木材の“経年変化”｜色や強度はどう変わる？樹種ごとの特徴についても
木材は、施工した時と数年経った時で、全く違う表情を見せる場合があります。
それが、「経年変化」です。
年数を重ねることで、風合いが変わる樹種は少なくありません。
しかし、実際にどのような変化が見られるのか、詳しく知らない方も多いでしょう。
そこで、今回は「木材の経年変化」について、長年向き合ってきたメーカーとして詳しく解説します。
「美しいウッドインテリアに仕上げたい」「ずっと愛される建物にしたい」という方は、是非参考にしてください。
●局部的な変質・変色を防ぐためには、しっかりと表面保護された商品がおすすめです。
●恩加島木材は、環境に配慮しつつ国内外から多数の高品質の天然木を仕入れ、常にお客様のニーズに応えられるよう努めております。
Contents
木材の“経年変化”は必ず起こります
木は、丸太として伐採された後も、木材として成形された後も、空気中の水分を吸収・放出します。
そのため、湿潤と乾燥を繰り返すうちに、どうしても歪み・反り、膨張・収縮などの変形リスクは避けられません。
また、紫外線などの外的要因で、成分が変質して、色や艶に変化が現れる樹種も多いです。
お手入れ方法や日々の使い方によっては、酸性・アルカリ性の影響を受ける場合も少なくありません。
つまり、木材と経年変化は切っても切り離せず、天然木にこだわればこだわるほど、それが顕著に現れるのです。
そのため、木質系材料を選ぶ際には、必ず経年によってどのような変化があるのかを理解しておくことが重要となります。
木材の経年変化と“強度”の関係は？
ではまず、経年による強度の変化について見てみましょう。
日本では、古くから建築材料として木材がふんだんに活用されてきました。
特に、ヒノキは法隆寺や薬師寺などの寺社仏閣で使われ、建築から1000年以上経った今でも、強度を維持しています。
鉄やコンクリートの寿命が100年程度と言われていることと比較しても、木材は長寿命な材料であることに間違いないでしょう。
木材が長期間強度を保っていられるのには、「含水率」が関係します。
木は、伐採された直後、含水率が100〜200％と水分に満たされているため、それほど強度はありませんが、伐採された後・加工された後に段々と乾燥し、強度が高まっていくのです。
含水率が15%前後、つまり大気の湿度と平衡状態である木材が最も強いとされているため、木の調湿機能（湿気の吸収・放出）が働いている限りは強度を保てます。
実際に、法隆寺で使われているヒノキ材は、伐採してから200年もの間強度が高まると言われています。
ヒノキは伐採してから200年間は強くなり、その後1000年かけて徐々に弱くなることがわかります。つまり、今伐採した木と法隆寺で使われている木とは強さが同等なのです。ヒノキは木材として耐久性や保存性が世界最高レベルと言われています。
（引用：特定非営利活動法人 活木活木森ネットワーク｜きづかい.com）
ヒノキ以外の樹種についても、経年によって含水率が下がることで、一定期間は強度が高まります。
ただし、含水率が5％を下回るほど乾燥が進むと、強度が一気に下がりますし、逆に20%を超えると、シロアリ被害や腐朽のリスクが高まります。
しかし、室内のように、一定の湿度環境が保たれた環境下においては、木材の強度は数百年間維持し続けるということです。
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木材の経年変化と“変色”の関係は？理由は？
内装材として木材を使う場合にやはり気になるのが「変色」です。
実は、木材が変色するのにはいくつかの原因があります。
樹種によっても現象が現れるかどうかが異なりますので、材料選びの際には変色をもたらす原因についても理解しておきましょう。
紫外線による変色
木材に多く含まれるリグニンという成分が、太陽光に含まれる紫外線を吸収し、木材の変色をもたらします。
リグニンは、木材の強度も司っているため、紫外線を受け続けると、変色だけではなく、強度も低下します。
紫外線による変色の度合いは樹種によって異なり、色が濃くなる（暗くなる）ものと、明るく（褪せる）ものがあります。
また、樹種を限定せず、熱処理によって乾燥加工された木材は、全体的に色が明るくなる傾向が強いです。
たとえ室内であっても、窓がある空間においては紫外線による変色を完全に防ぐことはできません。
そのため、直射日光の当たりやすい場所に天然木由来の材料を用いる際には、経年によって風合いが増すもの、艶が増すものを選びましょう。
風化による変色
屋外で紫外線や雨風にさらされ続けると、木材の細胞を構成しているセルロースを補強するリグニンが風化・流出して、強度が低下し、銀白色へ変色する木材もあります。
そのため、ウッドデッキなどに天然木材を用いる場合には、定期的な保護塗装が欠かせません。
室内においても、南面・東西面の窓際では、フローリング材などが風化してしまう可能性がありますので、メーカーの指示に従って、適宜塗装などを施さなくてはいけません。
ウレタン塗装・オイル塗装による変色
室内に用いられる木材でも、表面の乾燥や汚れ付着を防ぐために、ウレタン塗装やオイル塗装を施しますが、これらの塗料が変色をもたらす場合もあります。
例えば、オイル塗装はオイル自体が酸化重合し、段々と色が濃くなります。
※酸化重合：塗料中の溶剤が先に揮発し、その後残った成分が空気中の酸素を吸収して乾燥する現象。
クリアな仕上がりのウレタン塗装においても、含有成分が紫外線に当たって黄色へ変色してしまいます。
塗膜によって木材の表面を保護しつつ、変色を出来るだけ抑えたい場合には、変質しにくいUV塗装がおすすめ。
