不燃合板とは|サイズ・厚みと価格目安、不燃木材や準不燃・難燃・防炎合板との違いを解説

不燃合板とは|サイズ・厚みと価格目安、不燃木材や準不燃・難燃・防炎合板との違いを解説

店舗などの公共施設を設計する際に重要となるのが、建築材料の不燃性能です。

内装制限などの防火規定に適合するためには、不燃合板などの材料を採用する必要があります。

そこで今回は「不燃合板」について、概略や種類、サイズ・厚み、価格目安から、主な用途・施工部位まで、“木材のプロ”が詳しく解説します。

不燃木材や準不燃・難燃・防炎合板との違いや、内装仕上げ材として施工できる高品質の不燃合板も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

このコラムのポイント
●不燃合板は、設計デザインにおいて、建築基準法や消防法、その他自治体の条例のルールに適合するために欠かせない建築材料です。

●不燃合板は、不燃木材や準不燃・難燃・防炎合板と異なる特徴や性能を持ちます。

●不燃合板は、メーカーによってサイズや厚み、見た目のレパートリーが違うため、材料選定の際には様々なポイントをチェックしましょう。

●恩加島木材は、高品質・レパートリー豊富で環境にも配慮した「突板不燃化粧板・突板不燃複合板」を製造販売しております。


不燃合板とは

不燃合板とは
PANESSE・不燃ボード

不燃合板とは、木質合板(主に構造用針葉樹合板)に不燃薬剤を含浸させたパネル材で、防火材料のとして認定を受けるものを指します。

※合板(ごうはん):プライウッドとも呼ばれ、厚さ1〜3mm程度の薄い木(ベニヤ)を積層した木質パネル材

防火材料とは、火災時に一定時間「燃焼しない」「有害な変形・溶融・亀裂・損傷が生じない」「有害なガスが発生しない」建築材料を指し、告示に明記されているものもしくは国土交通大臣より個別認定を受けているものが該当し、20分間3つの状態を維持できるものが「不燃材料」です。

不燃合板に用いられる不燃薬剤は、硫酸アンモニウム系・リン酸系・ホウ酸系が用いられ、人体・環境への安全性が高く、ホルムアルデヒドを含んでいないため、内装材に用いてもシックハウス症候群の心配はありません。

種類・主な用途

不燃合板は、主に下地(構造)用と仕上げ(化粧)用に分かれ、それぞれ用途や施工部位が異なります。

種類特徴・用途・施工部位
下地(構造)用不燃合板・主に、建築基準法や消防法の規定を受ける壁や屋根(天井)などの下地材として施工される(耐火建築物や準耐火建築物の主要構造部、防火地域内にある屋外の看板・広告塔・装飾等など、特殊建築物※の内装下地材、延焼のおそれのある部分の外装仕上げ材)

・別途、上から石膏ボードや仕上げ(クロス・塗装・パネル貼りなど)の施工が必要

・価格は安価だが、別で仕上げ工事の費用がかかる
仕上げ(化粧)用不燃合板・主に、建築基準法や消防法の規定を受ける壁や天井の仕上げ材、パーテーションの材料として施工される(防火地域内にある屋外の看板・広告塔・装飾等など、特殊建築物の内装仕上げ材)

・不燃下地材と仕上げ材が一体になっているため、別途の仕上げ工事は不要

・価格は下地用よりも高価だが、別で仕上げ工事の費用がかからない

※特殊建築物:不特定多数が利用し、火災時や衛生面で周囲に与える影響が多い用途の建物を指し、建築基準法にて「学校・体育館・病院・劇場・観覧場・集会場・展示場・百貨店・市場・ダンスホール・遊技場・公衆浴場・旅館・共同住宅・寄宿舎・下宿・工場・倉庫・自動車車庫・危険物の貯蔵場・と畜場・火葬場・汚物処理場・その他これらに類する用途の建物」が指定されている

