建材の不燃認定とは|種類・認定番号の調べ方と実務で失敗しない材料選定、内装木質化のポイント

「内装制限の対象範囲には木材や木質建材は使えない」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
内装制限を含む建築基準法の防火規定をクリアする方法として、「不燃認定」を受けた材料を選定する方法が採用されます。
ただし、不燃認定には「告示仕様」と「国土大臣認定仕様」があり、さらに「単体認定」と「構成認定」の使い分けも必要です。
本記事では、建築材料の不燃認定について、定義や建築基準法の条文、関連告示から、認定試験の方法まで、“木材のプロ”が詳しく解説します。
認定番号の調べ方や不燃塗装の取り扱いなど、多くの方からいただくご質問も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
●特殊建築物や、基準を超える大規模建築物など、建築基準法で定める内装制限の規定を受ける建物の設計には、不燃認定を取得した「不燃材料・準不燃材料・難燃材料」の採用が義務付けられます。
●恩加島木材は、高品質かつレパートリーが豊富で、さらに環境にも配慮した「突板化粧板」を製造販売しており、内装制限に対応できる不燃タイプ・難燃タイプをお選びいただけます。
Contents
不燃認定とは|定義と建築基準法の条文・関連告示

不燃認定とは、建築基準法及び国土交通省(旧:建設省)の告示で規定する防火・耐火性能を持つ建築材料の認定制度を指します。
建築基準法における不燃材料の定義
建築基準法第2条第9項では、不燃材料を以下のように定義しています。
建築材料のうち、不燃性能(通常の火災時における火熱により燃焼しないことその他の政令で定める性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
「不燃性能」とは、火災時に以下3つの条件を維持できる性能を指します。
- 燃焼しない
- 防火上有害な変形・溶融・亀裂、その他の損傷を生じない
- 避難上有害な煙・ガスを発生しない
(参考:e-GOV法令検索|建築基準法施行令|第108条の2)
不燃・準不燃・難燃の違い
建築基準法で定める防火材料は、不燃性能を維持できる時間の長さに応じて、「不燃材料・準不燃材料・難燃材料」の3段階に分類されます。
- 不燃材料=建築基準法施行令第108条の2で定める3つの性能を20分以上維持できると証明されているもの
- 準不燃材料=建築基準法施行令第108条の2で定める3つの性能を10分以上維持できると証明されているもの
- 難燃材料=建築基準法施行令第108条の2で定める3つの性能を5分以上維持できると証明されているもの
上記それぞれの材料は、不燃性能試験・発熱性試験・ガス有害性試験を経て基準を満たしたものが、防火材料として認定される仕組みです。
不燃認定の種類(告示仕様・大臣認定仕様・単体認定仕様・構成認定仕様の違い)
不燃認定は、告示によって定められるものと、製品ごとに実験結果を踏まえて国土交通大臣が個別認定する方法に分かれ、それぞれ材料ごとで認められる場合と下地+仕上げ材など、納まり一式で認められる場合があります。
| 認定の種類 | 内容 |
|---|---|
| 告示仕様 | 関連告示に明記されている建築材料 ・建設省告示第1400号「不燃材料を定める件」 ・建設省告示第1401号「準不燃材料を定める件」 ・建設省告示第1402号「難燃材料を定める件」 |
| 大臣認定仕様 | 建築材料の性能が、建築基準法・建築基準法施行令で要求する性能に適合していると性能評価で証明されたものについて、国土交通大臣が認定する |
| 単体認定仕様 | 建築材料単体で防火材料として認定されているもの |
| 構成認定仕様 (構造方法等の認定) | 下地+仕上げ材などの組み合わせたセットで、大臣認定を取得しているもの |
建築確認申請の際には、使用した材料が上記のどれかに該当することを証明するため、以下の資料添付が求められます。
- 大臣認定書(写し)
- 認定番号などが分かる製品カタログなど
- 防火材料の使用部位や構造、厚さなどが分かる図面など
※上記は主な資料のみです。申請書類の詳細は、建築主事までご確認ください。
▶︎おすすめコラム:建築基準法における“不燃材料”の定義|設計で欠かせないルールと材料選定のコツ
▶︎おすすめコラム:難燃材料とは|不燃・準不燃材料との違い、関連告示、種類を解説
不燃認定取得の流れと試験方法

告示に明記されている材料を除き、不燃材料・準不燃材料・難燃材料として認められるためには、個別で性能評価を受ける必要があります。
※告示で定める不燃材料の一覧は「建築基準法における“不燃材料”の定義|設計で欠かせないルールと材料選定のコツ」をご覧ください。
大臣認定を受けるための性能評価は、以下の流れで進みます。
①建材メーカーなどが指定性能評価機関と事前打ち合わせを実施し、試験の申し込みをする
②指定性能評価機関が試験を実施する
③大学教授などの審査員が、試験結果について性能評価を行い、性能評価書を交付する
④メーカーが性能評価書を国土交通省へ提出する
⑤国土交通省が審査を行い、大臣認定書を交付する
ここまでステップを経て、初めて防火材料として認められ、認定された材料は設計者が各種防火規定を受ける建物へ採用できるようになります。

