【化粧合板の汚れ落とし】壁・天井・ドア・家具の掃除方法と注意点を解説

壁・天井や内装ドア、家具などの仕上げ材に使われる“化粧合板”ですが、「どのような方法で掃除すればいいか分からない」「洗剤を使ったら跡が残って後悔した」という方は少なくないはずです。
そこで今回は、壁・天井・ドア・家具に使われる化粧合板の種類と、非木質・木質化粧合板それぞれのお手入れ方法とその注意点について“木材のプロ”が詳しく解説します。
日常のお手入れと大掃除の方法、油汚れと水性汚れの落とし方の違いも紹介します。
1947年創業の恩加島木材がおすすめする内装建材も紹介しますので、ぜひ最後までごらんください。
● 化粧合板の汚れを落とす際には、合板の種類とそれぞれのお手入れ方法を知ることが重要です。
● 恩加島木材は国内外から良質な突板を仕入れ、レパートリー豊富で高品質な「突板化粧合板」を製造販売しております。
Contents
壁・天井・ドア・家具の化粧合板|種類と特徴

化粧合板の汚れ落としについて知る前に、まずはどんな化粧合板が使われているかを確認しましょう。
壁・天井や内装ドア、家具に使われる化粧合板の主な種類は4つに分けられます。
プリント(シート)化粧合板・ポリエステル化粧合板
色柄を印刷した化粧紙をMDFや合板に接着したものをプリント(シート)化粧合板、その表面にポリエステル樹脂でコーティングしたものを「ポリエステル化粧合板」と呼びます。
用途 | ・安価な家具の材料 ※耐久性が低いため、標準以上の仕様にはほぼ用いられない |
メラミン化粧合板
メラミン化粧合板とは、色柄を印刷したシートにメラミン樹脂を含浸させ、さらにその上からメラミン樹脂コーティングを施した表面材に、フェノール樹脂を染み込ませた基材を圧着するパネル材で、高い耐熱性と耐水性を持ちます。
メラミンとは有機化合物であるメラミンとホルムアルデヒドで構成される合成樹脂です。
圧着時の圧力によって高圧メラミン化粧板と低圧メラミン化粧板に分類され、高圧メラミンの方が耐久性に優れています。
用途 | 〈高圧メラミン化粧板〉 ・キッチンの壁パネル ・トイレなどのパーテーション ・キッチンや洗面、トイレなどのカウンター材 〈低圧メラミン化粧板〉 ・家具の材料 ・扉の面材 ・水廻り以外のカウンター材 |
オレフィン化粧合板
オレフィン化粧合板とは、基材となる合板やMDF、パーティクルボードに表面材となる印刷シート、その上にオレフィンシートを貼り合わせ、さらに表面をコーティングしたパネル材です。
オレフィンとはプラスチック樹脂の一種で、PE(ポリエチレン)・PP(ポリプロピレン)・C(炭素)・H(水素)のみで構成されており、原料に塩化ビニル(PVC)を含んでいないため、環境配慮型建材として注目されています。
(参考:国土交通省|廃プラスチック、廃塩ビ管・継手の現状等について)
用途 | ・家具の材料 ・扉の面材 ・天板・カウンター材 ・居室の壁や天井仕上げ材 ※メラミン化粧合板より耐熱性・耐水性は劣るため、水廻りには使われない。 |
突板化粧合板・挽板化粧合板
突板(つきいた)化粧合板とは、表面材に原木を厚さ0.2〜0.3mm程度の薄いシート状にスライスしたものを用いて、それを合板などに接着するパネル材です。
挽板(ひきいた)化粧合板は突板化粧合板と構造に違いはありませんが、表面材が原木を厚さ2〜3mm程度にスライスした板材を用います。

