材の価格が急騰した減少、日本においても新築住宅棟数が減少するなどの影響が出た。 ・ウッドショック脱却のためにも、国産材の使用を積極的に行う必要がある。

 

第三次ウッドショックとは?その原因は?

ウッドショックとは、様々な要因によって木材の価格が急騰することを言います。最近では、新型コロナウイルス感染拡大のニュースと共に、耳にすることも多いでしょう。しかし、実は今までにも何度か同じ様な現象が起きていることはあまり知られていません。

〈第一次ウッドショック〉
1992年頃に、北米やマレーシアにて環境問題対策のための木材の伐採規制化が始まる。それに伴って、世界的に供給量が減り、価格が急騰。

 
〈第二次ウッドショック〉
2006年頃に、中国での木材消費量が急増し、さらにインドネシアにおいて伐採規制化が強化され始め、世界的に需要と供給のバランスが崩れて、価格か急騰。

〈第三次ウッドショック〉
2021年から新型コロナウイルス感染化拡大に伴い、アメリカの住宅需要が急増し、さらに中国の木材消費も拡大、世界的に品薄の状態となり価格が急騰。また、木材加工工場の稼働率低下や物流の遅延や縮小も相まって、日本でも深刻な輸入材不足が起こった。コロナ禍で、自宅での時間を充実させたい人や、郊外移住を検討する人が増えたため、新築戸建て住宅の建設棟数が増加したことも一因。

ウッドショックグラフ

引用:NICEビジネスリポート|ウッドショックをどう読み解くか?~コロナ禍における世界の木材需給と日本の木材・住宅産業~

このように、2021年初め頃から世界的に木材の価格が高騰し、今まで輸入材に頼ってきた日本の住宅市場にも、大きな影響を及ぼしています。今までに起こった第一次ウッドショック、第二次ウッドショックと比較しても、第三次ウッドショックは長期化する恐れが懸念されており、輸入材の価格高騰に伴って、現在では杉や桧などの国産材の価格も値上がりを続けています。

 

ウッドショックが建築業界にもたらした影響とは?

ウッドショック


第三次ウッドショックは、日本の建設業界にも多大な影響を及ぼしています。主な影響は以下の通りです。

〈マイナスな影響〉

  • 資材の価格高騰
  • 木材(輸入材・国産材)の価格高騰や納期遅延
  • 材料不足による新築住宅戸数減少

 

〈プラスの影響〉

  • 国産材利用の促進
  • 国産品への切り替え

では、それぞれ詳しく解説していきます。


木材の価格高騰・納期遅延

先ほども冒頭でお話しした通り、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、先進国では新築住宅の建設棟数が急増しました。その影響で、アメリカや中国が木材の抱え込みを行い、さらに物流の遅延が発生したことで、輸入材の価格が急騰したのです。日本は、今まで低コストの輸入材に依存していましたが、輸入材の高騰に伴い、一斉に大手ハウスメーカーなどが国産材を購入しようとしたため、国産材の価格も急騰しています。

製材価格グラフ

引用:経済産業省|新型コロナがもたらす供給制約 ; ウッドショックの影響

 

新築住宅戸数減少

コロナ禍で自宅でのリモートワークが普及したこともあり、新築住宅の需要は2020年頃から急増しました。しかし、2021年から現在もなお、製材の価格高騰や品不足が原因で、供給が追いついていない状況です。また、製材の価格高騰に伴い、新築住宅の価格にも影響が出ています。コロナ禍前と比べると、平均では5万円/坪の値上げが余儀なくされています。

新築住宅グラフ

引用:経済産業省|新型コロナがもたらす供給制約 ; ウッドショックの影響

つまり、「家を建てたい」という顧客需要があるものの、「材料が高く、手に入りづらい」「納期が定まらず引渡しができない」という供給の課題があるのが現状です。

国産材利用の促進・国内産製品への切り替え

ウッドショックがもたらした影響は、何もマイナスのことばかりではありません。今まで日本は木材のほとんどを輸入材に頼ってきました。1950年代には90%以上あった木材自給率も、近年では30%代を推移しています(参考:農林水産省「木材需給表」)。
しかし、ウッドショックをきっかけに、国産材や地産材の木材の価値が見直され始めました。また、国産材や地産材は、木材を運搬する際に排出されるCO2を削減できるため、脱炭素化などの環境的観点からも注目が高まっております。
政府は国産材利用を促進させるため、平成22年に制定された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」を「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」と改め、対象を公共建築物だけではなく一般建築物にまで拡大させました。

