ウッドインテリアを取り入れて長く愛される建物に。 メリット・おすすめデザインや人気の樹種を紹介

皆さんは、設計やデザインをする上で、どのようなポイントを重視していますか?どのような素材を取り入れるか検討する方は多いでしょう。タイル、左官材、クロスなど様々な材料がありますが、その中でもやはり人気が高いのが“ウッドインテリア”です。

そこで、今回はウッドインテリアについて、メリットや取り入れる際に知っておくべきポイント、おすすめの樹種などについて詳しく解説します。内装デザインや設計にウッドインテリアを取り入れたい方は、ぜひ皆さん参考にしてください。

このコラムのポイント
・ウッドインテリアには、デザイン面だけではなく機能面や施工面、メンテナンス面など様々なメリットがある。
・木の持つ特性を理解して取り入れないと、後悔してしまうケースもある。
・デザインのテイストによって、様々な樹種から適したものを選ぶ必要がある。




ウッドインテリアが長く愛される理由は?メリットは?

1880年代から「インテリアデザイン」という概念がヨーロッパで生まれてから、それぞれの時代でトレンドは変化し続けています。しかし、いつの時代においても“ウッド(木)”はインテリアにおいて欠かせない素材です。

では、なぜウッドインテリアは長い間、人々から親しまれているのでしょうか?主に考えられる理由としては、下の5点が挙げられます。

  • 木のぬくもりや温かみが感じられる
  • リラックス効果が得られる
  • ナチュラルな色合いは、目への負担を軽減してくれる
  • 柔らかい質感で、滑りにくい
  • 加工がしやすい


まず、天然木の持つ温かみこそ、親しまれ続けている最大の理由と言えるでしょう。また、木特有の香りは、人々にリラックス効果をもたらしてくれます。そして、木目を生かしたクリア塗装の場合には、そのナチュラルな色味は目への負担を軽減すると言われていて、実際に文部科学省の行なった調査によると、下記のようなデータが出ています。

立地条件、規模、構造がほぼ同じである内装木質化した鉄筋コンクリート造小学校(内装木質化校)と内装木質化していない鉄筋コンクリート造小学校(非木質化校)に在籍する子どものス トレス反応(腹痛や頭痛などの身体反応を中心に11項目)について比較した研究がある。その結果を見ると、子どもが訴える割合の高いストレス反応として、「疲れ」(約37%)、「眠気」(約30%)、「やる気」(約24%)が共通しているが、非木質化校の子どもは、「腹痛」、「風邪」、「耳鳴り」、「目の疲れ」、「やる気」、「集中」の各反応で、内装木質化校の子どもよりも高い割合を示した。

引用:文部科学省|木材利用の意義と効果


そして、木材の柔らかく肌に吸い付くような質感は、床材に取り入れれば足への負荷が軽くなりますし、滑りにくいという利点もあります。

金属などその他の素材と比べても、加工がしやすい点も人気の理由です。工場で細かい加工ができるだけではなく、現場で臨機応変に細工することもできます。このように、無機質素材と比べても、木はデザイン面・機能面・施工面でメリットが多いのです。

さらに、近年では、環境的観点からもウッドインテリアは注目されており、世界的な脱炭素化や温室効果ガス削減の取り組みに向けて、今後より一層ウッドインテリアの需要が高まると考えられています。

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ウッドインテリアを取り入れる際に知っておくべきポイント

いくら人気が高いからといって、天然木の持つ特性を理解しないで採用してしまうと、後からクレームになることも否めません。そこで、ここではウッドインテリアを取り入れる際に知っておくべき注意点を紹介します。

  • 無垢材は、木割れや伸縮による不具合が起こりやすい
  • 日焼けなどによる変色など、経年変化が起こりやすい
  • 汚れやキズが付いてしまう


まず、無垢材を使う場合には、室内環境によって変質や変形することを知っておかなくてはいけません。天然木は温度や湿度によって、伸縮を繰り返します。そのため、木材そのものが割れてしまったり、取り合い部分に隙間が空いてしまうこともあります。ただし、表面のみに天然木を用いた「突板」の場合には、これらのリスクが軽減できます。

そして、金属やタイルなどの素材と異なり、木材は経年変化で日焼けや色褪せなどの変色が起こります。ですから、前もってこの点に関しては施主様などにしっかりと説明しておく必要があります。ただし、逆に「時の経過を楽しめる」とウッド素材を選ぶ方も少なくありません。最近では、インダストリアルなデザインが流行していることもあって、敢えてエイジング塗装を施すケースも増えています。

キズや汚れについても、十分理解しておかなくてはいけません。近年、表面に耐摩耗や耐キズ、耐汚れを目的とした塗装が施されている材料も多いですが、使っているうちに大小のキズや汚れがつく可能性が高いでしょう。ただし、他の素材と比べても、部分的な張り替えがしやすく、補修することも可能です。

ウッドインテリアを採用する際には、これらのポイントについてしっかりと理解し、きちんと事前に説明しておくことが欠かせません。

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ウッド素材をどこに取り入れる?