UV塗装とは、木材の表面に専用塗料を塗り、そこに紫外線を照射することで硬化させる方法です。
耐水性・耐汚性・耐熱性に優れているため、カウンターやテーブル、フローリングなど様々な場所に用いられます。
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表面汚染による変色
木材の変色は、主に紫外線によってもたらされる場合が大半ですが、それ以外にも局部的な表面汚染による変色もあります。
金属汚染
鉄などに含まれるタンニンと水分が反応して、サビのようなシミがついてしまう場合があります。
オークやメープル、ウォールナットなどが金属汚染しやすく、チークやタモは影響が少ないと言われています。
アルカリ汚染
重曹と炭酸ナトリウムで構成されたセスキ炭酸ソーダなどを使ってうっかり表面を掃除してしまうと、シミがついてしまう場合があります。
特に、オーク、メープル、ウォールナット、スギはアルカリ汚染しやすいとされているため、お掃除方法には十分気をつけなくてはいけません。
酸汚染
弱酸性のお酢で反応してしまう木材から、強酸性洗剤のみ変色する木材まで度合いは様々ですが、無垢材が酸性物質に触れると、シミが残ってしまう場合があります。
メープル・ヒノキ・スギは酸性汚染しやすく、チークやオークは比較的強いため、テーブルの天板などを選ぶ際には参考にしてください。
水染み・油染みなど
樹種問わず、表面が無塗装の無垢材はどうしても水染みや油染みが目立ってしまいます。
濡れたカップを置いただけでも跡が残る可能性もあるほどです。
天然木が持つ本来の風合いを生かしたい場合に、無塗装にこだわる方も多いですが、長い目で見ると、やはり表面に保護塗装が施された材料の方がおすすめです。
艶のないマットな塗装もあるため、それほど質感は損いません。
突板の標準厚さが0.2mmなのに対して、KDパネルには“厚さ0.5mm”の突板を使用し、さらに表面強度は自動車の塗装と同じ程度の硬さ”鉛筆高度4H”です。
樹種によって経年変化はどう違う？
では、具体的には経年によってどのような変化が起こるのでしょうか？
代表的な樹種について、それぞれ見てみましょう。
ヒノキ
経年によって、白褐色から飴色へと濃くなり、自然な光沢感が増します。
スギ
白褐色から黄色がかった色へと深みが増していきます。
ナラ・オーク
明るめの茶色から、濃い黄土色へと変色します。
また、産地によっては木目のコントラストがはっきりしていくという特徴を持つものもあります。
ウォールナット
紫がかった濃い茶色から、明るい色味に変化していきます。
タモ
少しグレーの混じった白褐色から、黄褐色へ変化します。
イエローパイン
黄色みがかった白褐色から、飴色へと変化していきます。
チェリー
最初は赤みの強い褐色ですが、段々とその赤みが抜けて、艶感が増します。
チーク
油分を多く含むため、段々と艶が増し、色の濃淡差がはっきりしてきます。
メイプル
白褐色から飴色へと変化し、艶が増してきます。
このように、樹種によっても変色の特徴が異なりますので、それぞれの特性を知った上で材料選びをすることが肝心です。
産地を限定したものもご用意しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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創業70年の技術と経験が創る“恩加島木材”の突板化粧板製品
内装仕上げに木材を使う場合には、ぜひ“突板化粧板”ご検討ください。
無垢材は施工時の含水率と時間が経過した状態の含水率変動によって、反りや木割れが起きてしまうリスクは避けられません。
一方、突板化粧板は寸法安定性の高い合板などを基材にするため、施工性も高く湿度変化によって変形する心配が少ないのです。
実は、突板の原料は水分を多く含む生材（なまざい）。
柔らかい生材を薄くスライスしてから含水率10〜15%にまで乾燥させて基材と張り合わせることで、美しい木目を表現できます。
私たち“恩加島木材工業”は、1947年に創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使って、良質でバラエティに富んだ内装材を提供し続けてきました。
突板の常備在庫はおよそ1000束に上り、その豊富なストックから、仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定しています。
0.2mmという極薄にスライスされた突板は気温や湿度により、生き物のように大きく変化します。
その小さな変化を感じながら、熟練した職人が手作業でそれを貼り合わせていくのです。
貼り合わせた突板はその日の環境に合わせて、樹種ごとにプレス時間、温度、圧力を細かく調整し、高圧ホットプレス機で圧着し、化粧板などの製品となり、お客様の元へと届きます。
木の特性を熟知した“恩加島木材工業”が自信を持ってご提供する突板製品は、多くの住宅や公共施設にて採用されています。
内装の木質化は、今やカーボンニュートラルや脱炭素化の実現には欠かせないと言っても過言ではありません。
輸送過程での二酸化炭素排出量を大きく削減できる地産材（地域材）の取り扱いもございますので、ウッドインテリアをご検討中の方は、ぜひ一度“恩加島木材工業”の製品をご覧ください。
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KDパネルとは
KDパネルは、台湾・KEDING社製の天然木化粧合板で、0.5mmの厚単板で木目の立体感を、特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した今までに無い化粧合板です。
