【2026年】木材価格はどうなる?中東情勢悪化の影響と今後の見通し、ウッドショックとの違い

ウッドショックが落ち着き始めた2026年ですが、2月に再び建築資材価格の高騰要因となる「中東情勢の悪化」が起こりました。
中東情勢の悪化による接着剤や断熱材、塗料などの値上げが発表され始めていますが、木材価格への影響は現時点では限定的です。
ただし、2026年後半以降は「木材の価格上昇」の可能性があると考えられています。
そこで、今回はウッドショックから現在までの木材価格推移と、中東情勢の悪化によって考えられる影響について、木材のプロが詳しく解説します。
輸入材と比べて価格や流通量の変動が少ない「国産材」を使うメリットも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
●これから木材や木質建材を選定する方は、輸入材よりも価格変動が少なく安定した資材費を見込める「国産材」の採用もご検討ください。
●恩加島木材は、高品質・レパートリー豊富で環境にも配慮した「突板化粧板」を製造販売しており、国産材や地産材もお選びいただけます。
Contents
ウッドショック前から2025年の木材価格推移を振り返る

新型コロナウイルスの感染拡大を機に起こったウッドショックにより、日本国内の木材価格は高騰し、2025年もウッドショック以前(2020年まで)の水準まで戻らず、高止まりしているのが実情です。
2020〜2022年:安定期からウッドショック
ウッドショックが起こる2021年春までは、国産材・輸入材ともに価格は長年安定しており、製材価格は4万円/㎥前後、合板価格も6万円/㎥程度を維持し続けていました。
しかし、コロナ禍による輸送停滞やアメリカ・中国の住宅需要高まりによるウッドショック(2021年3月)が起こると、製材価格は平均で7万円/㎥、合板価格は9万円/㎥を超えました。

国産材の価格も輸入材の高騰に引き上げられるように上昇し、建築業界は大きなダメージを受けました。

2022年に始まったロシアによるウクライナ侵攻で、原油価格が高騰し、ロシア産材の流通量が減ったことも、木材価格の上昇を助長した要因とされています。
※ウッドショックについては「2023年「ウッドショックは終了?落ち着いた?」木材価格推移と回避策について」をご覧ください。
2023〜2025年:調整・高止まり
2023年に入ると、輸入材も国産材も値下がり始め、2026年1月まで大きな変動はありません。


ただし、2023年から2026年まで続く歴史的な円安ドル高や原油マーケットの不安定さ、世界的なインフレの影響もあり、木材価格はウッドショック以前の水準まで戻らず、高止まりしているのが現状です。
| 木材の種類 | ウッドショック前後の単価 |
|---|---|
| 輸入材(製材) | ウッドショック前(2021年1月):約4.0万円/㎥ ウッドショック後(2026年1月):約6.4万円/㎥(60%増) |
| 輸入材(EU構造用集成材) | ウッドショック前(2021年1月):約4.2万円/㎥ ウッドショック後(2026年1月):約7.8万円/㎥(85%増) |
| 輸入材(合板) | ウッドショック前(2021年1月):約4.8万円/㎥ ウッドショック後(2026年1月):約8.2万円/㎥(85%増) |
| 国産材(スギ正角) | ウッドショック前(2021年1月):約6.7万円/㎥ ウッドショック後(2026年1月):約7.7万円/㎥(17%増) |
| 国産材(スギ間柱) | ウッドショック前(2021年1月):約6.8万円/㎥ ウッドショック後(2026年1月):約8.4万円/㎥(24%増) |
| 国産材(針葉樹合板) | ウッドショック前(2021年1月):約1,200円/枚 ウッドショック後(2026年1月):約1,400円/枚(17%増) |
ただし、上のデータでウッドショック前後の木材価格を比較すると、国産材の上昇率は輸入材ほどではないことがわかります。
▶︎おすすめコラム:【日本の木材価格推移】2025年傾向と2026年予想、関連ポイントをグラフで解説
「中東情勢悪化」は木材価格への影響はあるのか|ウッドショックとの違い