一般的なサイズ・厚み

サイズ・厚さ展開はメーカーによって異なりますが、以下のレパートリーが一般的です。

サイズ3×6(約910mm×約1,820mm)
3×8(約910mm×約2,420mm)
3×9(約910mm×約2,730mm)
3×10(約910mm×約3,030mm)
4×6(約1,212mm×約1,820mm)
4×8(約1,212mm×約2,420mm)
4×10(約1,212mm×約3,030mm)
厚さ6mm・9mm・12mm・15mm・18mm・21mm・24mm・30mm

設計プランの納まりに応じて、できるだけ材料ロスの発生を抑えられて現場加工が少ない不燃合板を選ぶ点も、重要なポイントになります。

価格目安

不燃合板の価格は、サイズ・厚さや下地用・仕上げ(化粧)用の違いによって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

種類価格目安
下地用不燃合板18,000〜25,000円/㎡
仕上げ(化粧)用不燃合板7,500〜12,000円/㎡
※上記価格は目安です。樹種によっても価格は変動しますので、ご注意ください。

▶︎おすすめコラム:建築基準法における“不燃材料”の定義|設計で欠かせないルールと材料選定のコツ


不燃合板のデメリット・注意点

採用事例:札の辻スクエア

防火材料として認定されている不燃合板は、関連法令の規定に対応でき、変形しにくい点がメリットであるものの、材料選定の際に知っておいていただきたいデメリットもあるのでご注意ください。

  • 一般的な不燃合板は重く、現場カットしにくい
  • 下地用不燃合板は、雨に濡れる屋外で使用できない(不燃薬剤が流出する)
  • 仕上げ用不燃合板は、雨に濡れる屋外で使用できない(表面の突板などが劣化する)
  • 仕上げ用不燃合板は、経年変色(日焼け)したり、表面がひび割れたりする(表面保護のウレタン不燃塗装が必要)
  • 仕上げ用不燃合板は、現場塗装できない(現場塗装すると不燃認定が取り消される可能性がある)

これらの他に、不燃合板に代用される石膏ボードやケイ酸カルシウム板などは、性質上もろく、ビスが効きにくい点にも注意が必要です。

非住宅分野においては、不燃合板の施工面積が広い現場も多く、材料の施工性・加工性は工期や工費への影響が大きいため、材料選定の際には注意が必要です。

▶︎おすすめコラム:突板不燃化粧板|特徴やメラミン化粧板・化粧ケイカル板との違いを解説


その他材料との違い

採用事例:ザ・ファインタワー大手前

不燃合板と似た用途で用いられる材料として、以下が挙げられます。

  • 不燃木材
  • 準不燃合板・難燃合板
  • 防炎合板

これらは、どれも火災の影響を抑えられる建築材料ですが、詳細や法令上の取り扱いが異なりますのでご注意ください。

不燃木材との違い

不燃木材とは、木材に不燃薬剤を含浸させた建築材料で、無垢材と同様の施工が可能です。

不燃木材にも国土交通大臣により「不燃材料」として認定されているものもあり、防火規定を受ける場所にも採用できます。

ただし、不燃合板とは以下の点が異なります。

  • 不燃合板よりもさらに重い
  • 不燃合板よりもサイズ・厚みのレパートリーが少ない(無垢材を加工するため、薄くすると形状・強度を維持できない)
  • 不燃合板よりも価格が高い(20,000〜30,000円/㎡が相場)
  • 不燃合板よりも、湿度・温度変化による変形が起こりやすい

また、不燃木材の中でも無塗装のものは、経年とともに表面に不燃薬剤がしみ出て、結晶化する「白華現象」が起こるため、原則として工場での不燃塗装が必須です。

準不燃合板・難燃合板との違い

準不燃合板・難燃合板は、どちらも防火材料として認定される建築材料です。

ただし、不燃合板とは火熱への抵抗力が異なります。

防火材料の種類性能
不燃材料加熱開始後20分間は3つの性能※を維持できる
準不燃材料加熱開始後10分間は3つの性能※を維持できる
難燃材料加熱開始後5分間は3つの性能※を維持できる
※3つの性能:建築基準法で定める「燃焼しない」「有害な変形・溶融・亀裂・損傷が生じない」「有害なガスが発生しない」性能

