内装制限とは?対象の建築物・部位と緩和措置、不燃材料の基準、注意点を設計者向けに解説

公共建築のインテリアデザインにおいて重要なキーワードとなるのが「内装制限」で、内装仕上げ材の選定に注意が必要です。
しかし、内装制限はルールが複雑で、建物の用途や規模によって必要な内装材が異なります。
内装制限の範囲はどこまで適用されるのか、また木材は使用できるのかは、設計者が最も迷いやすいポイントです。
そのため、設計段階で正しく理解しておかないと、仕様変更や手戻りが発生する可能性があります。
また、「内装制限の対象範囲には木材を使用できない」と誤解している方も多く、内装デザインの可能性を狭めているかもしれません。
そこで本記事では、「内装制限」の基本ルールと対象となる建築物・範囲(部位)、緩和措置の内容について詳しく解説します。
内装制限の対象範囲に使用する不燃・準不燃・難燃材料の違いや木材を使用できる根拠、設計デザインにおける注意点、そのほか、関連する「よくある質問」も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
●内装制限を受ける場所でも、緩和措置の活用や防火材料の認定を受けた木質建材を採用することにより、木の魅力を活かした内装デザインの実現が可能です。
●内装制限の対象範囲には、不燃・準不燃・難燃材料としての個別認定を受けた材料を使用しなくてはいけません。
Contents
内装制限とは|建築基準法のルールと目的・必要性

内装制限とは、建築基準法で定める重要なルールで、火災発生時に内装材が燃えて避難経路を妨げたり、延焼によって被害が拡大することを防ぐことが目的です。
内装制限のルールにより、不特定多数の人が利用する建物で火災が起きても、中にいる人が避難するためのルートと時間を確保できます。
ルールの具体的な内容は、建築基準法第35条の2「特殊建築物等の内装」に書かれており、対象となる建築物と範囲(部位)においては、居室・通路の内装仕上げ材(天井・壁)に防火材料※の仕様が義務付けられます。
※防火材料:不燃・準不燃・難燃材料の総称
内装制限に適合しているかどうかは、建築確認申請図書で判定され、確認済証交付後に仕様変更して内装制限のルールに抵触すると、建築士がペナルティを受け、さらに是正措置の命令を受けるため、故意かどうか関係なく、十分な注意が必要です。
内装制限の対象となる建築物

