グリーントランスフォーメーション(GX)と建築|定義や方法をわかりやすく解説

GXと建築の関連性

最近メディアで取り上げられることの多い「グリーントランスフォーメーション(GX)」。

単なる環境問題に対する取り組みだと思われがちですが、実は建築にも大きなかかわりがあります。

設計デザインの際に意識すべきポイントもありますので、今回は「GX」の概略と建築の関係性、企業が取り組むメリットについてお話しします。

ぜひ、設計デザインの参考にしてください。

このコラムのポイント
●グリーントランスフォーメーション(GX)とは、脱炭素化やカーボンニュートラルを通して、社会や人々の意識変革や経済成長を目指す取り組みです。

●GXにおける重点項目の一部に、建築物の省エネ化や木材利用促進が挙げられています。

●恩加島木材は、産地にこだわった良質な突板を用いて、高品質で多彩な突板製品をご提供しています。



グリーントランスフォーメーション(GX)の定義とは?

ヒノキを突板化粧板で内装に取り入れる

グリーントランスフォーメーション(GX)とは、太陽光発電や水力発電などの自然エネルギー活用や、森林保持などを通して行われている、温室効果ガス削減への取り組みや変革を意味します。

また、これらの取り組み・変革に対して、国や企業が資本投資することを「GX投資」と呼び、年々その傾向は強まり、事例が増えているのが現状です。

これまでの環境的活動と異なるのは、温室効果ガス削減を経済成長のきっかけにすることが想定されているという点です。

政府や企業がGXへ積極的に取り組んでいる背景には、地球温暖化による深刻な環境問題が関連しています。

これまでは、経済的メリットを重視せずに人々の意識変革を求めてきましたが、経済成長を目指す点をアピールすることで、企業や個人が積極的に参加する意義が高まり、より一層大きな効果が生み出されることが期待されています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)との関連性は?

GXについて調べていると、合わせてデジタルトランスフォーメーション(DX)というキーワードを見かけるはずです。

こちらは、最新のデジタル技術を用いて、人々の生活をより快適に豊かにするための変革を意味します。

GXには、エネルギー転換が必須であり、それに先立って様々なテクノロジー技術が不可欠であると考えられています。

つまり、GX実現とDXは決して無関係でなく、むしろ密接なかかわりがあると言えるでしょう。(参考:環境省|GX ×「デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資」

「脱炭素化」や「カーボンニュートラル」との違いは?

GX・カーボンユートラル・脱炭素の違い

GXを語る上で重要なキーワードとなるのが、「脱炭素」や「カーボンニュートラル」です。

どちらも、地球温暖化抑制に向けて二酸化炭素などの温室効果ガス排出量を減らすための取り組みという点では変わりません。

ただし、GXにおいては、温室効果ガス排出量削減は実施目標の一部に過ぎず、最終的には国・社会・企業・個人の意識改革や経済成長も目指しています。

つまり、脱炭素やカーボンニュートラルよりも、GXの方がより包括的な活動と言えるでしょう。


GXの取り組みと関係が深い“建築

ウォールナット施工事例
KDパネル(K6181AN)

2023年、政府は今後10年間で“総額150兆円”もの官民GX投資を実行すると発表しました。

GXはエネルギー変革を軸とした取り組みのイメージが強いですが、実は建設業界へも多額の投資が行われています。

特に、住宅やその他建築物の「省エネ化」や、「木造化・木質化など木材利用による森林維持」は、GXにおいて重要項目です。

では、ここ数年の建築に関するGXの動きを見てみましょう。

2021年

イギリス・グラスゴーで開催された「気候変動枠組条約締約国会議(COP26)」において、地球温暖化対策の一環として「森林・林業・木材におけるSDGsによるGX(グラスゴー宣言)」を発表する。(参考:WWFジャパン|「2030年までに森林減少を食い止める」首脳宣言に141か国が署名

矢印

2021〜2023年

住宅・建築物の抜本的な省エネ化やCO2排出量削減を実現するために、今後10年で建築物省エネ法等によって、より規制や基準を強化していくことが決定する。

矢印

2023年

住宅・建築物の抜本的な省エネ化やCO2排出量削減実現に向けた取り組みの一つとして、「木造建築物の普及・拡大・内装の木質化」が盛り込まれる。

住宅そのた建築物の省エネ化を目的とし「たZEH・ZEBの普及」と、CO2削減を目的とした「非住宅・中高層の建築物等木材利用」へ、10年間で約14兆円もの投資が検討される。(参考:経済産業省|GX実現に向けた今後の取組