そのため、準不燃合板・難燃合板は、不燃合板よりも採用(施工)できる範囲が限定されるのでご注意ください。

例えば、内装制限※においては、建物の規模(階数や延床面積)や特殊建築物の用途、防火区画の面積によって、不燃・準不燃・難燃のいずれを使用すべきか異なります。

※内装制限:内装材が燃焼して建物利用者の避難を妨げることを防ぐための建築基準法と消防法で定めるルールで、適用対象の建物においては、居室と通路の天井・壁に防火材料の使用が義務付けられる

▶︎おすすめコラム:内装制限の範囲はどこまで?対象となる部分・ならない部分を徹底解説

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防炎合板との違い

不燃・着火しにくく、一定時間は燃焼しない性能を指す
・国土交通省(建築基準法に基づく)が管轄
防炎・燃えにくく、自己消火性がある
・総務省消防庁および日本防炎協会(消防法に基づく)が管轄

不燃合板は薬剤を染み込ませるのに対して、防炎合板は接着剤や含浸薬剤に防炎剤を使用します。

施工する場所も不燃合板と防炎合板では異なり、防炎合板は主に以下の用途に用いられるのが一般的です。

  • 高層建築物や地下街、不特定多数の人が利用する建物に使用されるパーテーションなど
  • 政令で指定された建築物・工作物に係る工事用養生パネル


不燃合板に関する「よくあるご質問」

不燃合板に関する「よくあるご質問」
採用事例:某企業様オフィス移転工事

ここでは、不燃合板について多くのお客様からいただくご質問を紹介します。

Q.不燃合板は、ホームセンターで売られているものとメーカー品では性質に違いがある?

ホームセンター販売品・必要になったら、すぐに入手(購入)できる
・数量が多くなると、現場への運搬が大変
・サイズや厚みの種類や、塗装オプションが少ない
メーカー品・発注から一定の納期がかかる
・数量が多くても、現場への運搬を任せられる
・サイズや厚みの種類、塗装オプションが豊富

これらの点から、あらかじめ発注量が決まっている場合や、設計プランに応じて仕上げ用として見た目や表面保護の種類を選びたい場合は、ホームセンターで売られているものよりもメーカー品の不燃合板をおすすめします。

Q.仕上げ用不燃合板は、樹種(木目)を選べる?

A.仕上げ用不燃合板の樹種(木目)はメーカーによって異なり、天然木の見た目・質感を生かした内装デザインに仕上げたい方には「突板貼り」の不燃合板がおすすめです。

突板(つきいた)とは、天然木を0.2〜0.5mmの薄いシート状にスライスした素材で、合板やMDFなどの基材(きざい)表面に貼り合わせることにより意匠材として使用でき、天井・壁の仕上げ材や家具・建具の面材として多くの事例で採用されています。

表面材と基材

突板には様々な樹種があり、貼り方によっても雰囲気が変わるため、仕上げ用不燃合板をお探しの方は、デザインのレパートリーが豊富な製品をお選びください。

ポイント
恩加島木材は、国内外から取り寄せた樹種を常時40種以上取り揃え、木目の種類・突板の貼り方(並べ方)・着色塗装の組み合わせにより、多様なデザインを実現できます。

同じ見た目で基材を不燃合板・通常の合板と使い分けられるため、空間のトータルコーディネートを叶えたい方は、ぜひ弊社製品の採用をご検討ください。


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短納期・低価格・変形が少ない不燃合板を用いた「恩加島木材」の突板不燃ボード