内装制限の対象となる建築物は、主に「特殊建築物」「基準を超える規模の建築物」「無窓居室」「火気使用室」の4種類に分けられます。
それぞれの詳細は、以下のとおりです。
特殊建築物
特殊建築物とは、建築基準法において「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、旅館、共同住宅、工場、倉庫、自動車車庫などと、その他これらに類する用途の建築物」を指し、そのうちの一部が内装制限の対象になります。
(参考:e-GOV法令検索|建築基準法第2条)
具体的には、建築基準法の別表第1「耐火建築物等としなければならない特殊建築物」に記載されており、要約すると以下のとおりです。
| 特殊建築物の用途 | 対象となる建築物の規模 |
|---|---|
| ①劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場 (その他、これらに類する用途の建築物) | 耐火建築物:客席の総床面積が400㎡以上のもの 準耐火建築物:客席の総床面積が100㎡以上のもの その他の建築物:客席の総床面積が100㎡以上のもの |
| ②病院、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等 (その他、これらに類する用途の建築物) | 耐火建築物:3階以上でこの用途の部分の総床面積が300㎡以上のもの(100㎡(共同住宅は200㎡)以内に防火区画された場合は除く) 準耐火建築物:2階部分でこの用途の部分の総床面積が300㎡以上のもの(病院はその部分に患者の収容施設がある場合に限る) →準耐火建築物(イ)※に該当する場合は、耐火建築物と同等とみなす その他の建築物:延床面積が200㎡以上のもの |
| ③百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業 (その他、これらに類する用途の建築物) | 耐火建築物:3階以上でこの用途の部分の総床面積が1,000㎡以上のもの 準耐火建築物:2階部分でこの用途の部分の総床面積が500㎡以上のもの その他の建築物:延床面積が200㎡以上のもの |
| ④自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオ (その他、これらに類する用途の建築物) | 全て |
| ⑤地下又は地下工作物内に上記①②③の用途の居室を有するもの | 全て |
(参考:e-GOV法令検索|建築基準法別表1)
ここでキーワードとなるのが、耐火建築物・準耐火建築物ですが、それぞれ、主要構造部※に違いがあります。
※主要構造部:壁・柱・床・梁・屋根・階段のうち、建築物の構造上重要でない部分を除くもの
| 建築物の種類 | 性能・特徴 |
|---|---|
| 耐火建築物 | ・主要構造部が耐火性能を有する建築物 ・耐火性能=1〜3時間の加熱に対する非損傷性・遮熱性・遮炎性を確保できる |
| 準耐火建築物 | ・主要構造部が準耐火性能を有する建築物 ・準耐火性能=加熱開始後から45〜60分間、加熱に対する非損傷性・遮熱性・遮炎性を確保できる →準耐火建築物(イ)は上記を満たしたものを指し、それ以外でも「イに掲げるものと同等の準耐火性能を有するとして主要構造部の防火措置などの技術的基準に適合するもの」は準耐火建築物に含まれる |
大規模建築物
建物や居室の用途を問わず、一定規模を超える建築物は、内装制限の対象となります。
| 階数 | 対象となる建築物の規模 |
|---|---|
| 階数が3以上(3階建て以上) | 500㎡を超えるもの |
| 階数が2(2階建て) | 1,000㎡を超えるもの |
| 階数が1(平屋建て) | 3,000㎡を超えるもの |
ただし、上記ルールには例があり、建築物の11階以上が200㎡以内に防火区画された共同住宅などには適用されません。
※詳しくは「共同住宅(マンション)の内装制限とは?適用条件・対象範囲・使用できる仕上げ材をわかりやすく解説」を併せてご覧ください。
無窓居室
無窓居室とは、窓やその他の開口部がないか、建築基準法で定める採光・換気・排煙の基準を満たしていない居室(天井の高さが6m以下)を指し、これらの部屋は避難が容易ではないため、以下のいずれかに当てはまると、内装制限の対象に含まれています。
- 床面積50㎡超で、窓など開放できる部分(天井から下方80cm以内にあるものに限る)の合計面積が床面積の1/50未満のもの
- 温湿度調整を必要とする作業室などに該当するもの
このルールは、耐火建築物・準耐火建築物などの種類を問わず、全てのケースに適用されます。
火気使用室
火気使用室とは、調理室や浴室、その他、かまど・こんろなど火を使用する設備や器具を備えた居室を指し、発火のリスクが高いことから、内装制限の対象になっています。
ただし、主要構造部を耐火構造とした耐火建築物は対象外とし、準耐火建築物・その他の建築物については、以下の条件に当てはまると制限を受けます。
- 階数2以上の住宅(事務所、店舗兼用を含む)の最上階以外の階に火を使う設備を設けたもの
- 住宅以外の建築物の火を使う設備を設けたもの
内装制限の対象となる範囲はどこまでか|対象部位と対象外の部位

内装制限の対象に含まれる建築物において、具体的に制限を受けるのは、居室および通路(階段や廊下など)の天井・壁のみです。
そのため、以下の部分は原則として内装制限の対象には含まれません。
- 「床材」
- 「建具」(出入口ドア・収納扉・パーテーションなど)
- 床面から高さ1.2m以下の「腰壁」
- 壁や天井に取り付けられている「造作部材」(巾木・廻り縁・窓台・窓枠など)
- 天井や壁の装飾に用いられた少量の木材や照明カバーなど

ただし、居室のドアは、排煙設備の免除や防火区画の条件として、一定の耐火性能(防火設備・特定防火設備)が求められるケースもありますので、詳細を必ず確認しましょう。
※内装制限の対象範囲についてさらに詳しく知りたい方は「内装制限の範囲はどこまで?対象となる部分・ならない部分を徹底解説」を併せてご覧ください。
「不燃・準不燃・難燃材料」の違いと内装制限のルール一覧

