ミャンマーチークの魅力とは?特徴から経年変化まで詳しく解説

ミャンマーチークとは

高品質なブランド木材の中でも、主に内装材として使われる“ミャンマーチーク”。

「名前は聞いたことあるが、特徴は知らない」という方も多いでしょう。

今回は「ミャンマーチーク」の特徴と、気になる疑問を徹底解説。

ウッドインテリアの材料をご検討中の方は、是非参考にしてください。

このコラムのポイント
●「ミャンマーチーク」は、意匠面・性能面・環境面におけるメリットがあります。

●「ミャンマーチーク」の流通量は減少しており、希少価値が高まっているため、安定してまとまった材料を入手したい方には“突板化粧板”がおすすめです。

●恩加島木材は、産地にこだわった良質な突板を用いて、高品質で多彩な突板製品をご提供しています。




世界三大銘木として知られる“ミャンマーチーク”

ミャンマーチークの歴史

世界三大銘木と呼ばれているのが、「チーク」「マホガニー」「ウォールナット」ですが、その中でも特に古くから建築に用いられているのが東南アジアが原産国の「チーク」。

落葉高木の一種で、熱帯雨林気候の地域に生育しています。

本チークとも呼ばれ、東南アジアでは数千年前から寺社仏閣など重要な建築物へ使われてきました。

水に強いため、建築資材としてだけではなく、船舶の材料として古くから活用されています。

特に、ミャンマー産のチークは、樹齢が数百年を超えるものも多く、長年貴重な資源として育てられ、世界中で取引されてきたのです。


ミャンマーチークの特徴は?

ミャンマーチークの魅力とは

チーク材の中でも「ミャンマーチーク」は、高品質な材料として知られています。

その理由は、伐採から乾燥、出荷まで6~7年程度かけて、じっくり強度を高めていくためです。

日本では、戦前に多く輸入され、国会議事堂や箱根富士屋ホテルなど、現存する貴重な建物の内装材に使われています。

しかし、戦後にビルマ(現・ミャンマー)政府が独立して以後、1988年までの間、鎖国政策を行なっていたため、日本だけではなく、世界中へ輸出されなくなったのです。

そのため、長年、「インドネシアチーク=チーク」とされてきましたが、2011年に軍事政権が解散後、良質なミャンマーチークの輸出が再開。

経済的な鎖国政策を行なっていた間、伐採量が激減したため、高樹齢で高品質な天然のチーク材が多く蓄えられたのです。

「ミャンマーチーク」の特徴
●オイル成分“テクトキノン”が豊富。

●「巻き枯らし」という手法で、含水率を調整して強度を高める。

●夏期(2月中旬~5月中旬)・雨期(5月中旬~10月中旬)・乾期(10月中旬~2月中旬)を繰り返す気候特性が、独特な木目を生み出す。



見た目が美しい

ミャンマーチークの木目は直線的ですが、ところどころに波のような杢目が現れます。

茶褐色で濃淡の差が大きいため、木目がはっきりしている点が特徴です。

しっとりとした肌触り

豊富に含まれるオイル成分によって、吸い付くようなしっとりとした肌触りです。

また、爽やかな香りも特徴的で、高級家具や建物の内装材として多く用いられます。

耐久性・耐水性が高い

油分が多いため、耐水性が高く、じっくり乾燥させることで、他の樹種よりも木材比重が大きく、耐久性が高いことで知られています。

熱帯雨林に育つ木の特徴でもある、“節の少なさ”も魅力です。

腐食・虫害を受けにくい

テクトキノンには防虫効果があるため、シロアリなど木の天敵である害虫を寄せ付けません。

ミャンマーチークを材料とした建築物や家具は、建てられて数十年・数百年経った後でも現存しているものが多い所以です。

変形しにくく寸法安定性が高い

チーク材は、産地問わず伐採直後は含水率が高く、周囲の温度・湿度環境によって反りや割れが発生するものの、時間をかけてじっくり乾燥させると、寸法安定性が高くなります。

