ホテルの内装デザイン|おしゃれな事例で見る設計のコツと材料選びの注意点

ホテルの内装デザイン|おしゃれな事例で見る設計のコツと材料選びの注意点

ホテルの集客を安定的に得るためには、こだわりの内装デザインが欠かせません。

ただし、ホテルの内装はデザイン性だけではなく法令による制限やメンテナンス性などを踏まえた仕上げ材選びが必要です。

そこで今回は、ホテルを内装デザインする際のポイントと材料選びにおける注意点を紹介します。

トレンドのデザイン手法や1947年創業の恩加島木材がおすすめする内装材も紹介しますので、ぜひ最後までごらんください。

このコラムのポイント
● ホテルの内装デザインは、ブランドイメージや集客に直結するため、ポイントを押さえて進める必要があります。

● ホテルの内装デザインは、意匠的な観点だけではなく、法規や施工効率、地球環境などに配慮する点も重要なポイントです。

● 木目を取り入れた内装デザインをご検討中の方は、1947年創業「恩加島木材」の不燃突板化粧板をご採用ください。


【おしゃれな事例で見る】ホテルを内装デザインする際のコツ

ホテルはただ単に来客者が宿泊するだけの場所ではなく、非日常的な空間を満喫する空間でもあります。

そのため、ホテルの内装デザインを検討する際には設計のコツを押さえましょう。

デザインコンセプトを明確にする

おしゃれな事例で見るホテルを内装デザインする際のコツ
KDパネル(オーク K6187SS)

まず重要となるのが、空間デザインのコンセプトです。

トレンドを押さえることも重要ですが、カラーやデザインのコンセプトが明確でないと“おしゃれ”な空間には仕上がりません。

確実に集客を得るためには、ターゲット顧客層のペルソナに合わせたカラートーンやインテリアのスタイルを選ぶ必要があります。

統一感にこだわる

ホテルを内装デザインする際のコツ
KDパネル(オーク K6187AS)

コンセプトに沿って内装デザインを進める上で重要となるのが、“統一感”です。

写真のように壁や家具などに同じ木目を採用する場合は、同じ素材で揃えると洗練した印象に仕上がります。

逆に、同じ樹種でも素材やテクスチャーが違うとデザインが上手くまとまらず、どこか生活感のある雰囲気になるので注意しましょう。

生活感を取り去る

ホテルを内装デザインする際のコツ
KDパネル(カーリーメイプル K6101PU)

ホテルは日常とは違う空間を楽しむ目的で利用されることも多いため、生活感をどれだけ出さないかがポイントになります。

おしゃれなデザインに加えて、家電などを出来るだけ見せず無駄な隙間のない造作収納を採用する事例は少なくありません。

部屋を使ううちにキズや汚れがつくと、それだけで生活感が出てしまうので高耐久な材料を選ぶことも重要です。

高級感を演出する

KDパネル(ゼブラ K6156CN)

ホテルのグレードにもよりますが、ラグジュアリーホテルやハイエンドクラスの顧客をターゲットとするホテルは、高級感が内装デザインの“核”と言えます。

そこで近年人気の内装が、板張りの壁や天井です。

クロスや塗装と比べて、内装デザインに高級感や重厚感をプラスできます。

▶︎おすすめコラム:新築やリノベーションで“板張り”の内装が流行中。天井・壁に取り入れるメリットやおすすめ商品を紹介

板張りの壁・天井がトレンド

板張りのデメリットと解決策

最近はシンプルモダンな内装デザインが人気ですが、そこに板張りの天井や壁を組み合わせる事例が増えています。

板張りの天井や壁にはデザイン面や施工面などにおいていくつもメリットがあります。

  • 自然素材の持つ温かみやナチュラルな風合いをデザインにプラスできる
  • 高級感をプラスできる
  • 天然木本来の調湿効果がある
  • 表面塗装された材料は汚れを落としやすい
  • クロスや塗装とは異なり、施工中の乾燥期間が不要
  • クロスや塗装より耐用年数が長くメンテナンスも楽
  • 部分的に取り入れるとデザイン的なアクセントになる

これらの点から、板張りの天井や壁は、ホテルのみならずその他非住宅建築物・住宅と用途を問わず、多くの事例に採用されています。

▶︎おすすめコラム:木目を活かす木材の表面仕上げとは?塗装や加工の種類を紹介

ホテルの内装デザインにおける材料選びの注意点

KDパネル(ホワイトアッシュ K6178SU)