内装制限のルールにおいて重要となるのが「防火材料」の種類で、加熱時にその不燃性能※を維持できる時間に応じて、不燃材料・準不燃材料・難燃材料に分類され、建物の規模や用途によってどれを使用すべきかが異なります。
※不燃性能:建築基準法第108条の2で定める「燃焼しない・防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じない・避難上有害な煙又はガスを発生しない」性能
| 防火材料の種類 | 認定条件 |
|---|---|
| 不燃材料 | 加熱開始後20分以上、不燃性能を維持できる |
| 準不燃材料 | 加熱開始後10分以上、不燃性能を維持できる |
| 難燃材料 | 加熱開始後5分以上、不燃性能を維持できる |
▶︎関連コラム:建築基準法における“不燃材料”の定義|設計で欠かせないルールと材料選定のコツ
▶︎関連コラム:難燃材料とは|不燃・準不燃材料との違い、関連告示、種類を解説
上記の通り、防火材料は「不燃材料>準不燃材料>難燃材料」の順で性能が高いことがわかります。
この基本を踏まえて、内装制限における防火材料の使い分けを一覧にまとめると、以下のとおりです。
| 建築物の種類 | 使用できる防火材料の種類 (居室) | 使用できる防火材料の種類 (通路) |
|---|---|---|
| 【特殊建築物】 ①劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など | 壁・天井とも:難燃以上 (3階以上に居室を有するものは、天井を準不燃以上とする) | 壁・天井とも:準不燃以上 |
| 【特殊建築物】 ②病院、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設など | 壁・天井とも:難燃以上 (3階以上に居室を有するものは、天井を準不燃以上とする) | 壁・天井とも:準不燃以上 |
| 【特殊建築物】 ③百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業など | 壁・天井とも:難燃以上 (3階以上に居室を有するものは、天井を準不燃以上とする) | 壁・天井とも:準不燃以上 |
| 【特殊建築物】 ④自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオなど | 壁・天井とも:準不燃以上 | 壁・天井とも:準不燃以上 |
| 【特殊建築物】 ⑤地下又は地下工作物内に上記①②③の用途の居室を有するもの | 壁・天井とも:準不燃以上 | 壁・天井とも:準不燃以上 |
| 【大規模建築物】 | 壁・天井とも:難燃以上 | 壁・天井とも:準不燃以上 |
| 【無窓居室】 | 壁・天井とも:準不燃以上 | 壁・天井とも:準不燃以上 |
| 【火気使用室】 | 壁・天井とも:準不燃以上 | (該当なし) |
このように、建物によって内装制限の規定をクリアできる材料が異なるため、仕様選定の際には十分注意しましょう。
内装制限の緩和措置とは|1/10緩和や適用条件

建築基準法における内装制限には、2020年の法改正で緩和措置が追加されました。
以下のいずれかに当てはまる場合は、内装制限の対象から除外される可能性がありますので、必ず詳細を確認しましょう。
- 居室が、避難経路を含まない範囲にある
- 11階以上の建物でも、100㎡以内ごとに防火区画(乙種防火戸を除く)されている
- 地下街でも、100㎡以内ごとに防火区画(乙種防火戸を除く)されている
- 対象の居室・通路において、天井の高さが3m超(無窓居室は6m超)ある
- 居室や通路から、屋外に直接避難できる経路がある
- 自動式消火設備※・排煙設備※が設置されている
- 天井・壁の表面に現れる木材(柱・梁など)や、装飾部(照明器具のカバーなど)の見付面積が、天井・壁の総面積1/10以内である(通称:1/10緩和)
以下のいずれかに該当する場合は、内装制限の対象範囲から除外される可能性があります。
※自動式消火設備:スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・泡消火設備・二酸化炭素消火設備・粉末消火設備・パッケージ型自動消火設備と、その他類似する設備
※排煙設備:建築基準法施行令第126条の3で定める防煙壁・防煙口などの設備
(参考:e-GOV法令検索|建築基準法施行令|第128条の5、国土交通省|建築基準法等に基づく告示の制定・改正について|令和元年度|令和2年告示第251号)
内装デザインを検討する上で特に押さえておきたい緩和措置が「1/10緩和」で、このルールを利用すると、内装に木材や木質建材を採用できる可能性があります。
※「1/10緩和」における見付面積の求め方など詳細については、「内装制限における見付面積の考え方|木材仕様の1/10緩和と木質仕上げ材選びのポイント」を併せてご覧ください。
内装制限の対象でも「木材」は使えるのか|使用可能な条件と材料の種類