一度乾燥すると、油分が多く水分を含みにくいため、含水率の変動に伴う伸縮や変形がしにくくなるのです。

ミャンマーチークは長い年月をかけて適切な含水率にするため、特に変形リスクが低いと言われています。


伐採が管理されていて環境保全・SDGs実現につながる

鎖国政策終了後、一気にミャンマーチークが輸出されましたが、それに伴い、過剰な伐採や木材生産が行われ、森林の減少や劣化が問題視されました。

そのため、それまで年間20万トンものチーク伐採量を、2014年以降徐々に減らして、6万トンにまで抑え、森林保全に努めています。(参考:林野庁|合法伐採木材等に関する情報:ミャンマー

ミャンマー国内の森林は、政府が管理する恒久林であるため、厳しく管理されており、昨今世界的な問題である違法伐採を防いでいる点もポイントです。

つまり、ミャンマーチークは正当なルートで適正量が取引されている材料と言えます。

地球環境保全や持続可能な社会の実現にとって、大きな意味をもつモデルケースと言えるでしょう。

ポイント
ミャンマーチークは、環境保全の目的で流通量がコントロールされているため、年々流通量が減り、希少価値が高まっています。

そのため、日本国内でも取り扱いがあるのは数社に限ります。

“恩加島木材”では、定期的にミャンマーチークの突板を入手し、化粧板に加工して、お客様へお届けしています。

※2023年7月に8,000㎡分のミャンマーチーク天然木付き板の入手に成功



〈おすすめコラム〉

意外と知らない“森林認証制度”とは?メリット・デメリットやSDGsとの関連性についても
世界の“森林減少”が深刻。原因や実状・建築でできる対策について解説



ミャンマーチークに関する気になるQ & A

突板練付化粧板

ミャンマーチークを建築デザインに取り入れたい方の多くが気になる疑問についてお答えします。

材料選定で迷っている方は、参考にしてください。

Q.インドネシアチークとの違いは?

ミャンマーチークとよく比較されるのが、インドネシアチークです。

同じ樹種ですが、育て方の違いによって、品質にも少々差があります。

ミャンマーチーク

基本的には原生林が主な生育地であり、樹齢100年越えのものも多く、しっかりと詰まった木目と華やかな杢目が特徴です。

木目の濃淡が濃く、太い無垢材が手に入りやすいですが、他の産地と比べると高価な点は否めません。

インドネシアチーク

植林によって生育しており、小径なものが多いのが特徴です。

木目の色が薄めだが、ミャンマーチークより安価に取引されています。


このような差があるため、インドネシアチークは流通量が減少しているミャンマーチークの代替品として注目されています。

インドネシアチークよりも、さらに価格がリーズナブルなブラジル産も人気です。

ブラジルチークは、樹径が大きく、広い突板が取れるため、継ぎ目の少ない化粧板が作れます。

恩加島木材では、ブラジル産チークも植林チークも取り扱っています。



Q.「ミャンマーチークの経年変化は?」

ミャンマーチークは、他のチーク材と比べると、最初から濃い目の「金褐色」です。

経年変化に伴い、さらに深みのある飴色へ変色します。

また、含まれる油分が表層に現れてくるため、艶が増す点も特徴です。



Q.「ミャンマーチークは安定的に手に入れられる?」

年々希少価値が高まっているミャンマーチークの無垢材を、まとまった量確保することは困難です。

そのため、公共施設・商業施設など、品質の揃った材料が多量に必要となる現場へは、なかなか採用しづらいと思う方も多いかもしれません。

そこでおすすめなのが、「天然木突板化粧板」。

無垢材よりも安定的に材料を入手しやすく、施工性が高い点がメリットです。



〈おすすめコラム〉

突板・挽板・無垢材それぞれの違いとは?どれがおすすめ?特性から選び方まで徹底解説
天然木にこだわるなら突板練付化粧板。メラミン化粧板・オレフィン化粧板・プリント化粧板との違いは?
公共施設・商業施設に欠かせない不燃材料。防火性能や突板練付不燃板について解説