用途 | ・家具の材料 ・扉の面材 ・フローリング ・造作部材(巾木や枠材、ルーバー材など) ・天板・カウンター材 ・居室の壁や天井仕上げ材 |
そのため一般的には耐水性が低く汚れやシミが付きやすいとされていますが、表面をコーティング・塗装した製品も多数あります。
▶︎おすすめコラム:化粧合板とは?種類別メリット・デメリットと家具の材料や天井・壁材を選ぶポイント
▶︎おすすめコラム:天然木にこだわるなら突板練付化粧板。メラミン化粧板・オレフィン化粧板・プリント化粧板との違いは?
汚れ落としの方法は“非木質系”と“木質系”で違う

化粧合板の汚れを落とす方法は、大きく”非木質系”化粧合板と“木質系”化粧合板で異なります。
種類 | 例 |
---|---|
非木質系化粧合板 | ・プリント(シート)化粧合板 ・ポリエステル化粧合板 ・メラミン化粧合板 ・オレフィン化粧合板 |
木質系化粧合板 | ・突板化粧合板 ・挽板化粧合板 |
化粧合板が非木質・木質のどちらに該当するかによって、お手入れや掃除の方法が異なるのでご注意ください。
【“非木質系”化粧合板】日常のお手入れと大掃除の方法、注意点

非木質系の化粧合板は、家具やドアから水廻りの天井・壁まで幅広い場所に施工されます。
日常的なお手入れ・水性の汚れ
局所的な汚れがついていない場合は、乾いた布巾などでホコリを落とす程度にとどめましょう。
メラミン化粧板以外は表面に細かいキズが付きやすいため、掃除の際には柔らかい布を使う点がポイントです。
プリント(シート)化粧合板は耐水性がほぼなく、硬く絞った布巾でも水分をつけると表面の化粧紙が波打つ可能性があるため、基本的に水拭きはNGです。
その他のポリエステル化粧合板・メラミン化粧合板・オレフィン化粧合板は水拭きできますが、製品によっては拭き跡が残る場合もありますので、速やかに乾拭きで水分を取り除きましょう。
大掃除・油汚れ
油などのしつこい汚れがついた場合や大掃除の際に、洗剤を使って掃除したい方も多いでしょう。
しかし、化粧合板の種類によって使用できる洗剤や道具が異なるので注意が必要です。
化粧合板の種類 | 使用可能な洗剤・道具 |
---|---|
プリント(シート)化粧合板 | 洗剤の使用はNG |
ポリエステル化粧合板 | ・水で希釈した中性洗剤 ・柔らかい布 |
メラミン化粧合板 | ・水で希釈した中性洗剤または弱酸性洗剤 ・アルコール系除菌剤 ・柔らかい布やスポンジ(しつこい汚れはメラミンスポンジ) |
オレフィン化粧合板 | ・水で希釈した中性洗剤 ・柔らかい布 |
その他の洗剤でも、必ずまず目立たない場所で使ってみて変化がないか確認しましょう。
アルコール系除菌剤やメラミンスポンジ、その他硬い素材で表面を擦ると、ツヤが失われたり細かいキズが無数についたりする恐れがあります。
熱湯を使って汚れを落とす場合も同様の注意が必要です。
【”木質系”化粧合板】日常のお手入れと大掃除の方法、注意点