住宅や公共施設、商業施設において、インテリアの様々な部分にウッド素材を取り入れることができます。そこで、ここではそれぞれの箇所ごとに特徴やポイントを紹介します。

天井・壁

最近流行しているのが、天井や壁を板張りにするインテリアデザインです。日本においては、50年ほど前に住宅やホテルなどで多く導入されていましたが、一時期コスト面や施工面の理由でビニルクロスに取って代わられていました。しかし、最近は温故知新のデザインが人気ということで、再注目されています。

床のフローリング材と同じ幅の素材を貼ることで、自然と空間に繋がりを持たせることができます。また、部分的に取り入れれば、視線を集めるフォーカスポイントとなり、デザインのアクセントにもなるでしょう。そして、万が一汚れやキズがついた場合にも、部分的な張り替えがしやすい点もメリットです。

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住宅において、フローリングを取り入れることは一般的ですが、最近は学校や病院などの公共施設においても、木質床材が多く採用されています。特に福祉施設では、滑りにくい点や足への負担が少ない、掃除しやすいなどの理由から、導入ケースが増えています。

内装ドア

内装ドアは、天井・壁・床に次いで、視界に入りやすい部位です。ドアに木を取り入れることで、空間にメリハリがつき、奥行き感が生まれます。ただし、人の手に触れやすいため、防汚塗装などが施された商品を選ぶと良いでしょう。

カウンター・家具

カウンターや家具は、人の体に触れることが多い部分なので、柔らかな温もりある触り心地は重要です。また、近くで作業することが多いため、キズの補修がしやすく耐久性の高くなければいけません。ですから、耐摩耗・耐キズ塗装が施された商品がおすすめです。

パーテーション・ルーバー

最近は、住宅やオフィス、店舗のインテリアにおいて、空間を緩やかに区切る目的でパーテーションが取り入れられます。通風や採光を共有しつつも、視界を遮ることが可能です。そして、天井や壁にルーバーを設置すれば、デザインに凹凸感をプラスできる他に、吸音効果が得られます。

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人気のインテリアデザインやおすすめの樹種は?

ウッドインテリアと一言で表しても、そのデザインテイストは様々です。そこで、ここではウッド素材と相性の良いインテリアデザインと、おすすめの樹種を紹介します。是非デザインの参考にしてください。

ウッド × モノトーン

シンプル志向の方が増えていることもあり、ウッドと彩度の低い色味を合わせた「ウッド・モノトーン」デザインの人気が高まっています。その際には、木目や節などの主張の少ない樹種がおすすめで、木の色味も「白系」や「黒系」を取り入れると、他の素材と調和しやすいです。

ハードメイプル
シナ
バーチ
ウォールナット
ホワイトアッシュ
ウェンジ


ウッド × ヴィンテージ・インダストリアル

最近、店舗や住宅で人気が高いのが、ヴィンテージテイストやインダストリアルテイストです。無骨でどこな懐かしさが漂うデザインは、特に若い人を中心に親しまれています。これらのデザインの場合には、少々節があったり木目が目立つものも“男前”な印象となるためおすすめです。デザインのポイントとなるアイアンやレザー素材との相性もいい樹種を選ぶと良いでしょう。おすすめの樹種は下の4つです。

ナラ(ラスティック)
クリ
サテンウォールナット
レオ



ウッド × ナチュラル・北欧デザイン

ウッドインテリアの代表格であるナチュラルインテリアや、老若男女の方から人気が高い北欧インテリアも、長い間根強い人気があります。全体的に淡い色味の樹種が適していますが、北欧デザインは白を基調とするため、出来るだけ明るい雰囲気になるものを選ぶと良いでしょう。また、集成材は安価であるだけではなく、主張が強すぎないためおすすめです。

シルバーハート
バーチ
ブナ
イエローパイン
カラマツ





恩加島木材の取り組み

私たち恩加島木材では、国内各地の地産材利用も積極的に行なっております。また、突板の流通市場に頼らずに原木市場や製材所から直接仕入れて、自社で選木・加工・販売することも可能です。原産地を日本国内に限定した樹種を常時取り扱っているほか、地産材を利用した突板も数多くご注文いただいております。その建物の社会的価値を高めるためにも、ぜひ国産材を使った突板製品をご検討ください。

地産材の納入実績
JR北陸新幹線・長野駅 コンコース内天井(長野県産杉利用)
香川県多度津町庁舎(香川県産材利用)
某百貨店 什器(大阪府内産桧利用)
新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材利用)
京都女子大学(京都府内産桧利用)
京都 某ホテル(京都府内産利用)


〈関連ページ〉
下記ページでは、当社が常時取り扱っている国産材を使った突板のラインナップや納入実績を紹介しています。ぜひご覧ください。

恩加島木材工業株式会社|製品案内|原産地(日本)


まとめ|ウッドインテリアは不朽の人気デザイン

ウッドインテリアは長年世界中で親しまれている不動の人気デザインです。心理的なメリットだけではなく、身体的・施工的なメリットもあり、多くの住宅や施設に取り入れられています。ただし、人気というだけで決断せずに、必ず“木”の持つ特性を理解した上で検討してください。デザインテイストによって、適した樹種を選ぶと、よりまとまりのある空間に仕上がります。

私たち恩加島木材では、様々な木目の化粧板やルーバー・リブパネル、有孔ボードなどを製造販売しております。ですから、空間全体をトータルコーディネートすることも可能です。統一性のある洗練されたデザインをご希望の際には、ぜひに一度恩加島木材にご相談ください。

〈関連ページ〉
当社の納入実績は下記ページをご覧ください。

恩加島木材工業株式会社|納入実績

 

恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問や要望にお応えします。随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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