希少な銘木は“突板化粧板”で

サスティナブルな内装建材

私たち“恩加島木材”が皆様にご提供しているのは、天然木をスライスした突板を用いた化粧板などの内装建材です。

住宅はもちろん、内装制限のある商業施設・公共施設にも対応できるよう、不燃材を基材とした商品も取り揃えています。

原料となる突板の選定、職人による貼り作業、特殊加工や塗装、在庫管理、出荷作業までの一連を、全て自社工場にて行なっている点が強みです。

1947年創業以来培った経験と知識を活かし、ミャンマーチークをはじめとした希少価値高い樹種の突板も取り扱っていますので、お気軽にご相談ください。


KDパネル

KDパネルは、台湾・KEDING社製の天然木化粧合板で、0.5mmの厚突板で木目の立体感を実現し、特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した今までに無い化粧合板です。

天然木本来の質感と、メラミン化粧板のような強度・施工性を兼ね備えています。

恩加島木材工業が自信をもって展開する日本初上陸のプロダクトです。

▶︎「KDパネル」の詳細はこちらから



PANESSE(パネッセ)

天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「突板シート」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップをご用意しています。

樹種も40種類以上からお選びいただけますし、産出地を限定した地産材のご注文も承っております。

▶︎「PANESSE」の詳細はこちらから


〈関連コラム〉
恩加島木材の豊富な突板化粧板ラインナップ 厚さと基材の種類を紹介
樹種別の特徴や木目のトレンドは?恩加島木材の人気樹種や選び方のポイントを解説


リブパネル・ルーバー

最近トレンドのリブパネルやルーバーも、その他化粧板と同じ樹種で製造しております。

リブパネルは、もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場でパネル組みをしている高精度・省施工型の製品です。

高意匠な内装材としてご好評いただいています。

基材は木芯・不燃(ダイライト、エースライトなど)からアルミ押出成形品(※ルーバーのみ)まで対応しておりますので、内装制限のある建物にもご採用いただけます。

リブパネルはHPより規格書もダウンロードできますので、是非ご検討ください。

▶︎「リブパネル・ルーバー」の詳細はこちらから


〈関連コラム〉
天然木の風合いを生かした“ルーバー”と“リブパネル” 特徴や不燃対応について徹底解説

一口メモ
世界的に著名な建築家・隈研吾氏の設計による「和歌山県・有和中学校新校舎」をはじめ、様々な建築物へ当社製品が採用されています。
詳しくは、納入実績・施工実績・最新トピックスをご覧ください。




エコ建材は“恩加島木材”へご相談ください

SDGs実現につながる“恩加島木材”の突板化粧板製品

サスティナブルな内装材をお探しの方にも、“突板化粧板”をおすすめします。

無垢材は施工時の含水率と時間が経過した状態の含水率の変動によって、反りや木割れが起きてしまうリスクは避けられません。

一方、突板化粧板は寸法安定性の高い合板などを基材にするため、施工性も高く湿度変化によって変形する心配が少ないのです。

私たち“恩加島木材工業”は、1947年に創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使って、良質でバラエティに富んだ内装材を作り続けてきました。

突板の常備在庫はおよそ1000束に上り、その豊富なストックから、仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定しています。

木の特性を熟知した“恩加島木材工業”が自信を持ってご提供する突板製品は、多くの住宅や公共施設にて採用されています。

内装の木質化は、今やカーボンニュートラルや脱炭素化の実現には欠かせません。

ウッドインテリアをご検討中の方は、ぜひ一度“恩加島木材工業”の製品をご覧ください。

国産材・地産材の積極的な利用

また、産地を限定した国産材・地産材を積極的に用いて、日本の貴重な資源である“森林”、そして林業・製材業を守るために取り組んでいます。

地産材の納入実績
JR北陸新幹線・長野駅 コンコース内天井(長野県産杉利用)

香川県多度津町庁舎(香川県産材)

某百貨店 什器(大阪府産桧材)

阪急百貨店(大阪府産桧材)

新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材)

京都女子大学(京都府内産桧材)

京都 某ホテル(京都府産材)

金沢サッカー場内装(石川県産材)

鳥取県立美術館(鳥取県産材)

岐阜県庁舎(岐阜県産桧材)

某企業工場(宮城県産杉材)

鳥取県立美術館(鳥取県産材利用)