「内装制限の対象範囲には、燃えやすい木材は使えない」と誤解されがちですが、実際はそうとも限りません。
2021年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:木材利用促進法)」が「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」と改定され、対象が公共施設だけでなく民間施設にも拡大し、内装木質化がトレンドになっています。
※木質内装化のメリットや設計のポイントについては「今“内装の木質化”が注目されている訳とは? その効果や取り入れるべき建築物について徹底解説」をご覧ください。
実際に、国が整備する公共建築物での木材利用事例は増えており、2025年の調査では、非木造の建物でも内装の木質化を実行した事例は全国で172棟に上り、民間施設を合わせると500棟を超えました。
(出典:国土交通省|「令和7年度建築物における木材の利用の促進に向けた措置の実施状況の取りまとめ」等について)
このような事例が増えている背景には、2020年に「1/10緩和」が追加されたことに加えて、一定の不燃性能を持つ木質建材が多数あることが関係します。
内装制限の対象範囲で仕上げ材として使用できる木質建材には、「無垢材・不燃木材・不燃(難燃)突板化粧板」の3種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、選定の際には注意が必要です。
| 材料の種類 | 特徴 メリット・デメリット |
|---|---|
| 無垢材 | ・樹種が豊富で、ナチュラルな木目や質感をデザインに取り入れられる ・内装制限の対象範囲において、見付面積が1/10を超えると使用できない ・湿度変化などによって変形(反り・ねじれ・割れ)が生じやすい |
| 不燃木材 | ・無垢材に近い見た目で、不燃性能があるため、見付面積の制限を受けず使用できる ・樹種やサイズの選択肢が限られる ・コストが高い ・現場塗装できない(工場での不燃塗装でなければ使用を認められない) |
| 不燃(難燃)突板化粧板 | ・樹種が豊富で、無垢材とは異なるもののナチュラルな木目や質感を表現できる ・不燃(難燃)材料として認定されているものが多く、見付面積の制限を受けず使用できる ・厚みやサイズが豊富で、さまざまな納まりに対応できる ・湿度変化などによる変形(反り・ねじれ・割れ)が生じにくい ・不燃(難燃)仕様とそうでないものは表面材が同じであるため、内装制限を受けない建具や家具などと仕上げを統一できる |
※突板化粧板の詳細や無垢材、その他化粧板との違いについては「突板化粧板とは?無垢材やメラミン・オレフィンとの違い、メリット・デメリットを解説」「突板不燃化粧板|特徴やメラミン化粧板・化粧ケイカル板との違いを解説」を併せてご覧ください。
これら木質建材の使用によって、病院などの医療施設から、高齢者向け福祉施設、保育園・幼稚園・学校などの児童向け施設、商業施設など、多様な用途の事例において、内装木質化のデザインが採用されています。
同シリーズの天然木練付不燃複合板は、【天然木突板+無機質不燃板「ダイライトFAL」+特殊合板】で構成されており、ビスが効いて割れにくく、日本で初めて国土交通大臣の不燃認定を取得した人気商品です。
同じ突板で非不燃仕様もお選びいただけますので、内装仕上げ材と家具・建具をトータルコーディネートしたい方は、弊社までご相談ください。
内装制限にかかわる設計上のポイント・注意点

内装制限の対象範囲における内装デザインを検討する際には、必ず「材料の認定状況」を確認しましょう。
内装制限を受けても利用できる不燃・準不燃・難燃材料は、「告示で定めるもの」と「製品ごとに国土交通大臣が個別認定するもの」に分かれます。
告示で定めるものには、コンクリートやタイル、ケイカル板など火に強いものが該当し、木質建材や塩ビ系建材は含まれません。
(参考:国土交通省|建設省告示第1400号「不燃材料を定める件」)
そのため、これらを仕上げ材として用いる場合は、個別の認定番号を取得しているか確認が欠かせません。
材料によっては、下地との組み合わせにより認定を受けているものもあるため、ご注意ください。
| 認定の種類 | 内容 |
|---|---|
| 告示仕様 | 関連告示に明記されている建築材料 ・建設省告示第1400号「不燃材料を定める件」 ・建設省告示第1401号「準不燃材料を定める件」 ・建設省告示第1402号「難燃材料を定める件」 |
| 大臣認定仕様 | 建築基準法で要求する性能に適合していると実験などで証明されたものについて、国土交通大臣が認定する建築材料 |
| 単体認定仕様 | 建築材料単体で防火材料として認定されている建築材料 |
| 構成認定仕様 (構造方法等の認定) | 下地+仕上げ材などの組み合わせたセットで、大臣認定を取得している建築材料 |
※不燃・準不燃・難燃材料の認定番号の確認方法などについては「建材の不燃認定とは|種類・認定番号の調べ方と実務で失敗しない材料選定、内装木質化のポイント」をご覧ください。
建築確認申請の際には、使用した材料が上記のどれかに該当することを証明するため、以下の資料添付が求められます。
- 大臣認定書(写し)
- 認定番号などが分かる製品カタログなど
- 防火材料の使用部位や構造、厚さなどが分かる図面など
※上記は主な資料のみです。申請書類の詳細は、建築主事までご確認ください。
【FAQ】内装制限に関する「よくある質問」|消防法との関連性や下地のルール