防火材料の認定制度で用いられる主な性能評価試験は、以下のとおりです。
| 試験の種類 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 不燃性試験 | ・試験体を加熱炉に入れて燃焼させ、最終平衡温度に達するまでの時間を測定 ・加熱終了後、試験体を室温になるまで自然冷却し、その質量を測定 |
| 発熱性試験 | ・材料をコーンヒーターで加熱し、発生したガスを燃焼させて、その燃焼ガスの酸素濃度を測定し、発熱量と発熱速度を測定(コーンカロリーメーター試験) |
| ガス有害性試験 | ・試験体を加熱炉に入れて燃焼させ、そこから発生したガスを被検箱内に移し、マウスが行動を停止するまでの時間を観察 |
※上記は主な試験方法で、他の方法を用いる場合もあります。詳細は指定性能評価機関までお問い合わせください。
これらの実験で、建築基準法施行令第108条の2で定める「不燃性能」状態の時間に応じて、不燃材料(20分)・準不燃材料(10分)・難燃材料(5分)それぞれの認定を受けられるのです。
不燃認定の材料を使用する際によくあるトラブル例

告示仕様・大臣認定仕様の防火材料(不燃・準不燃・難燃材料)は、内装制限など建築基準法で定める防火規定をクリアするために欠かせません。
しかし、設計実務の現場では、材料選定などのミスにより、建築確認申請が差し戻されるケースがあります。
「防火材料として認定されていたが、不燃性能レベルが基準を満たしていなかった」(例:不燃材料が要求される場所に準不燃材料を採用した)
「仕上げ材は基準を満たしていたが、下地に不燃性能がなかった」(部位によっては、下地材にも不燃性能が要求される場合も)
「発注者と内装材に木材を採用するプランで進めていたが、不燃木材では予算が合わず、大幅な設計変更が必要になった」
「内装制限の範囲に不燃木材を施工したが、後から白華現象※が発生して、クレームになった」
※白華現象:不燃木材に含まれる薬剤が空気中の水分と反応して、表面で結晶化する現象
これらの失敗を未然に防ぐためには、不燃材料・準不燃材料・難燃材料を選ぶ際のポイントを押さえておくことが重要です。
突板は常時40種以上を取り扱っておりますので、内装制限の対象範囲に美しい木目を取り入れたい方は、ぜひ弊社までご相談ください。
設計時に確認すべきポイント|不燃材料・準不燃材料・難燃材料の選定ポイント

内装制限などの規定を受ける特殊建築物や大規模建築物の設計デザインをする際には、不燃材料・準不燃材料・難燃材料の選定におけるチェックポイントを把握しておきましょう。
防火材料の性能グレードを抑える
防火材料の不燃性能は、「不燃材料>準不燃材料>難燃材料」の順で高く、規定ごとにどのグレードの材料を使うかが定められています。
そのため、認定を受けている建材を採用しても、その性能グレードが間違っていると、建築確認をクリアできません。
認定材料を選定する際には、どの性能基準を満たしているか、認定番号で必ずご確認ください。
▶︎おすすめコラム:建築基準法で定められた“内装制限”とは? 概略や緩和から「木」を取り入れる方法まで詳しく解説
大臣認定仕様は「認定番号」の確認が必須
防火材料の認定番号は、性能グレードによって異なります。
| 防火材料の種類 | 認定番号 |
|---|---|
| 不燃材料 | 一般:NM-(通し番号) 外部仕上げ用:NE-(通し番号) |
| 準不燃材料 | 一般:QM-(通し番号) 外部仕上げ用:QE-(通し番号) |
| 難燃材料 | 一般:RM-(通し番号) 外部仕上げ用:RE-(通し番号) |
(参考:国土交通省|建築基準法に基づく構造方法等の認定|構造方法等の認定に係る帳簿について|防耐火構造・防火材料ほか)
これらの認定番号は、製品カタログやホームページに必ず記載されているため、材料選定の際には、どの性能基準を満たしているか必ずご確認ください。
仕上げ材は「デザイン性」が重要
内装制限の対象範囲における仕上げ材を選定する際には、不燃性能に加えてデザイン性も重要です。
ナチュラルな木目を採用したい場合は、防火材料として認定を受けている突板貼り化粧板が多くの現場で採用されています。
中規模以上の建築物は「施工性・加工性」も確認
施工範囲が広い建物では、建材の施工性・加工性によって、工期や施工費に影響を及ぼします。
また、厚さやサイズのレパートリーが限定される材料は、現場加工の手間がかかったり端材が多く発生したりするため注意が必要です。
そのため、不燃材料などを選ぶ際には、カットなどの加工がしやすく、サイズ展開が豊富な材料がおすすめです。
「環境配慮性」のチェックもおすすめ
近年、大規模プロジェクトを中心に、建物の環境配慮性が重要視されている傾向があります。
クライアントから環境に配慮した建物の要望を受けた場合は、できる限り環境負荷や製造工程におけるCO2排出量・エネルギー消費量が少ないものを選びましょう。
木材や木質建材は、塩ビ系材料やコンクリート系材料と異なり、製造工程におけるCO2排出量を抑えられ、さらに森林活性化に貢献できるとして、サステナブル建材として注目されています。