天然木本来の質感と、メラミン化粧板のような強度・施工性を兼ね備えています。
恩加島木材工業が自信をもって展開する日本初上陸のプロダクトです。
PANESSE(パネッセ)
天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「突板シート」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップを実現。
樹種も40種類以上からお選びいただけますし、産出地を限定した地産材のご注文も承っております。
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リブパネル・ルーバー
最近トレンドのリブパネルやルーバーも、その他化粧板と同じ樹種で製造しております。
リブパネルは、もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場でパネル組みをしている高精度・省施工型の製品です。
ルーバーも同様で、精度の高い高意匠ルーバーとして人気商品となっています。
基材は木芯・不燃(ダイライト、エースライトなど)からアルミ押出成形品（※ルーバーのみ）まで対応しておりますので、内装制限のある建物にもご採用いただけます。
リブパネルはHPより規格書もダウンロードできますので、是非ご検討ください。
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用途を問わず様々な施設にご採用いただいております
恩加島木材の突板製品は、建物の用途を問わず様々な施設にご採用いただいております。
ホームページでは随時、施工事例や納入実績を紹介していますので、気になる方はぜひ併せてご覧ください。
恩加島木材工業株式会社｜納入実績
恩加島木材工業株式会社｜施工事例
恩加島木材の取り組みや今後の目標
私たち“恩加島木材”は、地球環境や森林維持のために様々な取り組みを行っており、国産材の積極的な利用はもちろん、製造工程の自然エネルギー活用など、トータルCO2排出量の削減に努めています。
再生エネルギーの導入
自社工場への太141kw陽光発電システムおよび蓄電池を導入いたします。
（2023年6月、稼働決定）
持続可能な製品の開発製造
植林木を利用した人工突板の開発を進めています。
地産材の積極的利用
日本の貴重な資源である“森林”、そして林業・製材業を守るため、原産地を日本国内ならず地域を限定した樹種を積極的に取り扱っています。
香川県多度津町庁舎（香川県産材利用）
某百貨店 什器（大阪府内産桧利用）
新居浜商業高校 体育館（愛媛県産材利用）
京都女子大学（京都府内産桧利用）
京都 某ホテル（京都府内産利用）
「建築デザインに環境への配慮を反映させたい」「長く愛され続ける建物にしたい」そのようにお考えの方は、ぜひ私たち”恩加島木材工業”の突板製品をご採用ください。
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まとめ｜経年変化を知った上で材料選びをしましょう
天然木材を用いた材料は、多かれ少なかれ経年変化が起こってしまいます。
しかし、逆に言えばそれは“時の流れによって加わった味わい”と捉えることもできるでしょう。
経年変化を前向きに捉え、変色後も踏まえた材料選びが重要です。
ただし、表面汚染による局部的な変色が気になる方も少なくないはず。
その場合には、しっかりと表面保護された材料がおすすめです。
特に、公共施設など細かく管理できない場所には、耐久性の高いものを採用してください。
“恩加島木材”は長年培った経験と知識をもとに、みなさんの設計デザインをお手伝いさせていただいております。
製品は、天然木突板を使った化粧板やフローリング材、ルーバー、有孔ボードなど多岐にわたっているため、空間のトータルコーディネートも可能です。
「環境に配慮した製品を取り入れたい」「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」「高耐久な材料を使いたい」とお考えの方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。
〈日本初〉大臣認定取得｜恩加島木材の“不燃突板複合板”
建築基準法上で「特殊建築物」に指定される商業施設や宿泊施設などを建てる際に欠かせないのが、“不燃突板複合板”です。
天然木突板（厚さ0.2mm）に不燃材料である無機質不燃板（厚さ6・9mm）を貼り合わせた材料です。
しかし、今までの不燃突板化粧板には施工上の問題点がありました。
- 重い
- 割れやすい
- 高コスト
- ビスが効かない
それらの問題を解決したのが、「恩加島木材の不燃突板複合板」です。
天然木突板（厚さ0.2mm）＋ 無機質不燃板「ダイライトFAL」（厚さ6mm）＋ 特殊合板（厚さ9mm）で構成されているため、ビスが効いて割れません。また、軽量化されたため、施工効率もアップします。
※幅290mmまでは本実加工も可能です。
日本で初めて大臣認定を受けたため、安心して採用していただけます。
恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします
「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか？
恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。
随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