ここでは、内装制限に関して多くの方が気になる「よくある質問」を紹介します。
Q.消防法でも内装制限があるって本当?建築基準法におけるルールと関連性や違いは?
A.消防法でも内装制限のルールが設けられていますが、建築基準法における規定とは、目的とルール、緩和の仕組みが異なります。
主な違いは、以下のとおりです。
| 【建築基準法】 | 【目的】 ・火災の初期段階における安全な避難(避難の誘導)を確保する ・原則として、建物に関するハード面の規定を定める 【対象部位】 ・壁の床から高さ1.2m以上と天井の全面で、床は対象外(天井や壁の仕上げ材だけではなく下地材も対象になる可能性あり) ※回り縁・巾木・窓枠・窓台などの造作部材は全て対象外 ※腰壁やパーテーションは、原則対象外 ※天井高さが3m以上ある居室・通路や、屋外へ直接避難できる出口がある居室は対象外 【確認検査】 建築基準法に基づき、建築確認において、建築主事が実施 |
| 【消防法】 | 【目的】 ・火災の延焼防止と、初期消火、避難安全、人命救助、本格消火の実現 ・建物に関するハード面の規定に加え、消防点検の実施や防火管理者の人選など、ソフト面の規定も含む 【対象部位】 ・壁と天井の全面(天井や壁の仕上げ材のみ対象で、下地材は対象外) ・カーテン、カーペット、暗幕、展示用の幕など(防炎材料の使用が義務) ※サイズなどによっては、建具やパーテーションも対象となる可能性がある 【確認検査】 消防法に基づき、建築確認の途中で行われる消防同意にて、管轄の消防署が実施 |
上記に加えて、対象となる建物の用途・規模や、緩和措置のルールも異なりますので、詳細は管轄の消防署などにご確認ください。
※消防法における内装制限を詳しく知りたい方は「消防法の内装制限|条文・概略・倍読みなどの緩和措置から建築基準法の違いまで解説」をご覧ください。
Q.内装制限を受けない特殊建築物があるって本当?
A.建築基準法施行令第128条の4では「制限を受けない特殊建築物」を定めており、それに該当する施設は、内装制限の対象から除外されます。
| 建築物の種類 | 制限を受けない建築物 |
|---|---|
| 【特殊建築物】 ①劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など | 【耐火建築物】客席の床面積の合計が400㎡未満のもの 【準耐火建築物】客席の床面積の合計が200㎡未満のもの 【その他の建築物】客席の床面積の合計が100㎡未満のもの |
| 【特殊建築物】 ②病院、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設など | 【耐火建築物】当該用途で使う3階以上の部分の延べ床面積が300㎡未満のもの 【準耐火建築物】当該用途で使う2階部分(病院・診療所は、患者収容施設がある場合)の延べ床面積が300㎡未満のもの 【その他の建築物】当該用途で使用する部分の延べ床面積が200㎡未満のもの |
| 【特殊建築物】 ③百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業など | 【耐火建築物】当該用途で使う3階以上の部分の延べ床面積が1,000㎡未満のもの 【準耐火建築物】当該用途で使う2階部分の延べ床面積が500㎡未満のもの 【その他の建築物】当該用途で使用する部分の延べ床面積が200㎡未満のもの |
| 【特殊建築物】 学校、体育館、幼稚園、その他これらに類するもので政令で定めるもの | 全ての構造・規模で制限を受けない |
ただし、学校や体育館、幼稚園でも、地階や無窓居室、避難経路、火気使用室は、内装制限の対象になるのでご注意ください。
(参考:e-GOV法令検索|建築基準法施行令第128条の4)
※学校の内装制限については「「学校は内装制限を受けない」の真実|法令の詳細や内装木質化、設計ポイントについて解説」もご覧ください。
Q.内装制限は仕上げ材だけではなく下地材も対象になる?
A.建築基準法の内装制限は、原則として仕上げ材のみが対象ですが、法令の規定によって設置される「避難階段・特別避難階段」は、下地にも防火材料の使用が義務付けられます。
避難階段は、地震・火災など災害時に、建物を利用する多くの人が安全かつ迅速に避難できるように設けた直接地上にアクセスできる階段、特別避難階段はさらに安全性の高い構造・仕様である直通階段を指します。
避難階段や特別避難階段は、建物の規模(階数)と用途によって基準数以上の設置が必要です。
【内装制限対応】恩加島木材の突板化粧板シリーズ