GX実現に向けた今後の取組
(引用:経済産業省|GX実現に向けた今後の取組


このように、年々GX実現に向けた取り組みが盛んになっている中、今後の建設業やそれに関連する業種においては、以下の点がポイントになります。

  • 木造建築物等の建築基準の合理化
  • 都市の木造化推進法による建築物等の木材利用促進
  • エリートツリー育成に見られる生長の早い効率的な樹木育成技術
  • 間伐材の活用普及
  • 国産材・地域材利用の促進
  • クリーンウッド法を軸とした違法伐採の撲滅


これらは全て「持続可能な森林の維持保全」に繋がります。

なぜなら、森林は適度に伐採・植林を繰り返すことで活性化し、林業・製材業の発展をもたらすからです。

森林が活性化することで、多くのCO2を固定するだけではなく、国土の2/3以上を森林が占める日本においては、大きな経済成長も期待できます。

2024年度以降もGX投資を資本とした補助事業の実施が予定されているため、要注目です。


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設計デザインにGXを取り入れるメリットは?

GX関連の補助金は?

GX実現へ向けた取り組みのうち、建築がもたらす効果は大きく、多額の予算が投じられることが検討されています。

そのため、プロジェクトの設計デザインをする際にGXを意識することで、主にコスト面のメリットを得られる可能性があります。

建築物の省エネ化(断熱化)や、木材の積極的な利用に対して、多額の補助金が設けられる可能性が高いため、これらを意識した設計デザインをおすすめします。

また、GXへの取り組みは、企業やブランド、建築プロジェクトのイメージ向上につながることは間違い無いでしょう。

近年、消費者は環境保全への貢献度に価値を見出す傾向が強く、GXへの取り組みは、その一環として十分評価されるべき事だからです。

設計デザインは意匠面・強度面・コスト面など意識しなくてはいけないポイントがいくつもありますが、これからはそこに“環境面”が加わることは必然と言えるでしょう。

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恩加島木材の環境保全に向けた取り組み

SDGs実現につながる“恩加島木材”の突板化粧板製品

私たち“恩加島木材工業”は、1947年創業以来、突板製品専門メーカーとして時代の変化を見極めながら、国内に限らず世界中の銘木を使い、良質でバラエティに富んだ内装材を作り続けてきました。

突板の常備在庫はおよそ1000束に上り、その豊富なストックから、仕様やご要望に応じて一枚一枚丁寧に選定しています。

木の特性を熟知した“恩加島木材工業”が自信を持ってご提供する突板製品は、多くの住宅や公共施設にて採用されています。

内装の木質化は、今やカーボンニュートラルや脱炭素化の実現には欠かせません。

当社では、地球環境を守るために、以下の取り組みを行っています。

国産材・地域材の利用

産地を限定した国産材・地域材を積極的に用いて、日本の貴重な資源である“森林”、そして林業・製材業を守るために取り組んでいます。

地産材の納入実績
JR北陸新幹線・長野駅 コンコース内天井(長野県産杉利用)
香川県多度津町庁舎(香川県産材利用)
某百貨店 什器(大阪府内産桧利用)
新居浜商業高校 体育館(愛媛県産材利用)
京都女子大学(京都府内産桧利用)
京都 某ホテル(京都府内産利用)
金沢サッカー場内装(石川県産材利用)
鳥取県立美術館(鳥取県産材利用)


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間伐材の利用

森を豊かにするためには、適切な間伐が必要不可欠です。

弊社では、杉・桧の小径間伐材からスライスされた突板をバランスよく配置して美しい突板化粧板を製造。

森の活性化・林業の利益化向上・廃棄物の削減などの観点から、SDGs実現に向けた取り組みとして間伐材の積極的利用を行っています。

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人工突板の開発・製造

原木 ロータリー

「人工突板」と聞くと、どうしても自然由来の素材を連想しにくいかもしれませんが、こちらも天然木材から作られた建材です。

間伐材や短期間で成長する植林樹木などの小径材を活用します。

森林の木々をこまめに伐採・植林するサイクルは、森を健康に保つためにも非常に重要なポイントです。

ポイント
“恩加島木材”は、国内で数少ない人工突板製品の開発・製造を行っている会社です。
サスティナビリティの高い建築物を目指す方は、ぜひ“豊かな森を守る”人工突板のご採用をご検討ください。


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自社工場での自然エネルギー活用

2023年10月より、自社工場へ太陽光発電システム(141kW)および蓄電池を導入し、再生可能エネルギーの創出や脱炭素化への貢献を目指します。


内装木質化に適した恩加島木材の突板化粧板

突板練付化粧板

恩加島木材では、高品質なだけではなく、様々な建物や納まり、デザインを実現できる多彩な商品を取り揃えています。

常時40種以上の樹種を取り揃え、さらにそれぞれ「板目」「柾目」「杢目」「集成柄」などの模様をご用意しているため、設計デザインのイメージに合わせてお選びいただけるはずです。