ホテルの内装デザインを検討する際は、材料選定において注意していただきたい点がいくつかあります。

内装制限をクリアできる材料を選ぶ

ホテルの共用部及び客室は、「内装制限」の対象となるので注意しましょう。

内装制限とは建築基準法第35条の2「特殊建築物等の内装」に基づいたルールです。

不特定多数が利用する建築物において、火災時に内装材が燃えて避難経路を妨げたり、延焼して有毒ガスが発生したりするのを防ぐために、天井と壁に使用できる建材が制限されます。

建物の用途や規模(階数・床面積)によって制限のレベルは異なりますが、対象となる場合は天井・壁に防火材料(不燃・準不燃・難燃材料)を採用しなくてはいけません。

そのため、ホテルの内装デザインを検討する際には、必ず細かい規定を確認して材料選定する必要があります。

▶︎おすすめコラム:建築基準法で定められた“内装制限”とは? 概略や緩和から「木」を取り入れる方法まで詳しく解説

▶︎おすすめコラム:内装制限の範囲はどこまで?対象となる部分・ならない部分を徹底解説

工事・材料にかかる費用を考慮する

ホテルはその規模が大きくなるほど客室数が増えて工事や材料にかかる費用が予算計画に大きく影響を及ぼします。

ホテルの内装費用はデザインによって異なりますが、ハイグレードのホテルでは工事費と材料費を合わせて「100〜200万円/坪」かかるケースも珍しくありません。

そのため、できるだけ施工効率の高い材料を選ぶ必要があります。

例えば、壁を板張りにする場合、内装制限をクリアするために不燃木材を採用する事例もありますが、一枚ずつ固定する必要があり、一日に施工できる面積は限られます。

それに対して、大判の不燃突板化粧板は不燃木材の数倍もの効率で施工すること可能です。

表面耐久性の高い材料を選ぶ

壁や家具・内装建具の表面材には、耐久性の高い材料を選びましょう。

内装仕上げ材にはクロス・塗装・無垢材・化粧板などいくつかの選択肢がありますが、それぞれ特徴は異なります。

仕上げ材の種類特徴
クロス・鋭利なものがぶつかるとキズがつく
・表面コーティングされているものは耐摩耗性や耐汚性が高いが、デザインレパートリーが限られてクロスの継ぎ目が目立ちやすい
・耐用年数が短いため、定期的な張り替えが必要(2〜5年周期)
・コストが安い
塗装・鋭利なものがぶつかるとキズがつく
・塗料の種類によっては一定の耐汚性はあるが、耐摩耗性は低くすりキズはつきやすい
・耐用年数が短いため、定期的な再塗装が必要(2〜5年周期)
・コストが安い
無垢材・鋭利なものがぶつかるとキズがつく
・表面に保護塗装してあるものは耐摩耗性や耐汚性が高いが、一度塗装すると定期的な塗り替えが必要(5〜10年周期)
・他の仕上げ材よりも分厚いため、納まりに工夫が必要
・コストが高い
化粧板・鋭利なものがぶつかるとキズがつく
・塗膜の分厚いUV塗装品は、耐汚性・耐摩耗性が非常に高く、こまめな再塗装は不要
・厚さのレパートリーがあるため、様々な納まりに対応できて採用しやすい
・壁や天井とドア、家具などを同じ素材で統一できる
・クロスや塗装よりも耐用年数が長いため(10〜15年)
・クロスや塗装よりもコストは高いが、無垢材よりはリーズナブル(耐用年数に対するコストパフォーマンスが良い)


