森林破壊・減少6つの原因をわかりやすく解説|グラフで見る世界・日本の現状と対策

森林破壊・減少の原因をグラフでわかりやすく解説|世界・日本の現状と対策

近年、地球全体では森林の破壊・減少が進行しており、さまざまな環境問題をもたらしています。

一方、日本では森林にかかわる別の問題が起こっているのが実状です。

そこで今回は、森林破壊・減少について、世界でもたらされている問題と主な原因、森林面積推移を、1947年創業の「恩加島木材」がグラフを交えて解説します。

日本の森林が抱える問題とその対策、国産材を使用した木質内装建材も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

このコラムのポイント
●世界では、未だに様々な要因により森林の破壊・減少が続いている地域がある一方で、アジア・ヨーロッパなど一部の地域では、徐々に森林面積が増加し始めています。

●日本においては、1960年代から森林面積がほご横ばいであるものの、多くの木が伐採されず放置されており、CO2吸収効果が低下しています。

●日本の森林循環を活性化するためには、主に建築分野で国産材・地産(地域)材を活用することが重要です。

●恩加島木材は、高品質かつレパートリーが豊富で、さらに環境にも配慮した「突板化粧板」を製造販売しており、国産材・地産(地域)材もお選びいただけます。


森林の役割と破壊・減少がもたらす問題

森林破壊・減少が引き起こす問題

今、世界の至る所で、人間のさまざまな活動によって森林の破壊・減少が進行しています。

森林は本来、以下のような多面的な機能をもち、自然環境だけではなく人間の生活もその恩恵を受けてきましたが、それが失われつつあるのです。

①生物多様性保全遺伝子保全、生物種保全(植物種・動物種・菌類)、生態系保全(河川・沿岸含む)
②地球環境保全地球温暖化の緩和(二酸化炭素吸収・化石燃料代替エネルギーの産出)、地球気候システムの安定化
③土砂災害防止機能・土壌保全機能表面侵食防止、表層崩壊防止、その他の土砂災害防止(落石・土石流・飛砂)、土砂流出防止、土壌保全(森林の生産力維持)、その他の自然災害防止機能(雪崩防止、防風、防雪、防潮)
④水源涵養(かんよう)機能洪水緩和、水資源貯留、水量調節、水質浄化
⑤快適環境形成機能気候緩和(夏の気温低下・冬の気温上昇)、木陰形成、大気浄化、塵埃吸着、汚染物質吸収、騒音防止
⑥保健・レクリエーション機能療養・リハビリテーション、保養・休養・休息・リフレッシュ、散策、森林浴、レクリエーション(行楽・スポーツ・つりなど)
⑦文化機能景観(ランドスケープ)、風致、学習・教育、生産・労働体験の場、自然認識・自然とのふれあいの場、芸術、宗教・祭礼、伝統文化、地域の多様性維持(風土形成)
⑧物質生産機能木材(燃料材・建築材・木製品原料・パルプ原料)、食糧、肥料・飼料、薬品その他の工業原料、緑化材料、観賞用植物、工芸材料
(参考:林野庁|森林の有する多面的機能について

※森林の役割についてさらに詳しく知りたい方は「「森林の多面的機能」とは|公共的機能との違い、評価項目、交付金について解説」を併せてご覧ください。

特に、近代における森林破壊では、①生物多様性保全と②地球環境保全における機能低下が問題視されていますが、経済的な影響も無視できません。

  • 木の植林・成長スピードを上回る伐採によって、森林全体のCO2吸収量が減少する
  • 森林の木が伐採された後にその土地が他の用途で利用されることによって、CO2などの温室効果ガス排出量が増加する
  • これまで植林・伐採・木材加工を行ってきた林業・製材業の衰退につながる(=その土地の経済低迷)
  • 木材の乱伐によって木材価格の変動が起こる(違法性のあるものは安価で法令を遵守したものが高くなる可能性がある)