▶︎おすすめコラム:建物の価値を高める“サステナブル”な建材がトレンド。ポイントやおすすめ商品を紹介
▶︎おすすめコラム:今こそ木材も“地産地消”する時代。脱炭素化に向けた地産材・地域材利用について解説
突板は常時40種以上を取り扱っておりますので、「内装制限の対象範囲に美しい木目を取り入れたい」「環境に配慮した建材を採用したい」とお考えの方は、ぜひ弊社までご相談ください。
FAQ|不燃認定・不燃材料に関する「よくある質問」

ここでは、多くの方からいただく不燃認定や不燃材料に関するご質問を紹介します。
Q.不燃認定番号はどこで調べる?
A.不燃認定番号は、国土交通省のページもしくは、各指定性能評価機関のホームページなどで検索できます。
(参考:国土交通省|建築基準法に基づく構造方法等の認定・特殊構造方法等の認定|構造方法等の認定に係る帳簿 ※表内の「不燃材料、準不燃材料、 難燃材料」PDFリンクをクリックすると、表の中に一覧ページのリンクが設定されています)
特定の材料で不燃認定を受けているものを調べたい方は、Googleなどの検索エンジンで「不燃化粧板 NM-(不燃材料の認定番号)」などと入力すると、認定を取得した製品のページが表示されます。

Q.不燃塗料を使えば、不燃材料として認定される?
A.不燃塗料は、不燃材料の不燃性能を維持するためのものであり、防火材料として認められていない材料に塗布しても、認定されません。
つまり、非不燃材料に不燃塗装しても、建築基準法の規定は満たしませんので、ご注意ください。
また、不燃材料に現場で不燃塗装すると、認定が取り消される可能性もあるため、工場塗装品を採用することをおすすめします。
不燃化粧材の基材レパートリーも豊富に取り揃えておりますので、「既製品の材料では設計イメージに合わない」とお困りの方は、ぜひ弊社までご相談ください。
高品質でレパートリー豊富な恩加島木材の「不燃突板化粧板」

恩加島木材は、国内外から多種多様な突板を仕入れ、天然木の風合いを残した高品質な「突板化粧板」を製造している建材メーカーです。
突板化粧板とは、突板と呼ばれる天然木を0.2〜0.3mmの薄いシート状にスライスした素材を合板などに接着したパネル材で、内装仕上げや家具・建具の材料として使用されています。

恩加島木材が自信を持って提供する「突板化粧板の強み」は以下の点です。
- 無垢材と同様の「ナチュラルな見た目と質感に仕上がる」
- 工業製品なので、無垢材よりも「品質と寸法の安定性が高い」
- 無垢材よりも軽量化が可能で、「施工効率性アップにつながる」
- 無垢材よりも温度や湿度の環境変化による「変形リスクが少ない」
- 希少性があり高価な樹種でも、「無垢材より安価で安定して材料を入手しやすい」
- 原木1本から取れる突板面積は無垢板材よりも広いため、「同じ風合いを大量入手しやすい」
- UV塗装などの特殊塗装により「表面の耐摩耗性・耐汚性が高い」
- 通常の化粧板と同じ突板を用いた「不燃・難燃材料認定取得済み化粧板」もあり、内装制限など防火規定の対象部分と非対象部分の仕上げを揃えられる
▶︎おすすめコラム:突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介
さらに弊社では、国産材や地域材、間伐材、成長の早い小径材を積極的に活用し、「人工突板」の開発・製造にも努めるなど、森林活性やカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを行っています。
●豊富な樹種・木目とUV塗装も選べる「PANESSE(パネッセ):非不燃・不燃天然木練付突板化粧板」
●重い・割れやすい・高コスト・ビスが効かないなどの懸念点を解消した「不燃突板複合板」
●国内初・組み立てた状態で準不燃認定を取得した「リブパネル」
●国内初・孔を開けた状態で不燃認定を取得した「有孔ボード」
まとめ
不燃認定制度は、防火材料の安全性や法的根拠を証明するための制度で、設計リスクを回避する上で欠かせません。
特殊建築物や、基準を超える大規模建築物など、建築基準法で定める内装制限の規定を受ける建物の設計には、不燃認定を取得した「不燃材料・準不燃材料・難燃材料」の採用が義務付けられます。
恩加島木材は、高品質&レパートリー豊富で、環境に配慮した「不燃・難燃突板化粧板」を製造販売しており、国産材・地産材もご指定いただけます。
「思い通りのデザインを実現したい」「地域に根付く建物にしたい」という方は、恩加島木材の突板製品をご採用ください。