▶︎おすすめコラム:壁に使われる内装材の種類|クロス・塗装・タイル・化粧パネルのメリットとデメリットを解説

▶︎おすすめコラム:トレンドの“木目天井”。板材・クロス・シートの特徴やメリット・デメリットについて

品質にムラのない材料を選ぶ

ホテルはいくつもの客室を同じ品質で仕上げる必要があるため、内装仕上げ材にも品質安定性が求められます。

天然木や天然石などの天然素材を取り入れるケースもありますが、同じ見た目・品質の材料を多量に入手するためには費用と期間が必要になるケースがあるので注意しましょう。

例えば、希少で美しい仕上げ用木材を仕入れる場合、価格や品質が安定しない点が危惧されますが、突板化粧板※は同じ品質の材料を広い面積分入手できます。

※突板化粧板:天然木を薄いシート状にスライスした突板を合板などに接着した仕上げ用パネル材

SDGsや環境配慮性を意識する

最近、ホテルを含む公共的な建築物の設計デザインに求められるのが「環境配慮性」です。

サステナブルな建物はその存在価値を高め、集客につながるケースも増えています。

環境に配慮した内装デザインとして、以下の方法が挙げられます。

  • 自然エネルギー(太陽光・水力・風力)を活用する
  • 製造時の二酸化排出量やエネルギー消費量の少ない内装建材を採用する
  • 木材や木質建材を積極的に採用する(森林の活性化につながる)
  • 国産木材を積極的に採用する
ポイント
恩加島木材は、内装の木質化に適した高品質な突板化粧板を製造し、国産材・地域材や間伐材・小径材の活用、製造時の自然エネルギー利用などを通じて、環境負荷を軽減する取り組みを実施しています。



恩加島木材の高品質な「天然木練付化粧板」

浮造仕上げのデメリット

恩加島木材は、国内外から良質でレパートリー豊富な突板を仕入れ、高品質な突板化粧板(天然木練付化粧板を製造する建材メーカーです。

突板化粧板とは、天然木を0.2〜0.3mmほどの薄いシート状にスライスした突板(つきいた)を表面材とし、それを基材(きざい)に接着したパネル材です。

壁・天井の仕上げ材や家具・建具の表面材など、幅広い部位に採用されます。

恩加島木材が自信を持って提供する「突板化粧板の強み」は以下の点です。

  • 無垢材と同様の「ナチュラルな見た目と質感」に仕上がる
  • 工業製品なので「品質安定性が高い」
  • 軽量化を実現でき、「施工効率性アップ」につながる
  • 無垢材よりも温度や湿度環境変化による「変形リスクが少ない」
  • 希少性があり高価な樹種でも、「無垢材より安価」で安定して材料を入手しやすい
  • 原木1本から取れる突板面積は無垢板材よりも広いため、「同じ風合いを大量入手しやすい」
  • 特殊塗装によって「表面の耐摩耗性・耐汚性」が高く、日焼けによる変色も抑えられる
  • 「不燃・難燃材料認定取得済み」製品もあり、内装制限のある建築物にも採用可能で、対象部分と対象外部分の仕上げを揃えられる

さらに弊社では、国産材や地域材、間伐材、成長の早い小径材を積極的に活用し、森林活性やカーボンニュートラル実現に向けた取り組みも行っています。

恩加島木材工業の突板化粧板シリーズ
● 豊富な樹種・木目とUV塗装も選べる「天然木練付突板化粧板(非不燃・不燃)
● 重い・割れやすい・高コスト・ビスが効かないなどの懸念点を解消した「不燃突板複合板
● 国内初・組み立てた状態で準不燃認定を取得した「リブパネル
● 国内初・孔を開けた状態で不燃認定を取得した「有孔ボード
● 0.5mm厚突板による立体感と特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した日本初上陸のプロダクト「突板化粧合板・KDパネル

内装制限の対象となる建築物へご採用いただける製品を取り揃えておりますので、建物の設計デザインに木目を取り入れたい方はお気軽に弊社までご相談ください。


▶︎おすすめコラム:突板・挽板・無垢材それぞれの違いとは?どれがおすすめ?特性から選び方まで徹底解説

▶︎おすすめコラム:突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介


まとめ

ホテルの内装デザインは、ブランドイメージや集客に直結するため、ポイントを押さえて進める必要があります。

また、意匠的な観点だけではなく、法規や施工効率、地球環境などに配慮する点も重要なポイントです。

木目を取り入れた内装デザインをご検討中の方は、不燃認定を受けた恩加島木材の突板化粧板をおすすめします。

天井・壁の仕上げ材に加えて、建具や造作家具の面材としても多くの現場にご採用いただけますので、ぜひ製品案内ページをご覧ください。

恩加島木材では、人の生活環境と地球環境の両方に配慮した高品質な突板化粧板を製造しております。

「思い通りのデザインを実現したい」「環境に配慮した建物にしたい」という方は、レパートリー豊富な恩加島木材の突板製品をご検討ください。