つまり、森林破壊は長いスパンで見ると、私たちの生活を脅かしかねない問題であるということです。

▶︎おすすめコラム:【わかりやすく解説】森林の役割・働きとは|放置林・森林の高齢化との関連性も

世界における森林破壊・減少の主な原因

世界における森林破壊・減少の主な原因

世界の森林が破壊され、その面積が減少している主な原因は6つあります。

土地の転用に伴う伐採

東南アジアやアフリカ、アマゾンの新興国では、人口増加が続いており、森林を農地・プランテーションや住宅地に転用する動きが盛んです。

例えば、東南アジアではアブラヤシのプランテーション開発が広範囲で進められており、アマゾンではサトウキビ農園や牧場などへ転用する事例が後を断ちません。

(参考:環境省|国際的な森林保全対策

しかし、これらはその地域に住む人にとっては生活に直結する重要なものであり、他の国がそれを止めることは困難です。

違法伐採

違法伐採とは、その国・地域の法令を守らず無許可かつ無計画に森林を伐採する行為を指し、未来に向けた植林が行われなかったり、安価で低品質な木材が流通するなどの問題を引き起こしています。

違法伐採に該当する例は以下のとおりです。

  • 国や地域が許可する面積・量・区域を超える伐採行為
  • 国立公園や動植物保護区などで行われる伐採行為
  • 国や地域が定める指定樹種・径級、伐採方法等を守らない伐採行為と木材取引
  • 森林の所有権・伐採権を持たない者が行う伐採行為(盗伐)と木材取引
  • 正式な許可を得ない(許可証を偽造した)伐採行為と木材取引
  • 先住民族や森林所有者、近隣住民の権利を侵害する伐採行為
  • 違法伐採と知りながら木材取引に応じる行為

世界に流通する違法伐採にかかわる木材・木材製品の貿易規模は、総額63億ドル以上に達すると試算されており、インドネシア産木材では約50%、ロシア産木材では約20%が違法伐採に該当すると言われています。

(参考:環境省|国際的な森林保全対策

違法伐採が横行すると、以下の問題につながります。

  • 森林の減少と劣化による生物多様性の喪失・地球温暖化の進行(植林・木の成長が追いつかないほど急速な伐採)
  • 適切な管理・経営が行われている合法伐採への悪影響(違法伐採と比べてコストが高くなり、正当に選ばれず、市場価値を下げる)
  • 正当な営業をしている林業者や周辺住民の暮らし・文化への悪影響

これらの問題を背景に、日本では2000(平成12)年に「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」が制定され、企業に合法性・持続可能性のある商品購入を促し、違法伐採材の国内流通に歯止めをかける取り組みを実施しています。

(参考:環境省|グリーン購入法における違法伐採対策についての 各団体・企業等の取組等紹介サイト

▶︎おすすめコラム:【森林を守るためにできること】国・企業の取り組みと関連法令について

焼畑農業の増加

焼畑農業とは、主に東南アジア・南米・アフリカなどで古くから行われてきた技法で、土地の草木を焼き払いその灰を肥料として農作物を育てます。

昔は個人単位で小規模による焼畑農業が繰り返され、森林の再生に合わせて農地を移動するサイクルが成立していましたが、近年は農業が商業化したこともあり、広範囲かつ短期間で実施され、森林減少につながっています。

世界では年間で、森林総面積の約10%、耕地総面積の約25%に相当する面積で焼畑農業が行われて、森林減少と土地の劣化につながることが分かっていますが、主にアマゾン地帯では伝統的な循環型農法として継続されているのが実状です。

燃料用木材の過剰な採取

先進国では太陽光・風力など自然エネルギーや原子力発電の活用が当たり前になっていますが、新興国の郊外や発展途上国では未だに薪や炭が貴重な燃料です。

薪や炭を燃料として利用している地域は、先進国よりも人口増加が進んでおり、生活規模の拡大に伴い燃料確保のために森林伐採が続けられています。

アフリカでは、木材需要の約90%が燃料使用であると言われているほどです。

森林火災

北米・南米やオーストラリアでは、近年、大規模な森林火災が多発していて、大気汚染や森林生態系・周辺住民への影響、気候変動、地球温暖化への影響が問題視されています。

主な原因は以下の通りです。

  • 気温上昇や極度の乾燥(雨不足)
  • 落雷などの自然現象
  • 野焼き・焚き火の火やタバコ・花火などの不始末
  • 焼畑農業の延焼
  • 急激な人口増加等による火災の頻発化

2024〜2025年で焼失した森林総面積は370万㎢(日本国土の約1/10)というデータもあり、世界ではそれにより1億人以上の人々に影響を及ぼしたとされています。

主に先進国における木材自給率の低さ(他国への依存)

建築資材や製紙パルプ、その他木製品の原料として多くの木材を消費する先進国の中には、木材自給率が100%に達していない国もあり、供給を新興国や発展途上国に依存しています。