 

ウッドショックの影響はいつまで続く?解決策は積極的な「国産材利用」がカギに

木材の不足や価格高騰によって、新築住宅の建設棟数が減少したこともあり、世界的に見ると一時的に木材マーケットの価格は落ち着きを取り戻し始めました。しかし、これはあくまで短期的な現象であり、長期的に見ると木材利用の促進が進んでいることもあって、ウッドショックの影響は続くことが予想されています。
現に、未だ輸入木材や国産木材の価格は、コロナ禍以前の状況までは戻っておらず、価格は当面高水準を保っています。つまり、残念ながらウッドショックの影響がいつ頃まで続くか、いつ終わるのかは、未だ予測できません。
さらに、地球温暖化などに伴う木材供給量の減少は、ウッドショック後も深刻化することも想定できます。しかし、国産材の需要が高まって、林業や製造業が活発化することで、供給不足は解消していくとも考えられます。日本政府はこの状況も考慮して、国産材利用や、木材製品の増産を推進しています。
ウッドショック脱却の鍵は、ずばり積極的な国産材の利用です。大手住宅メーカーや建設会社では、既に原木生産者や製材会社と協力して、国産材を安定した価格で安定して供給できるように整備する取り組み(一般社団法人・日本木造分譲住宅協会)なども始まっています。
〈関連コラム〉 国産材や地産材について詳しく知りたい方は、下記コラムを合わせてご覧ください。
恩加島木材工業株式会社|コラム|今こそ木材も“地産地消”する時代。脱炭素化に向けた地産材・地域材利用について解説

地域材利用で補助金活用も可能に

新築住宅を建てる際、地域材を利用することで補助金の対象となるケースがあります。中小工務店や建材流通、製材会社、プレカット加工会社などで構成した「地域型住宅グリーン化事業」が設けた補助金制度では、梁や柱などの主要構造材をグループが定めた地域材を使う住宅を対象としています。

この補助金制度を利用すれば、住宅1棟につき最大160万円もらうことも可能です。また、公共施設や民間施設については、都道府県単位で地産材利用の促進を目的とした助成金を設けているところも少なくありません。(千葉県「県産木材を使用した内装や木製品の設置に係る補助金」など)

世界情勢に影響されにくく、環境にも優しい地域材の活用を、是非検討してみましょう。

 

恩加島木材の取り組み

私たち恩加島木材では、国内各地の地産材利用も積極的に行なっております。また、原木市場に頼らずに原木林から直接仕入れて、自社で選木・加工・販売することも可能です。原産地を日本国内に限定した樹種を常時取り扱っているほか、地産材を利用した突板も数多くご注文いただいております。その建物の社会的価値を高めるためにも、ぜひ国産材を使った突板製品をご検討ください。

地産材の納入実績
JR北陸新幹線・長野駅 コンコース内天井(長野県産杉利用) 香川県多度津町庁舎(香川県産材利用) 某百貨店 什器(大阪府内産桧利用) 新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材利用) 京都女子大学(京都府内産桧利用) 京都 某ホテル(京都府内産利用)

〈関連ページ〉
下記ページでは、当社が常時取り扱っている国産材を使った突板のラインナップや納入実績を紹介しています。ぜひご覧ください。
恩加島木材工業株式会社|製品案内|原産地(日本)

 

まとめ|国産材・地域材利用でウッドショックを乗り切る

第三次ウッドショックは、第一次・第二次とは異なり、メディアで取り上げられたこともあって、一般の人にも広く知れ渡りました。国としても、現状を輸入材への依存から脱却するチャンスと捉えて、様々な取り組みをしています。安定した資材の供給だけではなく、環境的視点からも、国産材への切り替えが課題です。
私たち恩加島木材では、国産材・地産材を積極的に製品化する取り組みを行なっております。地域に根付いた建物にするためにも、ぜひ積極的に国産材・地産材の利用ご検討してみください。化粧板に限らずフローリング材やルーバー、有孔ボードなどとのトータルコーディネートも可能です。統一性のある洗練されたデザインをご希望の際には、ぜひに一度恩加島木材にご相談ください。
〈関連ページ〉
当社の納入実績は下記ページをご覧ください。
恩加島木材工業株式会社|納入実績

 

恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問や要望にお応えします。随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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