木質系化粧合板は、非木質系化粧合板よりもさらに慎重に汚れを落とす必要があります。
なぜなら、木のナチュラルな質感を表現するために無塗装であったり表面のコーティング層を薄くしていたりする可能性があるためです。
日常的なお手入れ・水性の汚れ
日常的なお手入れは乾いた布巾などでホコリを落とす方法だけにしましょう。
水性の汚れを取りたい場合は、硬く絞った布巾で拭き取り、速やかに乾拭きしてください。
表面に水分が残ると、乾燥の過程で表面に細かいヒビが入ったり、部分変色したりする可能性があります。
大掃除・油汚れ
木質系化粧合板はしつこい汚れを取り除く際、「水で希釈した中性洗剤・柔らかい布もしくはスポンジ」しか使えません。
インターネットなどでは、木質系化粧合板についた油シミを「重曹や食器用洗剤、酸素系漂白剤、メラミンスポンジ、紙やすりなどで落とせる」という情報が出回っていますが、高い確率で表面が変質したり余計にシミが残ったりしてするので注意しましょう。
しかし、表面コーティングされた突板化粧合板であれば、日常生活でつく軽微な汚れは除去できます。
そのため、「ナチュラルな木目を活かせる化粧合板にしたいが、メンテナンスが気になる」という方は、突板化粧合板の表面塗装にもこだわりましょう。
▶︎おすすめコラム:突板化粧板のデメリットや注意点は?メーカーだから分かる解決方法を紹介
▶︎おすすめコラム:化粧板が剥がれたり傷がついたらどうする?種類別の補修方法やメンテナンス方法を詳しく解説
木の質感と耐汚性を兼ね備えた”恩加島木材”の突板化粧合板

恩加島木材は、国内外から良質でレパートリー豊富な突板を仕入れ、高品質な突板化粧板(天然木練付化粧板)を製造する建材メーカーです。
恩加島木材が自信を持って提供する「突板化粧板の強み」は以下の点です。
- 無垢材と同様の「ナチュラルな見た目と質感」に仕上がる
- 工業製品なので「品質安定性が高い」
- 軽量化を実現でき、「施工効率性アップ」につながる
- 無垢材よりも温度や湿度環境変化による「変形リスクが少ない」
- 希少性があり高価な樹種でも、「無垢材より安価」で安定して材料を入手しやすい
- 原木1本から取れる突板面積は無垢板材よりも広いため、「同じ風合いを大量入手しやすい」
- 特殊塗装によって「表面の耐摩耗性・耐汚性」が高く、日焼けによる変色も抑えられる
- 「不燃・難燃材料認定取得済み」製品もあり、内装制限のある建築物にも採用できる
化粧合板の表面をコーティングするウレタン塗装はもちろん、表面の耐汚性や耐摩耗性を向上させるUV塗装、日焼けによる変色を防ぐ塗装などの特殊塗装も、全て自社工場・自社スタッフにて行なっています。
▶︎おすすめコラム:ウレタン塗装・UV塗装・ラッカー塗装・オイル塗装… 各種木材塗装の違いは?抗ウイルス塗装についても解説
さらに弊社では、国産材や地域材、間伐材、成長の早い小径材を積極的に活用し、森林活性やカーボンニュートラル実現に向けた取り組みも行っていますので、環境に配慮した建築プランをご検討中の方もどうぞお気軽にご相談ください。
● 重い・割れやすい・高コスト・ビスが効かないなどの懸念点を解消した「不燃突板複合板」
● 国内初・組み立てた状態で準不燃認定を取得した「リブパネル」
● 国内初・孔を開けた状態で不燃認定を取得した「有孔ボード」
● 0.5mm厚突板による立体感と特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した日本初上陸のプロダクト「突板化粧合板・KDパネル」
内装制限の対象となる建築物へご採用いただける製品を取り揃えておりますので、建物の設計デザインに木目を取り入れたい方はお気軽に弊社までご相談ください。
▶︎おすすめコラム:突板・挽板・無垢材それぞれの違いとは?どれがおすすめ?特性から選び方まで徹底解説
▶︎おすすめコラム:
突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介
まとめ
化粧合板は住宅・非住宅問わず様々な部分に内装仕上げ材として採用されています。
化粧合板を選ぶ際にはデザインに加えて表面コーティングや塗装の種類までじっくり検討しましょう。
恩加島木材では、人の生活環境と地球環境の両方に配慮した高品質な突板化粧板を製造しております。
「思い通りのデザインを実現したい」「環境に配慮した建物にしたい」という方は、レパートリー豊富な恩加島木材の突板製品をご検討ください。