木材自給率
アメリカ約86%(2023年時点)
中国約69%(2023年時点)
日本42.5%(2024年時点)

その他の国の木材自給率はEU(欧州連合)で平均100〜130%程度、ロシアは180%を超えていますが、世界全体で見ると100%を超えていない国が大半です。

木材を違法伐採が横行する国から木材を購入する事例は未だに多く、それが森林破壊につながっていると言われています。

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世界の森林面積推移

世界と日本の森林面積推移

世界では、いくつかの要因によって森林破壊が進行しており、減少傾向は鈍化しているものの、未だに年間1,090万ヘクタール(日本国土の約30%)もの森林が失われ、増加分を勘案してもマイナスです。

森林の増減面積
(引用:林野庁|森林・林業分野の国際的取組|「世界森林資源評価2025」主な調査結果(仮訳)

しかし、地域別に見ると、アジア・ヨーロッパでは1990年から2025年にかけて森林⾯積が増加しており、北・中⽶でもわずかにプラスとなり、最新の調査では世界の森林総⾯積は41億4000万ヘクタール(陸地⾯積の約32%)を占めます。

地域別の森林⾯積の推移
(引用:林野庁|森林・林業分野の国際的取組|「世界森林資源評価2025」主な調査結果(仮訳)

このように、主に先進国の取り組みによって、地球の森林は少しずつ増えていますが、未だにアフリカ・南米では多くの木が消失しているのが現状で、対策は十分とは言えません。

実際に、人為的に排出されるCO2量はガス別排出量の75%を占め、森林破壊によるものは全体の11%にも上ります。

温室効果ガス総排出量に占めるガス別排出量
(引用:全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)|1-03 温室効果ガス総排出量に占めるガス別排出量

森林の破壊・減少は、木が光合成の過程で放出するO2(酸素)が減るだけではなく、化石燃料の燃焼によって発生するCO2の吸収量も減少し、地球温暖化に影響すると言わざるをえません。

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日本でも「森林破壊・減少」は進んでいるのか|問題点・課題と対策

日本でも「森林破壊・減少」は進んでいるのか

世界で森林減少が進む中、日本の森林面積は1960年代から現代に至るまで国土面積の約67%(約2,500万ヘクタール)を維持しており、ほとんど減少していません。

日本の森林面積推移
(引用:林野庁|「森林資源の現況」について|別添2 森林面積・蓄積の推移

しかし、日本の森林には破壊や面積減少とは別の問題点や課題が山積しています。

問題点・課題

日本の木材自給率は42.5%と半分以上を輸入材に依存しており、年々森林蓄積量※は増加しています。

※森林蓄積量:森林に立つ樹木(幹)の体積総量で、資源量の指標となる

人工林、天然林別の森林蓄積の状況

(引用:林野庁|「森林資源の現況」について|別添2 森林面積・蓄積の推移

森林蓄積量の増加は、資源を活用しきれていないことを意味し、森林の樹木は高齢化が顕著です。

本来、木の伐採に適した時期(標準伐期齢)は決まっており、以下のタイミングで伐採することで、成長量が最大となり木材としての利用価値が高まるとされています。

樹種標準伐期齢(齢級※)
スギ35〜50年(7〜10齢級)
カラマツ30〜40年(6〜8齢級)
ヒノキ45〜60年(9〜12齢級)

※齢級(れいきゅう):木の年齢を5年単位でまとめたもので、人工林の場合は苗木を植栽した年を1年生とし、1~5年生は1齢級、6~10年生は2齢級と表記する

しかし、日本では森林のうち、林業目的の人工林において、標準伐期齢にあたる7〜14齢級の木が多く、たくさんの木が伐採されず放置されているのが現実です。

人工林、天然林合計の齢級構成
(引用:林野庁|「森林資源の現況」について|別添3 齢級構成

最新の調査では、人工林総面積1,029万ヘクタールに対して、立木伐採面積は8.7万ヘクタールと、たった0.8%程度しかありません。

(参考:林野庁|森林・林業統計要覧2022

森林の木が高齢化すると、成長スピードが遅くなりCO2吸収力が落ち、さらに光合成が活発な苗木を植えられません。

つまり、森林の循環が鈍化するほど、温暖化対策の役割が低下するということです。

森林高齢化には以下のような原因が関係しているとされています。

  • 林業就業者の高齢化・若者離れによる人材不足
  • 林業の構造的な収益性の低さ(植栽・下刈り・除伐・間伐まではほとんど収益化できない)
  • 放置林(所有者不明林・不在村所有者林)の増加(管理が行き届かない)