2026年2月に、イスラエルとアメリカによるイランへの軍事攻撃が始まり、ホルムズ海峡の通行リスクが高まって、様々な産業に影響が出始めています。
日本は輸入する原油の約9割が中東に依存しているため、国内の原油供給量の減少が懸念されており、国内の運輸コスト上昇は避けられません。
また、ナフサ※を原料とする塗料や断熱材、接着剤も、2026年4月から続々とメーカー各社が+20〜30%の価格見直しを発表しました。
※ナフサ:石油を精製する過程で作られる物質で、エチレンやプロピレンなどの基礎化学品の原料。日本国内で使われるナフサのうち、80%以上が実質的に中東に依存しているとされている。
ここで気になるのが木材価格への影響ですが、2026年4月時点では限定的で、高騰のリスクは2026年6〜8月頃から始まると懸念されています。
EU材の影響
日本が輸入する丸太・製材・集成材のうち、半分以上がEUから輸入されますが、今回問題となっているホルムズ海峡は通らず、オランダのロッテルダム港からスエズ運河を抜け、紅海から太平洋に抜けるルートが基本航路です。

IMF国際通貨基金の調査では、中東情勢悪化後の2026年3月8日時点で、スエズ運河通航隻数は2026年2月までから大きな変化はないことがわかっています。
2023年にイエメンの武装組織フーシ派による紅海周辺における船舶は攻撃を受けて、既に国際物流の一部がスエズ運河から紅海へのルートを避けて、南アフリカ共和国の喜望峰ルートで迂回する航路へ変更している点もポイントです。
また、2010年頃から地球温暖化の影響でロシアの上を通る北極海航路も活用され始めており、ヨーロッパから日本への物流がスエズ運河を通るルートよりも短距離・短期間で実現できるようになりつつあります。

このように、ヨーロッパから輸入される木材は、ホルムズ海峡が実質的に閉鎖されたとしても航路の面では大きな影響はないとされています。
木材価格全体への影響
中東情勢の悪化が木材価格に与える影響がゼロという訳ではありません。
以下の点において価格高騰につながることが予想されています。
- 合板や構造用集成材は単板やラミナの状態で輸入し、日本の接着をする場合があり、接着剤高騰の影響を受ける可能性がある
- 原油高により輸入材の運輸コストが上がり、価格に影響を及ぼす可能性がある
- 過去の推移を見ると、石油価格が上がると、それと連動して木材価格も上昇する傾向が見られる

石油価格が上昇し始めた6ヶ月後くらいから、木材価格も連動して上昇しています。
ウッドショックとの違い
中東情勢悪化が続き、木材価格が上昇し始めると、ウッドショックの時よりその影響が長期化すると予測されています。
2021年春に始まったウッドショックの主な原因はいくつかありますが、最も大きな要因は、コロナ禍の“ステイホーム”によるアメリカや中国などで住宅需要の高まりとされており、コロナ禍と住宅の供給が落ち着くと共に、木材価格は徐々に下がっていきました。
また、ウッドショックは、木材や木製品の価格上昇という限定的な影響でした。
しかし、今回の原油価格高騰は、船舶の滞留や運輸保険料の急騰、産油施設のラインストップなど様々な要因が絡み合い、買い手が調達先を変更することによって需供バランスが崩れることも考えられています。
また、今後はイランがホルムズ海峡を通る船舶に多額の通行料を取る見込みです。
そのため、原油価格は中東情勢悪化以前の水準まで戻らず、高止まりするというのが多くの専門家による見解です。
そのため、運輸距離が長いEU材や、加工において接着剤を使用する合板や集成材は、2026年以降も上昇する可能性が考えられます。
今後の木材価格に影響を及ぼす主な要因

2024〜2025年前半は、アメリカによる関税政策の不透明さによって一時的に木材の駆け込み需要が増加したことで、輸入材が高騰しました。
しかし、2025年後半から2026年初旬は、輸入材・国産材ともに価格は比較的安定しています。
ただし、中東情勢による影響も含め、今後も木材価格の動きは予断を許さない状況です。
今後、以下の要因が木材価格に影響を及ぼすとされているため、定期的な情報収集が欠かせません。
- アメリカの民間新設住宅着工戸数(2025年10月から上昇傾向にあり、世界の木材価格高騰に影響する可能性あり)
- 原油高により国際物流コストの上昇(日本向けコンテナ運賃)
- 国内物流コストの上昇(ガソリン価格の上昇と、人材不足インフレによる影響)
- 為替の影響(円安ドル高は、“有事のドル買い※”によって進行している)
- 林業における人材不足インフレ(林業は他産業と比べて従業者の高齢化・若者不足が深刻)
※有事のドル買い:世界で有事が発生した際、国際的に信頼性が高く、最も流通している通貨であるドルを買う動きが進む現象
安定した原価・資材確保のキーワードは「国産材」にあり