不燃性・意匠性・耐摩耗性に優れた恩加島木材「突板貼り化粧板シリーズ」

恩加島木材は、天然木の風合いを残した高品質な「突板化粧板」を製造する建材メーカーです。

弊社の不燃ボード(天然木練付不燃化粧板・天然木練付不燃複合板)は、美しい木目を表現できる仕上げ材として、主に非住宅の建物にご採用いただいております。

天然木練付不燃化粧板不燃材の表面に天然木突板0.2mmを貼り合わせた化粧板です。
国土交通省からの個別認定を取得済みの不燃材料として、飲食店や商業施設、官公庁など内装制限のある施設でもご利用いただけます。
■不燃認定番号 NM-1272/NM-1368
天然木練付不燃複合板弊社独自の加工技術で作り上げた不燃複合板です。
裏面に特殊合板を積層しているため、高強度を実現しています。
国土交通省からの個別認定を取得済みの不燃材で、体育館や武道場などの仕様におすすめです。
■不燃認定番号 NM-5420

それぞれ、オプションとして、「クリア塗装・着色塗装・抗ウィルス仕上げ」や、「木口貼り・木口塗装・うづくり加工・面取り加工」のご注文も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

恩加島木材が自信を持って提供する突板化粧板シリーズの強みは以下の通りです。

  • 無垢材と同様の「ナチュラルな見た目と質感」
  • 工業製品ならではの「高い品質と寸法安定性」※無垢材と比較した場合
  • 軽量化による「施工効率性アップ」※無垢材と比較した場合
  • 「変形リスクの抑制」※無垢材と比較した場合
  • 「安価かつ安定した材料の提供」※無垢材と比較した場合
  • 「同じ品質・見た目の大量材料を提供」※無垢材と比較した場合
  • UV塗装・抗ウイルス塗装などを含む表面塗装仕上げの「自社施工による品質確保」
  • 合板・MDFや不燃パネル、シート材、有効ボード、リブパネルなど、同じ突板を用いた「豊富な製品レパートリー」

さらに弊社では、国産材や地域材、間伐材、成長の早い小径材を積極的に活用し、「人工突板」の開発・製造にも努めるなど、森林活性やカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを行っています。

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恩加島木材工業の突板化粧板シリーズ
● 0.5mm厚突板による立体感と特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した日本初上陸のプロダクト「KDパネル:突板化粧合板

● 豊富な樹種・木目とUV塗装も選べる「PANESSE(パネッセ):非不燃・不燃天然木練付突板化粧板

● 重い・割れやすい・高コスト・ビスが効かないなどの懸念点を解消した「不燃突板複合板

● 国内初・組み立てた状態で準不燃認定を取得した「リブパネル

● 国内初・孔を開けた状態で不燃認定を取得した「有孔ボード

上記製品に併せて、下地用不燃合板として人気の高い「不燃ダイライト複合板・壁下保(かべしたたもつ)くん」も販売しております。

【「不燃ダイライト複合板・壁下保くん」の特長】

DAIKEN・壁下保くん
  • 軽量で不燃性が高い「ダイライト※」と環境負荷を軽減できる国産材を使用した合板を併せた不燃下地材
  • 従来品よりも不燃下地材の軽量化が可能
  • 従来品よりも現場カットしやすい
  • 異種素材の複合技により、変形(反り・寸歩狂い)のリスク抑制

※ダイライト:DAIKEN株式会社が製造する構造用面材で、火山性ガラス質材料・鉱物繊維を主原料とし、軽量かつ高い強度・防耐火性・透湿性に優れ、地震にも火事にも強い下地材


まとめ

不燃合板は、設計デザインにおいて、建築基準法や消防法、その他自治体の条例のルールに適合するために欠かせない建築材料です。

不燃木材や準不燃・難燃・防炎合板とは違う特徴や性能を持ち、メーカーによってサイズや厚み、見た目のレパートリーが異なるため、材料選定の際には様々なポイントをチェックしましょう。

恩加島木材は、高品質&レパートリー豊富で、環境に配慮した「突板化粧板」を製造販売しております。

「思い通りのデザインを実現したい」という方は、恩加島木材の突板製品をご採用ください。