恩加島木材は、国内外から多種多様な突板を仕入れ、天然木の風合いを残した高品質な「突板化粧板」を製造している建材メーカーです。
突板とは、天然木を0.2〜0.3mm程度にスライスした薄板で、これをMDFや不燃パネルと貼り合わせることにより、ポリエステル化粧板やメラミン化粧板、オレフィン化粧板とは異なり、天然木の色合いや質感を表現できます。

恩加島木材が自信を持って提供する「突板化粧板の強み」は以下の点です。
- 無垢材と同様の「ナチュラルな見た目と質感に仕上がる」
- 工業製品なので、無垢材よりも「品質と寸法の安定性が高い」
- 無垢材よりも軽量化が可能で、「施工効率性アップにつながる」
- 無垢材よりも温度や湿度の環境変化による「変形リスクが少ない」
- 希少性があり高価な樹種でも、「無垢材より安価で安定して材料を入手しやすい」
- 原木1本から取れる突板面積は無垢板材よりも広いため、「同じ風合いを大量入手しやすい」
- 特殊塗装により「表面の耐摩耗性・耐汚性が高い」
- 通常の化粧板と同じ突板を用いた「不燃・難燃材料認定取得済み化粧板」もあり、内装制限など防火規定の対象部分と非対象部分の仕上げを揃えられる
▶︎おすすめコラム:突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介
さらに弊社では、国産材や地域材、間伐材、成長の早い小径材を積極的に活用し、「人工突板」の開発・製造にも努めるなど、森林活性やカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを行っています。
● 豊富な樹種・木目とUV塗装も選べる「PANESSE(パネッセ):非不燃・不燃天然木練付突板化粧板」
● 重い・割れやすい・高コスト・ビスが効かないなどの懸念点を解消した「不燃突板複合板」
● 国内初・組み立てた状態で準不燃認定を取得した「リブパネル」
● 国内初・孔を開けた状態で不燃認定を取得した「有孔ボード」
「どの化粧板を採用すべきか判断に迷っている」「案件ごとに最適な材料選定をしたい」という方は、案件ごとに最適な仕様提案も可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。
▶︎おすすめコラム:突板化粧板のデメリットや注意点は?メーカーだから分かる解決方法を紹介
まとめ
内装制限は建物利用者の安全を守ることを目的とした重要なルールです。
ひと昔前までは、内装制限によってデザインの幅が狭まるケースもありましたが、法改正と建材の技術発展により、ぬくもりを感じられる木質素材を使用することができるようになりました。
対象となる建築物の内装設計デザインを検討する際には、ぜひ“木”を使うことを諦めず、不燃・難燃認定を受けた材料の採用をご検討ください。
恩加島木材は、高品質&バリエーション豊富で、国土交通大臣の認定を受けている「不燃突板化粧板」を製造販売しており、国産材・地産材もご指定いただけます。
「思い通りのデザインを実現したい」「地域に根付く建物にしたい」という方は、設計条件に合わせた最適な仕様提案も可能ですので、まずは「恩加島木材工業」までお気軽にご相談ください。