PANESSE(パネッセ)

天然木練付化粧板のシリーズで、基材によって「不燃ボード」「難燃ボード」「MDF化粧合板」「突板シート」「有孔パネル」「テクスチャーボード」と多彩なラインナップを実現。

樹種も40種類以上からご選定可能で、産出地を限定した地産材のご注文も承っております。

▶︎「PANESSE」の詳細はこちらから


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KDパネル

KDパネルは、台湾・KEDING社製の天然木化粧合板です。

0.5mmの厚単板で木目の立体感を、特殊UV塗装で耐久性と抗菌性能を付与した今までに無い化粧合板。

天然木本来の質感と、メラミン化粧板のような強度・施工性を兼ね備えています。

恩加島木材工業が自信をもって展開する日本初上陸のプロダクトです。

▶︎「KDパネル」の詳細はこちらから


リブパネル・ルーバー

最近トレンドのリブパネルやルーバーも、その他化粧板と同じ樹種で製造しております。

リブパネルは、もちろん天然木練付化粧板に貼り付けた仕様で、あらかじめ工場でパネル組みをしている高精度・省施工型の製品です。

ルーバーも同様で、精度の高い高意匠ルーバーとして人気商品となっています。

基材は木芯・不燃(ダイライト、エースライトなど)からアルミ押出成形品(※ルーバーのみ)まで対応しておりますので、内装制限のある建物にもご採用いただけます。

リブパネルはHPより規格書もダウンロードできますので、是非ご検討ください。

▶︎「リブパネル・ルーバー」の詳細はこちらから


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一口メモ
世界的に著名な建築家・隈研吾氏の設計による「和歌山県・有和中学校新校舎」をはじめ、様々な建築物へ当社製品が採用されています。
詳しくは、納入実績・施工実績・最新トピックスをご覧ください。




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まとめ|GXを意識した材料選定で建物の価値を高める

GXは、脱炭素化・カーボンニュートラルな社会実現を通して、人々の意識変革や経済成長を目指す取り組みです。

政府はGX実現に向けて多額の資本投資を予定しており、その一部に「建築物の省エネ化・木造木質化」も含まれます。

そのため、省エネ化・木造木質化を意識した設計デザインにすることで、補助金支給の対象となる可能性が高まるのです。

また、企業・プロジェクト、そして建物そのものの存在意義が高まり、一般ユーザーからの高い評価を得ることも期待できます。

内装の木質化をする際におすすめなのが、「突板化粧板」です。

天然木の風合いを表現できる上に、材料コスト削減や軽量化を実現できます。

恩加島木材が、長年培った経験と知識をもとに、みなさんの設計デザインをお手伝いさせていただきます。

製品は、天然木突板を使った化粧板やフローリング材、ルーバー、有孔ボードなど多岐にわたっているため、空間のトータルコーディネートも可能です。

「統一性のある洗練されたデザインを実現させたい」「コストの高い樹種を採用したい」とお考えの方は、ぜひに一度恩加島木材の突板製品をご検討ください。


日本初〉大臣認定取得|恩加島木材の“不燃突板複合板”

難燃_不燃複合板

建築基準法上で「特殊建築物」に指定される商業施設や宿泊施設などを建てる際に欠かせないのが、“不燃突板複合板”です。

天然木突板(厚さ0.2mm)に不燃材料である無機質不燃板(厚さ6・9mm)を貼り合わせた材料です。

しかし、今までの不燃突板化粧板には施工上の問題点がありました。

  • 重い
  • 割れやすい
  • 高コスト
  • ビスが効かない


それらの問題を解決したのが、恩加島木材の不燃突板複合板」です。

天然木突板(厚さ0.2mm)+ 無機質不燃板「ダイライトFAL」(厚さ6mm)+ 特殊合板(厚さ9mm)で構成されているため、ビスが効いて割れません。また、軽量化されたため、施工効率もアップします。
※幅290mmまでは本実加工も可能です。

日本で初めて大臣認定を受けたため、安心して採用していただけます。



恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

恩加島木材が現場の様々なご要望にお応えします

「プリントシート材の木目だと味気なく個性が出せない」「天然木を使用したいが無垢材だとコストが高くメンテナンスが不安」そんな時には、天然木突板を使っておしゃれで安らげる空間をデザインしてみませんか?

恩加島木材の歴史ある熟練技術で、デザイナー様や設計士様の疑問やご要望にお応えします。

随時、木材選定から各種オーダー加工に関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。