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対策

日本政府は、森林の適切な管理を促し、木材自給率を上げるためにさまざまな取り組みをしています。

その中でも最も重要とされているのが「国産材・地産(地域)材の活用促進」で、以下の点が主なメリットです。

  • 輸入材よりも価格高騰のリスクが低い

  • 輸入材よりも運輸における消費エネルギー量・CO2排出量が少ないため、エネルギー価格の影響を受けにくく、環境負荷を抑えられる

  • 輸入材よりも、供給量が安定しており、工期・予算に合わせて資材を入手しやすい

  • 品質の安定性が高い

  • 林業地域の経済発展や地方創生、ひいては、日本経済の活性化につながる

  • 地域とゆかりのある材料を使用すると、地元の利用者から親しまれる建物になる

  • 林業・製材業の発展により、日本の森林保全につながる

そのため、住宅・非住宅と分野を問わず、多くの建築プロジェクトにおいて国産材の利用が進んでいます。

(参考:林野庁|第1部第 IV 章第3節木材利用の動向(2)

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ポイント
恩加島木材工業株式会社は1947年創業以来培った知識・技術・ネットワークを生かし、国内外から良質な突板を仕入れて高品質な化粧板を製造しております。

産地を限定した国産材・地産材の取り扱い事例も豊富にございますので、ぜひ弊社までご相談ください。



国産材を選べる恩加島木材の「突板化粧板」

国産材から作る恩加島木材の「突板化粧板」

恩加島木材は、国内外から多種多様な突板を仕入れ、天然木の風合いを残した高品質な「突板化粧板」を製造している建材メーカーです。

突板化粧板とは、突板と呼ばれる天然木を0.2〜0.3mmの薄いシート状にスライスした素材を合板などに接着したパネル材で、内装仕上げや家具・建具の材料として使用されています。

表面材と基材

恩加島木材が自信を持って提供する「突板化粧板の強み」は以下の点です。

  • 無垢材と同様の「ナチュラルな見た目と質感に仕上がる」
  • 工業製品なので、無垢材よりも「品質と寸法の安定性が高い」
  • 無垢材よりも軽量化が可能で、「施工効率性アップにつながる」
  • 無垢材よりも温度や湿度の環境変化による「変形リスクが少ない」
  • 希少性があり高価な樹種でも、「無垢材より安価で安定して材料を入手しやすい」
  • 原木1本から取れる突板面積は無垢板材よりも広いため、「同じ風合いを大量入手しやすい」
  • UV塗装などの特殊塗装により「表面の耐摩耗性・耐汚性が高い」
  • 通常の化粧板と同じ突板を用いた「不燃・難燃材料認定取得済み化粧板」もあり、内装制限など防火規定の対象部分と非対象部分の仕上げを揃えられる

▶︎おすすめコラム:突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介

さらに弊社では、国産材や地域材、間伐材、成長の早い小径材を積極的に活用し、「人工突板」の開発・製造にも努めるなど、森林活性やカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを行っています。

恩加島木材工業の突板化粧板シリーズ
● 0.5mm厚突板による立体感と特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した日本初上陸のプロダクト「KDパネル:突板化粧合板

● 豊富な樹種・木目とUV塗装も選べる「PANESSE(パネッセ):非不燃・不燃天然木練付突板化粧板

● 重い・割れやすい・高コスト・ビスが効かないなどの懸念点を解消した「不燃突板複合板

● 国内初・組み立てた状態で準不燃認定を取得した「リブパネル

● 国内初・孔を開けた状態で不燃認定を取得した「有孔ボード



まとめ

世界では、未だにさまざまな要因により森林の破壊・減少が続いている地域があります。

しかし、アジア・ヨーロッパなど一部の地域では、徐々に森林面積が増加し始めているのも実状です。

日本においては、1960年代から森林面積がほぼ横ばいであるものの、多くの木が伐採されず放置されています。

日本における森林のCO2吸収効果を高めるためには、循環が必要で、それを実現させるためには、積極的な国産材・地産(地域)材利用が有効です。

恩加島木材は、高品質&レパートリー豊富で、環境に配慮した「突板化粧板」を製造販売しており国産材・地産材もご指定いただけます。

「思い通りのデザインを実現したい」「地域に根付く建物にしたい」という方は、恩加島木材の突板製品をご採用ください。