〈関連コラム〉

今こそ木材も“地産地消”する時代。脱炭素化に向けた地産材・地域材利用について解説
突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介


間伐材の利用

森を豊かにするためには、適切な間伐が必要不可欠です。

ただし、間伐材をうまく活用しなくては林業の利益を生み出せません。

近年は、木製ガードレール、木製遮音壁、木製魚礁、木杭等や、バイオマス用燃料、コンクリート型枠などに活用されています。

さらに無駄なく使い切るために、弊社では、杉・桧の小径間伐材からスライスされた突板をバランスよく配置して美しい突板化粧板を製造。

森の活性化・林業の利益化向上・廃棄物の削減などの観点から、SDGs実現に向けた取り組みとして実施しています。

〈関連コラム〉

“間伐材の利用”がSDGsのカギを握る?現状の問題点やメリット・デメリットについて解説


人工突板の開発・製造

原木 ロータリー

「人工突板」と聞くと、どうしても自然由来の素材を連想しにくいかもしれませんが、こちらも天然木材から作られた建材です。

間伐材や短期間で成長する植林樹木などの小径材を活用します。

植林から製材に適したサイズに成長するまで40〜50年程度かかる銘木とは異なり、短いサイクルで建築材料を生み出せます。

森林の木々をこまめに伐採・植林するサイクルは、森を健康に保つためにも非常に重要なポイントです。

ポイント
“恩加島木材”は、国内で数少ない人工突板製品の開発・製造を行っている会社です。
サスティナビリティの高い建築物を目指す方は、ぜひ“豊かな森を守る”人工突板のご採用をご検討ください。


〈関連コラム〉

“人工突板”は天然木由来の建材。基礎知識やウッドショックとの関連性について解説


自社工場での自然エネルギー活用

2023年10月(予定)より、自社工場へ太陽光発電システム(141kW)および蓄電池を導入し、再生可能エネルギーの創出や脱炭素化への貢献を目指します。


〈おすすめコラム〉

突板でデザインの幅が広がる。「突板」のメリットから無垢材などとの違いまで解説
恩加島木材の豊富な突板化粧板ラインナップ 厚さと基材の種類を紹介
突板製品はこうして生まれる。森から現場までのプロセスは?生産工程や恩加島木材の強みを紹介


まとめ|コスト・納期面で有利な突板化粧板

ミャンマーチークは、良質であるものの、年々流通量が減り、希少価値が高まっています。

そのため、まとまった量の無垢材を入手することは困難で、大きな建物への採用が困難である可能性があります。

そこでおすすめなのが、突板化粧板。

良質なミャンマーチークを薄くスライスして加工するため、1本の木から広い面積の材料を作り出せます。

表面は天然木そのものなので、風合いにこだわりたい方でもぜひご採用ください。

長年培った経験と知識をもとに、みなさんの設計デザインをお手伝いさせていただきます。

製品は、天然木突板を使った化粧板やフローリング材、ルーバー、有孔ボードなど多岐にわたっているため、空間のトータルコーディネートも可能です。

「環境に配慮した製品を取り入れたい」「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」とお考えの方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。


日本初〉大臣認定取得|恩加島木材の“不燃突板複合板”

難燃_不燃複合板

建築基準法上で「特殊建築物」に指定される商業施設や宿泊施設などを建てる際に欠かせないのが、“不燃突板複合板”です。

天然木突板(厚さ0.2mm)に不燃材料である無機質不燃板(厚さ6・9mm)を貼り合わせた材料です。

しかし、今までの不燃突板化粧板には施工上の問題点がありました。

  • 重い
  • 割れやすい
  • 高コスト
  • ビスが効かない


それらの問題を解決したのが、恩加島木材の不燃突板複合板」です。

天然木突板(厚さ0.2mm)+ 無機質不燃板「ダイライトFAL」(厚さ6mm)+ 特殊合板(厚さ9mm)で構成されているため、ビスが効いて割れません。また、軽量化されたため、施工効率もアップします。
※幅290mmまでは本実加工も可能です。

日本で初めて大臣認定を受けたため、安心して採用していただけます。



恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?

恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。

随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。