ウッドショックの前後でも、木材価格の上昇率は輸入材より国産材の方が低いことが分かっていることから、多くの建築プロジェクトで国産材や地産材※を利用する動きが進んでいます。
※地産材:それぞれの地域で生育・伐採・製材された木材を指し、地域材と呼ばれることもある。
建築業界全体が輸入材から国産材に移行すると、以下のようなメリットを得られる可能性があります。
輸入材よりも価格高騰のリスクが低い
輸入材よりも運輸における消費エネルギー量・CO2排出量が少ないため、エネルギー価格の影響を受けにくく、環境負荷を抑えられる
輸入材よりも、供給量が安定しており、工期・予算に合わせて資材を入手しやすい
品質の安定性が高い
林業地域の経済発展や地方創生、ひいては、日本経済の活性化につながる
地域とゆかりのある材料を使用すると、地元の利用者から親しまれる建物になる
林業・製材業の発展により、日本の森林保全にもつながる
これらの点から、林野庁・国土交通省を中心に、官民で協力して国産材の利用促進を行っています。
実際に、日本の木材輸入量は徐々に減少し、逆に、海外への木材輸出額は増加しているのが実情です。

産地を限定した国産材・地産材の取り扱い事例も豊富なので、ぜひ弊社までご相談ください。
▶︎おすすめコラム:日本の木材自給率はどれくらい?国の取り組みからウッドショック・世界情勢との関係まで詳しく解説
▶︎おすすめコラム:今こそ木材も“地産地消”する時代。脱炭素化に向けた地産材・地域材利用について解説
国産材を選べる恩加島木材の「突板化粧板」

恩加島木材は、国内外から多種多様な突板を仕入れ、天然木の風合いを残した高品質な「突板化粧板」を製造している建材メーカーです。
突板化粧板とは、突板と呼ばれる天然木を0.2〜0.3mmの薄いシート状にスライスした素材を合板などに接着したパネル材で、内装仕上げや家具・建具の材料として使用されています。

恩加島木材が自信を持って提供する「突板化粧板の強み」は以下の点です。
- 無垢材と同様の「ナチュラルな見た目と質感に仕上がる」
- 工業製品なので、無垢材よりも「品質と寸法の安定性が高い」
- 無垢材よりも軽量化が可能で、「施工効率性アップにつながる」
- 無垢材よりも温度や湿度の環境変化による「変形リスクが少ない」
- 希少性があり高価な樹種でも、「無垢材より安価で安定して材料を入手しやすい」
- 原木1本から取れる突板面積は無垢板材よりも広いため、「同じ風合いを大量入手しやすい」
- UV塗装などの特殊塗装により「表面の耐摩耗性・耐汚性が高い」
- 通常の化粧板と同じ突板を用いた「不燃・難燃材料認定取得済み化粧板」もあり、内装制限など防火規定の対象部分と非対象部分の仕上げを揃えられる
▶︎おすすめコラム:突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介
さらに弊社では、国産材や地域材、間伐材、成長の早い小径材を積極的に活用し、「人工突板」の開発・製造にも努めるなど、森林活性やカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを行っています。
● 豊富な樹種・木目とUV塗装も選べる「PANESSE(パネッセ):非不燃・不燃天然木練付突板化粧板」
● 重い・割れやすい・高コスト・ビスが効かないなどの懸念点を解消した「不燃突板複合板」
● 国内初・組み立てた状態で準不燃認定を取得した「リブパネル」
● 国内初・孔を開けた状態で不燃認定を取得した「有孔ボード」
※弊社でも、一部の商品につきまして価格改定させていただく可能性がございます。詳しくは「中東情勢に伴う状況並びに弊社製品への影響につきまして」をご覧ください。
まとめ
2026年は、ウッドショックの影響が落ち着き、比較的安定した木材価格で推移すると予想されていましたが、年の後半には、中東情勢悪化による影響が出る可能性があります。
木材価格に影響する最新情報に注視することが重要です。
これから木材や木質建材を選定する方は、輸入材よりも価格変動が少なく安定した資材費を見込める「国産材」の採用もご検討ください。
恩加島木材は、高品質&レパートリー豊富で、環境に配慮した「突板化粧板」を製造販売しており、国産材・地産材のご指定が可能です。
「思い通りのデザインを実現したい」「地域に根付く建物にしたい」という方は、恩加島木材の突板製品をご採用ください。


